「気づき」のバトンを渡せますか
「レッドリボン」や「ピンクリボン」、さらには「オレンジリボン」という言葉を聞いたことはありますか?
これらのリボンを身に着けている人を見かけたことはありますか?
これらのリボンは、総称して「アウェアネス・リボン」と呼ばれています。「気づきのリボン」と訳されることもあります。社会問題や難病に対して、支援や賛同を表明するために身につけるリボンとされています。
アウェアネス・リボン(英: Awareness ribbon)とは輪状に折った短い一片のリボン、もしくはそれを描いた絵などで、アメリカ・カナダ・オーストラリア・イギリス、その他世界各地で、着用者(使用者)が社会運動、もしくは社会問題に対してさりげない支援や賛同の声明を出す方法として使用されている。
リボンで輪を作って留めただけのシンボルマークですが、それぞれのリボンの色には「意味」が込められています。
1.レッドリボン
赤のアウェアネスリボン「レッドリボン」は、AIDS(エイズ)への理解や支援を表すシンボルマークとしてよく知られています。
※レッドリボン軍は、『DRAGON BALL』に登場する架空の武装組織であり、ここで紹介するレッドリボンとは一切関係ありません。
元々は亡くなった人々への追悼の気持ちをあらわすものとしてヨーロッパの古くからの風習として使われていたものです。1970年代にアメリカで薬物乱用の防止に対する理解や支援を表すシンボルマークとして使われていたこともあります。1993年には、国際連合エイズ合同計画(UNAIDS)のシンボルマークとして採用されたことがきっかけで大きく広まり、今ではAIDSに関するマークでしょ?といわれるほど、AIDSに関する何かを表すマークとして知られるようになっています。
12月1日の世界エイズデーを中心に、世界各国でエイズに関する啓発活動が行われています。
「AIDSに関する何か」が、AIDS(エイズ)への理解や支援を表すもの、と正しく伝えていきたいですね。
2.ピンクリボン
「ピンクリボン」は、乳がんに対する正しい知識を広め、早期発見の重要性を呼びかけるシンボルマークとしてよく知られています。1980年代にアメリカで始まった、乳がんの「早期発見・早期診断・早期治療」の大切さを世界の女性たちに伝えるピンクリボン運動は、2000年代に入ってから日本でも取り入れられるようになりました。
3.オレンジリボン
「オレンジリボン」は、児童虐待防止運動のシンボルマークとして知られています。
公式サポートグッズの売上は、子ども虐待防止オレンジリボン運動に活用されるので、グッズを購入して活動を支援することもできます。今治ハンカチタオルは普段使いもしやすくオススメです。
4.グリーンリボン
グリーンリボンは、世界的な移植医療のシンボルマークです。生体肝移植というキーワードをニュースで聞くことも珍しくなくなってきました。万一のときにでも誰かの役に立てる、ということを考えてみるのも良いかもしれません。
5.その他のリボン
良く知られているカラーリボンの他にも、様々な色がアウェアネス・リボンとして使われていることがわかります。1つのカラーが複数の社会問題や難病に対して支援・賛同している場合もあります。先ほど紹介したグリーンリボンも、日本では臓器移植のイメージが強いですが、環境保護活動のシンボルマークとしても知られています。
パープルリボンは、女性へのDV(ドメスティック・バイオレンス)をはじめとする暴力や虐待への根絶のほかに、膵臓がん、アルツハイマー病、摂食障害、線維筋痛症、てんかん、アメリカ同時多発テロ事件の犠牲者など、実に30以上の各分野における啓発と撲滅を訴えるシンボルマークとして使われています。
また1色のリボンのほかにも、2色や透明、虹色のリボンもあります。
6.まとめ
アウェアネス・リボンに対して、「自己満足の支援」といった批判もあります。
リボンや啓発グッズを購入したり寄付することで社会問題が解決できるわけではありません。金銭的な支援はあくまで活動資金の援助で、大切なのは、その社会問題に関心を持ち、自分にできる支援とは何かを考えることです。それらをできるだけ多くの人に知ってもらうための手段としてアウェアネス・リボンがあるに過ぎません。
寄付やボランティアといった活動的な支援だけでなく、問題に理解を示し差別をしないこと、正しい知識を身につけることも、大切な支援活動のひとつです。
小さなリボンに気づいたあなたが、誰かにバトンを渡せますように