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高齢化率40%のまちで、若者の意見を反映させるためには?都農町ではじめる「ゼロカーボンU-18議会」

若者が小中学生のころから、まちづくりの主役として、主体的に関わっていけば、愛着や当事者意識が湧いて、いったん町外に出るものの、いずれかの時期に戻ってくる確率が高くなるのでは?

そんな思いからはじめたのが、町で表明したゼロカーボンタウン宣言の具体策について、小・中学生が施策提言を行う『ゼロカーボンU-18議会』

3月25日に、町の議場で町長や議長、議員に小・中学生9名が提言をします。参考にした事例や、これからの展望についてまとめてみました。

1.若者が予算をもつスウェーデン

グレタさんを生み出したスウェーデン、若者の投票率は85%

若者協議会が全国で組成。若者世代の声を反映させ、まちづくりを若者自らの手で行う環境が整っている

ヨーテボリ市若者協議会は毎年30万スウェーデンクローナ(約350万円)の予算が市から充てられており、活動費として使うことができる。若者協議会は、ウォータースライダーを借りる目的を「ヨーテボリのすべての若者が出会う場となり、若者の社会統合を促進し、若者協議会の活動を広めること」と掲げて、ヨーテボリ市と協議をした。最終的には、予算の許可が下り、提案・実現に至った。

ウォータースライダーという、楽しそうでわかりやすいものが論点になるのが面白いなと思いました。

政策というと、どうしても政治色が強くなり、簡単には意見を言えないオーラがつきまといがちですが、これなら、気軽に意見も言えそう。

若者協議会の設置はヨーテボリ市の議会(Kommunfullmäktige)により、2004年に決定された。市議会に議席を持つすべての政党の市議が、若者協議会と直接会合をする義務が命じられた。

ヨーテボリ市のように、義務づけをすることが肝ですね。

★ヨーテボリ市若者協議会 Göteborgs Ungdomsråd
【対象年齢】12~17歳
【会員数】101人(メンバー81人、理事20人)
【理念】
●若者が行政、政治家に影響力を発揮できるようになること
若者自身が話し合う内容を決めること
【予算】年間350万円
【組織】学校委員会、人道委員会、文化・余暇委員会、都市委員会、活性化委員会
【主な活動】
政治家や行政への提言・質問・意見具申
活動の企画・実施
委員会の開催
【最近の活動】
●地方選挙における16歳選挙権の導入の提言
●若者の公共交通機関の時間限定の無償利用可(実現)
ウォータースライダー祭りの開催(2015年)

都農町でも目的を明確にして、ある一定のテーマについては若者が主体的にまちづくりに関われるしくみをつくれないかなと思いました。

2. 2050年に責任を持てる人=現役世代がやる


どんなテーマがいいか、あれこれ考えましたが、スタートとして「ゼロカーボン」を若者が影響力を発揮できるテーマとしました。

あまりにビッグイシューですが、、、

なぜ「ゼロカーボン」かというと、人類が経験したことがない分野であり、どんな専門家でも明確に方針を打ち出すことは難しく、大人たちも未経験ゾーンなので、若者もフラットに議論できるのではないかと。

かつ、世界が目指す2050年という明確な時限性があること。(もちろん本質的には、2050年を問わない話ですが)

未来と言われるとバクっとしてフワっとした議論で終わりますが、2050年という具体的な時期があることで、その時に現役かどうかを判断しやすいと思いました。

2050年に確実に引退しているであろう人たちの意見より、その時代の最大当事者で平均年齢に近い現役世代(40代)に発言権が与えられるのは自然の流れかなと。

もちろん、僕も引退確実なので、できることは応援ぐらい

そうするといまから22年後の40代というと18歳以下になるので、ちょうどよいかなと。

3. これから世界で活躍するために必須のスキル


では、18歳以下の若者にとって、「ゼロカーボン」について考えたり提言したりするメリットがあるのか?

この先、ますます国の境目がなくなり、グローバルという言葉自体、死語になるぐらい当たり前になってくると思います。

そのことは、1万人の町、都農町にとってもチャンス

デジタル化の恩恵で、東京や都市部に行かなくても、自分の意思、行動ひとつで海外とダイレクトにつながれる時代です。

実際、今年の都農中学校の授業ではベトナムの子どもたちと一緒に料理教室をライブで普通にやってますし、パリ駐在の方から海外事情をZOOMで学ぶことも体験済み。

行き来は手軽で自由になったとして、活躍するためにどんなスキルが必要か?

語学はもちろんですが、AIの発達でしゃべれなくても、なんとかなりそう。。

それよりも、何について話せるか論点に対する持論の質が問われてくると思います。

この先、世界共通の重要な論点である「ゼロカーボン」について、子どものころから自分の頭で考えて、発信して、まちを動かせるようになれば他国の人と話す上でも興味や関心を持ってもらえるし、事業や社会活動を一緒にできることにもつながるかなと思っています。

4. 子ども議会的おままごとで終わらせない

『ゼロカーボンU-18議会』のあり方について。

いかに持続的なしくみにできるかが一番大切です。

「子どもたちがまちに提言!」
とか、
「本物の議場で議員に質問!」
といった、子ども議会的イベントはすでに数多くあります。

ヨーテボリ市のように、しくみにしていくことを目指したいです。

都農町に対して、今回の提言を実現まで持っていくフォロー、そして次にどうつなげていくかの提案をしていく必要性を自覚しています。

現段階で考えてるのは、

毎半期ごとに町内の小中学校から自薦・他薦でメンバー募集。
○期生として、上半期は9月、下半期は3月に『ゼロカーボンU-18議会』を開会、施策提言
上半期は前下半期に提言された施策の具現化
下半期は、新しい施策の企画と提言

いまから2050年まで、年2回とすると50回以上の開催、500人近い若者が関わることになります。

課題はたくさん。

そもそもゼロカーボン考えたい小・中学生がいるのか?
町外に通学していて時間のとりにくい高校生をどう巻き込むか?
自分たちでそこまで毎年、テーマを出せるか?
実際に、町が具現化の協力をできるのか?

一つひとつ、壁に向き合いながら壊していくのかなと思います。

まだ始まってませんが、現段階の構想として書いてみました。

定期的に振り返ったり軌道修正したりしていこうと思います。

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