見出し画像

意外に緑が少ない!?地方の小さな町に多世代が”散歩”を楽しめるまちづくりを

半年近くかけてつくってきた、都農町のグランドデザインを先月末、町に納品しました。

250人近い町民の方々とグランドデザインや高校跡地の活用についてワークショップをしてきました。

1. 都農町の高齢者に浸透している”散歩”

まちづくりに対して、年代を問わず多く出ていた「ほしい場所」

ただでいける場所」
だれでも気軽に出かけられる場所」
目的地がほしい」
さるきたくなる道」

イツノマで運営している、ローカルけんこうメディア『つのまる』で、定期的に健康に関心の高い高齢者の方々へ取材していますが、みなさん、共通して毎日のように「散歩」をしています。

なかには、デジタル・フレンドリーの模範生、スマホにお散歩アプリを入れたり、血圧や体温、脈拍をはかり、1日に必要な歩数を算出して目標にしている人も。。

米山さんもその一人↓

スクリーンショット 2022-03-20 14.21.07

取材を通して、より歩きやすい散歩コースやスポットがあると、高齢者のくらしが、より楽しく、充実したものになるのでは、と感じました。

2. 週1回、散歩する高齢者は20年間で3倍増

「スポーツライフに関する調査」から、成人の散歩・ウォーキングの実施状況について、1996年から2018年までの推移と年代別の分析を見ました。

1996年以降の全体傾向としては、散歩・ウォーキング実施率は年1回以上が22.3%から44.9%週1回以上が13.6%から32.9%へと大幅に増加。特に、高齢者層が全体の実施率を大きく引き上げてきた様子が伺えます。

【年1回以上、散歩・ウォーキング実施率】→倍増

散歩実施率

【週1回以上、散歩・ウォーキング実施率】→2.41倍増

画像2

【週1回以上×高齢者、散歩・ウォーキング実施率】→3倍増

スクリーンショット 2022-03-20 14.09.43

3. 散歩が心身の健康によい根拠

2020年3月の「BUSINESS INSIDER」の記事によると、散歩する人の死亡率が20%低いという研究結果

医学雑誌のAmerican Journal of Preventative Medicineに発表された、6万2178人の男性と7万7077人の女性を対象とした高齢者についての大規模研究によると、13年間の研究期間中、週に150分以上歩く人は、そうではない人より死亡する可能性が約20%低かった

また、身体だけでなく、メンタル面でも効果が実証されています。

ハーバード大学やその他の機関の研究者による最近の研究では、運動の種類に関係なく、週に3時間の運動はうつ病のリスクを低下させる可能性があることがわかった。毎日30分程度の活動を追加するごとに、リスクはさらに17%低下する。

4. 思考力や創造力を高める効果も

2021年3月の「Harvard Business Review」の記事「歩くことはなぜ、私たちの思考に役立つのか」(Why Walking Helps Us Think)によると、散歩によって記憶力や注意力の検査結果が向上するそうです。

さらに、面白いなと思ったのは、目的をもって歩くための5つの提案です。これを読むと、高齢者に限らず、僕ら現役世代や若者世代にとっても、散歩は思考力や創造力を高める簡単でお手軽な良い手段だなと。

(1)大局的な視野を持つために歩く
世界規模のパンデミックで大局的な視野を持つことが求められる中、太陽や木々、水面を見ながら、ぶらぶらと歩く。そのような風景は、宇宙の広がりについて考えることや自然の美しさを認識することを思い起こさせるため、大局的な視野を持つきっかけに。
(2)人とつながるために歩く
一緒に歩こうと、友人や家族を誘ってみよう。実践可能で、安全で、信頼できるなら直接会って、そうでなければスマートフォンで話をしながら歩くとよい。
(3)学習するために歩く
できる限り雑念を払いたいが、役立つ新情報も吸収したい。ポッドキャストやオーディオブックを聞きながら歩くことはできる。申し込んだものの参加できなかったウェビナーの録画を聞きながらでも歩ける。
(4)感謝するために歩く
慢性的な腰痛と急性の腰痛をともに経験した者として、私は歩けることの幸せを深く味わいながら散歩をすることが多い。また、女性が1人で歩けるという恵まれた環境に感謝する。あるいは、歩いた後に清潔で温かいシャワーが待っていることを嬉しく思う。多くの人が亡くなっている時に、自分がいま生きているという恵みに感謝することもある。
(5)生産性を上げるために歩く
歩きながら話をすることを信条としているクライアントとは、コーチングもスマートフォン越しに行う場合がある。散歩中のクライアントとのネットワーキングのために、通話の予定を入れることもあるかもしれない。また、私は歩いている時に生産性が上がるので、ブレインストーミングして出てきたアイデアや新しい原稿をスマートフォンのボイスレコーダーに口述することもある。

昨年、参加させてもらった「歩くラジオ」、ポケットマルシェ代表の高橋博之さんが毎朝6時から1時間歩きながらゲストと議論できているのも納得。

5. 地方ほど少ない、緑豊かな散歩スポット

散歩で歩くのによいと思う場所、と問われれば調査結果を見るまでもなく、”緑”だと思います。

スクリーンショット 2022-03-20 14.19.52

東京のおすすめ散歩スポットで見ると、明治神宮新宿御苑等々力渓谷など、意外に自然や緑を楽しめる場所が多いことに気づかされます。

地方の小さな町に移住して気づいたのは、都心に比べようもないほどの自然や緑が豊かにある一方で、中心地にいくと意外に、散歩や子どもと遊びに行ける公園やスポットが少ないことです。

宮崎市より東京都の区部の緑被率の方が高いというデータもあります。

スクリーンショット 2022-03-20 15.03.41

都農町の場合、森林率は63%ですが、用途指定区域の緑は31.2%田畑を除くと5.2%でしかありません。

地方の町こそ、中心部に緑を増やし町民だれもが気軽に散歩で立ち寄れるスポットが必要!と高校跡地や商店街の企画提案をしていきたいと思います。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?