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競馬ブックの仕事 ~カメラマン編~

競馬ブックの仕事紹介、今回は「カメラマン」についてです👀


ケイバブック栗東の寺田と申します。
ちょうど30歳を迎える、2020年10月に中途採用で入社。

早くも入社4年目に突入しています。

競馬に興味を抱いたきっかけは、小学校の頃に父親が買ってくれたテレビゲーム「ダービースタリオン」。そして、小学6年生の時に初めてリアルタイムで見た日本ダービーのテレビ中継。テレビから伝わってくる競馬場の大歓声、タニノギムレットと武豊騎手の躍動する姿に心動かされて競馬の虜になる。中学生になってから、幸運なことに自宅が阪神競馬場から自転車圏内の所にあることに気が付き、中学・高校時代は友人達を誘って競馬観戦へ行き写真を撮る日々を過ごしていました。

2002年日本ダービー(優勝:タニノギムレット)

ケイバブックに入社した理由👂

大学では生物・化学系を専攻。就職活動時、周囲の多くが大学院進学、大学での専攻内容に関係した企業や職種に目を向けている中、私はというと大好きな競馬と写真を仕事にしたくてマスコミ系を中心に受験。
しかし、全落ち。
「落ちたものは仕方がない。さあ、どうする?」となり、研究室や事務所にいることよりも外に出てる方が性に合ってること、競馬と写真を仕事にできないならこれまで通りに趣味で目一杯楽しもうと思い、「営業職」と「土日休み」の職に就くことを模索。卒業前年のクリスマス頃にようやく専門商社の営業職で初めての内定を頂く。
就職後も、競馬観戦と写真撮影は大好きで、競馬場はもちろん、出身大学のサッカー部の撮影や写真教室に通ったりと、思い描いていた通りに休日である土日は競馬と写真に費やす日々。GIシーズンの日曜日には予定が3つ重なることもありました。写真展にも積極的に足を運ぶようにしていて、2018年に競馬だけに着目した写真展を発見。その翌年、2019年も同様の写真展があることを知る。しかし、相変わらず休日の予定が詰まっていた私。
約1週間の開催期間中、どうにか写真展に行ける日を探すと、天皇陛下が変わることに伴う2019年限りの祝日「即位礼正殿の儀」(新天皇即位を公に示す儀式)の火曜日(2019年10月22日)しかありませんでした。
なんとか、その日に写真展へと行けた私。
そこで今の上司と出会ったことが現職に就くきっかけとなりました。
前職では巨大な工場から小さな町工場までを営業担当させてもらい、大変な事も多い分、やりがいも多くありました。
しかし、そんな中で突如巡ってきた転職へのチャンス。
たった一回きりの人生。この機会は逃せない。
蘇った就職活動当初の自分の気持ちを信じて、ケイバブックに入社することを決めました。

仕事内容📷

普段は栗東トレセン、関西方面(京都、阪神、中京、小倉)のJRA競馬場での写真撮影、事務所では主に画像編集業務、インスタグラム(競馬ブックネットSHOP)での投稿等をやっております。簡単に言うと「カメラマン」です。

週の仕事スケジュール📅

【月曜日】
休日。
カフェや図書館で、時間を気にせずゆっくりと過ごすことが多いです。
写真を撮りにフラっと出かける事もあります。
【火曜日】
休日。
自宅が兵庫県にあるので、夕方頃には水曜日の早朝出勤に備えて栗東本社のすぐ傍にある独身寮へと移動します。
【水曜日】
(5:00~10:00)
調教開始時刻(季節によって異なります)の約2時間前に栗東トレセンへ向けて社有車を走らせます。栗東トレーニングセンターまでは、栗東本社から車で約10分。冬の時期だと5時頃、夏だと3時頃に会社を出発します。
トレセンへ到着すると、紙面に掲載する写真の撮影依頼と掲載馬の調教時間や場所を確認するために、上司と手分けして厩舎を回ります。
そうこうしていると、調教開始時刻まで残り1時間ほどに。
その頃には人馬たちが、厩舎を続々と出発していきます。

まだ暗い中、厩舎を出発していく人馬たち


必要な馬の撮影をしつつ、主にコースの調教撮影担当である私は、追切の撮影に備えてスタンド横の撮影場所へ移動して機材の準備。

必要最低限の撮影機材は会社から貸与されます。

調教開始時刻になると目の前を、人馬たちがひっきりなしに駆け抜けていきます。
その中から必要な馬を撮り逃しの無いように撮影。
ゼッケン番号、厩舎特有なカラーの馬装などを頼りに馬を見定めます。
厩舎によってはルーティーンになっている時間帯や動きがあるので、それも覚えると大きな助けになります。撮影場所からは、調教前に馬が準備運動するスタンド前や角馬場などが見えるので、それらの場所に撮影対象馬がいるかどうかを気にしながら撮影していきます。
写真を撮影するというよりも、撮影対象馬をいち早く見つけることに一番注意を配っています。

追切撮影場所からの目線。
真ん中付近に見える建物がスタンド。スタンド左手が各コース、右手がスタンド前の広場。


コースに入る前に乗り運動をこなす人馬たち。
ファインダーを覗きながら、撮影対象馬を探します。

(10:00~12:00)
一通り、調教の撮影が終了するとトレセンを出て、事務所に出勤。撮影した写真を紙面に掲載するための準備や、競馬ブックネットSHOPにて御注文頂いている商品の印刷準備をします。昼食は独身寮に戻って簡単に済ませるか、この後にトレセンへ向かう途中のコンビニで食べることが多いです。

(13:00~16:00)
朝に撮影依頼をした厩舎へ向かうため、再び栗東トレセンへ。
この時間に撮影するのは、翌週の重賞レースに出走予定である有力馬の立ち姿。週刊誌の「PHOTOパドック」コーナーで掲載する写真です。
今の仕事に就くまでは特に意識していなかったのですが、この業界の立ち姿は耳の向き、脚の形や開き具合など「理想の立ち姿」が決まっています。
それを目指すために、引き手の厩舎スタッフの方に声をかけて、馬を立たせて頂きます。
厩舎関係者の方々の御協力があってこその撮影なので、可能な限りスムーズに進むように心掛けています。
朝の調教撮影でもそうですが、「カメラのシャッターボタンを押すまでが大変」ということを改めて実感する時間です。

100枚以上撮影した写真の中から「理想の立ち姿」に限りなく近いものを1枚セレクト。

予定していた馬の撮影が終わると事務所に戻り、その日の撮影データを社内サーバーにコピー。程なくして退勤します。

【木曜日】
(10:00~18:00)
朝はトレセンに行ったり、行かなかったり。GIの当週は追い切り写真が必要になるので、行くことが多いです。行かない日は金曜日にやる業務を前倒しでやったり、インスタグラム用に投稿する写真の準備をしたりしています。
午後は水曜日と同じく、有力馬の立ち姿撮影のために栗東トレセンへ。
事務所に戻ると、立ち姿写真の出稿準備や競馬ブックネットSHOPで販売する写真プリント商品の製作業務を行います。

【金曜日】
(10:00~18:00)
よほどのことがない限り、金曜日はトレセンへは行かずに事務所での仕事。
水曜日、木曜日に撮影した写真を週刊誌に掲載するためのトリミングや色調整を行います。

画像編集は主にAdobeのソフトウェアを使用します。

その他、前日からの続きで競馬ブックネットSHOP向けの商品製作業務に追われます。
一通り、落ち着くと前の週に競馬場で撮影した写真の整理作業。写真の取捨選択をして社内サーバーへ保存します。それと同時に「撮影時にもっとこうしておけば良かった」等の振り返りや反省をします。次の土日に小倉競馬が控えている時は、少し早めに退勤して小倉へ向けて移動します。

【土曜日・日曜日】
(8:30~17:00)
競馬開催している各競馬場での撮影です。
8時半頃までには競馬場に到着して、写真送信用のパソコンや機材などを準備します。撮影は大体2〜3人で行います。
芝レースの場合は、ゴール付近の外ラチの下で勝ち馬を撮影する人、スタンドから上位3着ぐらいまでの馬を俯瞰的に撮影する人など、撮影ポジションを分担。

シャッターチャンスを逃さないよう緊張感を持って撮影に臨んでいます。

10時頃から1レースがスタート。
レースが始まるとあっという間に時間が過ぎていきます。
1~12までの全レースの写真が必要になるので、レースが終わる度に撮影した写真をセレクトし栗東本社の製作部へ向けて送信。
日曜日は週刊誌製作の締切時間に間に合うように、少しでも早く写真を送る必要があるため、メインレース終了後は慌ただしくなります。
最終12レースの写真を送信後、写真の送信漏れが無いことを製作部に確認後、退勤です。

仕事で大変なこと・やりがいを感じるとき🔥

大変なことは、当たり前といえば当たり前なのですが「撮り直しができない」ことです。トレセンでの追い切りや理想通りにバッチリ決まった立ち姿、競馬場でのゴールシーンや競馬関係者が見せるガッツポーズや表情はその一瞬限りのものです。趣味での撮影では、これらのシーンを撮影できなかったとしても自分以外の誰も困らない。
ただ、仕事となるとそういうわけにはいきません。
特に競馬場でのゴールシーンでは、仕事では必ず1着馬を撮影しなければなりません。内外離れた大接戦のレース展開で、無事に勝ち馬を撮影できた時は非常に安堵感で満たされます。
あとは、「本当ならこう撮りたい!けど...」という葛藤を抱えながら、業務上必要な写真を撮影するためにシャッターボタンを押していることもあります。これまで書いたことと重複しますが、仕事として必要な写真には「かたち」が決まっています。ゴール前では1着馬を撮影、騎手の頭や馬の脚が見切れない様にすること等。必要なカットが撮影できたと自分の中で確信が持てれば、あとは自分の感性に素直な撮影をするようにしています。
ただ、そんな確信はなかなか持てないのが現状です。
それでも競馬場やトレセンにおいて、間近で人馬を撮影できるという他には代え難くありがたい経験をさせてもらっています。自分が立ち姿を撮影させてもらった馬や、日頃よくお世話になっている厩舎スタッフの方の担当馬がレースを勝ったりすると非常に嬉しく思います。






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