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【詩】潮風

内陸に 住んでいても 確かに 潮の香がする日がある おそらく 私の脳に 異常があるから 異常に 嗅覚が 働くのだろう

そんな日には 初めて 潮の香を 感じた日を 思い出す 家族で 海に行って 人の多い 岩場で 初めて イソギンチャクや 鮮やかな色の 小さな魚を 見た まだ若かった母が 見知らぬお姉さんを見て 私に 言った 「綺麗なお魚ね お姉さんみたいでしょう?」 そのお姉さんは 私の目を 見て にっこり 微笑んだ その時 思ったことは 幼い私のなかで 言葉に ならなくて 
オネエサンノホウガ オサカナヨリ キレイダヨ そんな意味の ぼんやりしたものが ふわりと 浮かんできた

あの時 頭のなかで 言葉に ならなかったことを どうやって 今まで 記憶に 残してきたのだろう

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