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在職中の給与交渉が無意味な理由

久しぶりのノートです。今日は掲題について書きたいと思います。

職務経験や勤務年数に対応して、より良い給与報酬を実現していくのは会社員の悲願です。醍醐味と言っても良いでしょう。自身の成長が確かな数字となって返ってくるのは、自己肯定感をもたらしてくれて、気分が良いですよね。

しかし現実は、そう都合よく行かないものです。

経験を積んで会社により大きな貢献ができるようになれば給料が上がっていくと期待していたのに、働けど働けど給与は据え置きで、ちょっとどうなってんの?と上司や社長に掛け合うことになります。

そして「何で給料をあげないといけないの?」とか基本的な事を聞かれて答えに詰まったりします。なかなか気まずいシーンですね。

なぜ給与交渉はうまくいかないのでしょうか。

給与交渉とは

交渉とは何でしょうか。今の文脈で言えば、自身の理想とする給料を提示して、それについて会社の合意を得る作業です。

給料の提示は簡単ですね。俺はこれくらい貢献してるんだからこれくらいくれよ、という話です。

じゃあ会社の合意はどうやって得るのでしょうか。実はここがボトルネックというか無理ゲーになっていて、それはなぜかというと、上記のような理屈は会社にとって給料を上げる理由にならないからです。

これは会社の立場に立って考えてみれば当たり前の話です。だって交渉を断っても、雇用者は高い確率で雇用関係を継続して、今後とも会社に利益をもたらし続けてくれるからです。

他の会社からのより高い給料でのオファーなど、いわゆるBANTAが用意できていないと「交渉」という行為は「おねだり」に成り下がってしまいます。断られても泣き寝入りするしかありません。

ところでこれはとても興味深いのですが、こんな当たり前の話が、有名大学を出ていてとても頭の切れる人でも分からなかったりするんです。知性じゃないとすればどこに分岐があるのか気になるところですが、案外カイジを読んでるかどうかで明暗が分かれているのかもしれませんね。利根川さん風に言えば、「会社は貴様らの母親ではない・・・!!」のですから。おねだりなど通るわけがないのです。

在職中の給与交渉は無意味

上記のとおり、他の会社からの内定などが無ければ、現職との交渉はおねだりになってしまい無意味です。

じゃあ他の会社から内定があれば意味があるのか?というと、こちらも殆どの場合、無意味です。なぜなら他の会社からの内定をチラつかせるという事は、会社への裏切りを公にする行為であり、その時点で信頼を失います。会社側も後任が見つかるまでの一時しのぎでカウンターオファー(昇給)を出すかもしれませんが、その後はどう考えても面倒な事になります。会社に留まるのは得策ではないでしょう。

やはり他の会社からオファーが出た時点で、現職との交渉は無意味です。飛ぶ鳥跡を濁さず。現職へのお礼を述べて新天地で頑張りましょう。

意味のある給与交渉

じゃあ給与交渉はいつすれば良いのでしょうか。これは筆者も深い知見があるわけではないのですが、一つだけ意味のあるシーンを知っています。

それはオファーを複数とったときです。

例えばA社から年収10万ドル、B社から12万ドルでオファーが出たとします。まずはA社に「B社さんは12万ドルって言ってるんですけど、御社はどうします?」とか掛け合います。あとの流れはもう分かりますね。何往復かするとサチるので、そこで手を打ちます。

まとめ

在職中の給与交渉って、交渉じゃなくておねだりだったのです。会社からしたら君たちの給料上げる理由は何もないのです。会社は君たちの家族でもなんでもないから。

だから、現職と交渉なんかせずに、他の会社A, B, C … からオファーを取って、そいつらに君を巡って競争させようぜ。

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