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裸足でたしかめる地球の感触

こんにちは。

『靴下は、いらない!』というのが、娘の決まり文句。保育園にいくときも、帰るときも、たいてい履きません。

うちの夫は、俗にいう扁平足の持ち主で、“土踏まず”に憧れを持っているらしい。わたしは、土踏まずがあるので分からないのだけど、扁平足は歩くと足が疲れやすいとか何だとか、坂道をのぼるのが苦手だの何だのと夫は言う。

娘が生まれたとき、夫は娘の足をしげしげと眺めながら「土踏まずできるかな」と心配していた。自分の遺伝で扁平足になったら、疲れるから可哀想だと。

そんな折、とある親子教室に参加した。その中で、「子供が小さい頃にはできるだけ裸足で過ごさせるといい」といった話をきいた。なんと、それこそが『土踏まずを作るコツである』みたいな話だった。いや、正確には、最近は外遊びが減って、土踏まずがない子供も増えているらしいという単なる噂話だったかも知れない。

けれど、夫と共に、『娘に土踏まずを!』のキャンペーンを掲げていたわたしには、とにもかくにも『裸足=土踏まずゲット』と刷り込まれた。

で、その日から、家の中では冬でも基本的に裸足。公園に行けば裸足で砂場に放り込み、裸足でそこらを駆け回るのを良しとした。まさに、裸足の修行。

結果、娘は土踏まずをゲットした。

まだまだ小さい足なので、この先どうなるか分からないけれど、足裏に絵の具を塗って紙にペタンと足形をとれば、ちゃんと土踏まずを確認できた。

ついでに、親バカ目線ではあるけれど、2歳にしては、身体能力が高い気がする。公園の遊具にスルスルとのぼり、少し上のお兄さんやお姉さんですら、やっとのことでバランスを取るようなアスレチック系の遊びに果敢に挑んではクリアしている。これも、裸足の効果だと勝手に信じている。

けれど、裸足の修行が裏目に出たことが、ひとつだけある。ひとたび娘の裸足魂に火がつくと、保育園の玄関で、靴下だけでなく靴まで履かないと言い出す。そして、冬の冷たいコンクリートの上を、意気揚々と裸足で走り出す娘のうしろから、靴を持って「待て待てー」と追いかけるはめになる。見る人が誤解すれば、子供に靴も履かせず危険な道路を歩かせる非常識な親だと思われかねない。いろんな意味で、あぶないのである。

一番の謎は、保育園で外遊びをするときには嫌がらず靴下と靴をはいているらしいこと。2歳児も、やはり集団生活においては、周りの空気を読んで合わせているのだろうか。

そんなこんなで、娘は裸足が大好きになり、パパが憧れる“土踏まず”をゲットした。「どうして靴下はかないの?」と尋ねると、「裸足の方が気持ちがいい」と答える。

きっと、こうやって裸足になって、地球の鼓動を感じながら、娘は大きくなっていくのだろう。そういえば、自分が最近いつ裸足で外で遊んだか、まったく思い出せない。たまには、大人だって、地球の感触をたしかめて、自分が自然の一部であることを感じる必要があるはずだ。今度の休みの日には、わたしも裸足になって、公園遊びを楽しみたいなと思います。


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