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「クリスマスいらない」という娘

こんにちは。

近頃、季節の移り変わりが早すぎやしませんか?あっ、とか言う間もないほど。もう今年も終わりですって。溜め息しかでません。

ハロウィンの翌日、スーパーの装飾はもうすでにクリスマスへと変貌をとげていた。大人は、いつもの光景に「ああ、もうこんな季節か」と思うくらい。ところが、日々成長しながら急速にモノゴトを認識しはじめた2歳児は違った。

入口付近にどうどうと構えていたのは、お菓子が詰められたブーツやらキャラクターをあしらったプレゼント類。その中で、娘の目をくぎづけにしたのは、“アンパンマンのキャリーケース(通称:コロコロ)仕様のお菓子BOX”。もう、娘は狙った獲物は逃がさないという感じで棚の前から動かない。当たり前のように、「アレかってかえるー」と、まるでお買い物ごっこの続きみたいに軽々とのたまう。

いやいや、こんなの毎度買わされていたら、お財布がもちませんよ。というわけで、力業で棚の前からひきはがし、「かうのー!」という叫び声ごとスーパーの中へ担ぎ込んだ。それを見ていた警備員のおじさんが苦笑い。

「クリスマスのプレゼントに、サンタさんに頼んでみようね」と諭し、やり過ごすことに成功。これからしばらくスーパーに立ち寄るたびに、この攻防戦を覚悟しなければならないのだろうなと思っていた。でも、娘の受け止め方は予想外のものだった。

帰宅後、娘が昼寝した隙に、我が家のディスプレイも少しクリスマスの雰囲気に変えた。写真立てをリース型にして、花瓶の代わりに小さなツリーを飾った。玄関にはクリスマスカラーの小さなブーツを吊るした。

昼寝から起きてきた娘が、部屋をぐるりと見渡して初めに発した一言は、「クリスマスしないで!」だった。え、なんで?とよくよく話をきいてみたところ、スーパーで“アンパンマンのコロコロ”を買ってもらえなかったことが原因らしい。

なんと、娘の中では『アンパンマンのコロコロをクリスマスまで待たなければならないなんて、クリスマスは自分を邪魔する怖いものだ』と、解釈されてしまったようだ。

そこからは、リース型の写真立てをさして「まえのがいい!」と言うので元に戻し、ツリーをさして「お花のやつがよかったの!」と言うので花瓶に戻した。玄関のブーツには「こわい!こわいの!」と言って泣き、散歩に出かける前に機嫌が悪くなった。

うちはクリスチャンではないので、クリスマスをお祝いするのは、日本人的なイベント感覚でしかないのだけれど、せっかくなら家族で楽しい思い出をつくりたいと思っている。どうしたものかと頭をひねりながら、「サンタさんが、いろいろ計画してくれてるんだけどな~」と呟いてみるけれど、娘のプンスカは継続中。でも2日経って、花瓶をツリーにすることは許容してくれた。

例の“アンパンマンのコロコロ”を我が家に迎える日には、娘も「クリスマスいいね」と思ってくれるだろうか。ひとまず、アレが売り切れてしまう前に、内緒で買っておかなくてはと焦る新米の“サンタ”です。


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