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「常識をくつがえしてきたもの」を逆常識シンキングで分析

常識をくつがえしてきたもの(製品、サービス、仕組みなど)は、時代を通して多くあります。その一部を、逆常識シンキングで分析しました。

「常識をくつがえしてきたもの」の最近の例、少し以前からある例、そして昔からある例も取り上げます。

それらの例に、逆常識シンキングの4ステップ(顧客の常識→逆常識→アイデア→実現手段)を当てはめると、きれいに整理することができます。その分析結果をご紹介します。

逆常識シンキングとは

逆常識シンキングは、逆常識からアイデアを考える思考法です。逆常識とは、現在の常識をひっくり返してにしたものです。多くの人が当たり前と思っていることを、ひっくり返してにしたものが逆常識です。

(※ 逆常識シンキングは、逆設定法をベースにした思考法です)

逆常識シンキングでは「顧客の常識→逆常識→アイデア→実現手段」という流れで、常識をくつがえすアイデアとその実現手段をつくります。システマティック(体系的)な方法で、ひらめきや勘に頼ることなくアイデアづくりを行うことができます。

※Kindle Unlimited 会員の方は、追加料金なし(¥0)で読み放題です。

逆常識シンキングの4ステップ

逆常識シンキングの4ステップは次の通りです。

  • ステップ1.顧客の常識を探す

  • ステップ2.逆常識をつくる

  • ステップ3.アイデアを考える

  • ステップ4.実現手段を考える

常識をくつがえしてきたもの(製品、サービス、仕組みなど)に、上記の4ステップを当てはめて分析すると、きれいに整理することができます。

「常識をくつがえしてきたもの」の最近の例少し以前からある例、そして昔からある例も分析しました。その分析結果をご紹介します。

「最近の例」の分析

まず「常識をくつがえしてきたもの」の最近の例「顧客の常識→逆常識→アイデア→実現手段」の4ステップで分析した結果をご紹介します。

【買い物のしかた】

  • 顧客の常識:商品を買うために顧客が店に行く

  • 逆常識:商品を買うために顧客は店に行かない

  • アイデア:商品が顧客の所に届く販売の仕組み

  • 実現手段:通信販売、ネット販売

【支払いのしかた】

  • 顧客の常識:商品の代金は現金(貨幣)で払う

  • 逆常識:商品の代金を現金(貨幣)で払わない

  • アイデア:現金(貨幣)を使わない支払いの仕組み

  • 実現手段:キャッシュレス決済(クレジットカード、プリペイドカード、スマホ決済)

【無料のもの】

  • 顧客の常識:無料のものには価値がない

  • 逆常識:無料のものにも価値がある

  • アイデア:無料にしながら価値を提供できる仕組み

  • 実現手段:広告付きの無料動画

【自動車の所有】

  • 顧客の常識:自動車は所有して使う

  • 逆常識:自動車は所有しないで使う

  • アイデア:所有しないでも使える自動車

  • 実現手段:レンタカー、カーシェアリング、自動車のサブスク

【PCのアプリ】

  • 顧客の常識:アプリは、特定の1台のPCで使う

  • 逆常識:アプリは、どのPCでも使える

  • アイデア:どのPCでも同じアプリが使える仕組み

  • 実現手段:Webアプリケーション、クラウドアプリケーション

【PCの操作】

  • 顧客の常識:PCを操作するにはキーボードが必要

  • 逆常識:PCを操作するのにキーボードは不要

  • アイデア:キーボードなしで操作できるPC

  • 実現手段:タブレット端末(タッチパネルで操作するタッチキーボード)

【仕事のしかた】

  • 顧客の常識:仕事をするためには、会社に行く必要がある

  • 逆常識:仕事をするために、会社に行く必要はない

  • アイデア:出社せずに仕事ができる仕組み

  • 実現手段:テレワーク、Web会議

【勉強のしかた】

  • 顧客の常識:勉強するためには、学校に行く必要がある

  • 逆常識:勉強するために、学校に行く必要はない

  • アイデア:学校に行かずに勉強できる仕組み

  • 実現手段:オンライン授業

【飲食店】

  • 顧客の常識:飲食店で料理を食べる

  • 逆常識:飲食店で料理を食べない

  • アイデア:店内で食べない店

  • 実現手段:デリバリー専門店、テイクアウト専門店

【コンタクトレンズのメンテナンス】

  • 顧客の常識:コンタクトレンズにはメンテナンスが必要

  • 逆常識:コンタクトレンズはメンテナンスが不要

  • アイデア:メンテナンスが不要なコンタクトレンズ

  • 実現手段:使い捨てコンタクトレンズ

「少し以前からある例」の分析

次は「常識をくつがえしてきたもの」の少し以前からある例を、4ステップで分析した結果をご紹介します。

【飲食店のメニュー】

  • 顧客の常識:飲食店にはメニューがある

  • 逆常識:飲食店にはメニューがない

  • アイデア:メニューが1種類だけの飲食店

  • 実現手段:おまかせメニューだけの店(定期的に献立が変わる)

【飲食店の看板】

  • 顧客の常識:飲食店には看板がある

  • 逆常識:飲食店には看板がない

  • アイデア:看板のない店

  • 実現手段:あえて看板を置かない、探してまで食べたい料理がある店

【手紙の送り方】

  • 顧客の常識:手紙は紙に書いて送る

  • 逆常識:手紙は紙に書かずに送る

  • アイデア:紙を使わない手紙

  • 実現手段:電子メール、SMS(ショートメッセージ)

【文書の記録】

  • 顧客の常識:文書は紙に記録する

  • 逆常識:文書は紙に記録しない

  • アイデア:紙を使わない記録方法

  • 実現手段:書類の電子化

【捨てるもの】

  • 顧客の常識:捨てるものは必要のないもの

  • 逆常識:捨てるものは必要のあるもの

  • アイデア:捨てるものを資源(必要のあるもの)に変える

  • 実現手段:リサイクル

【ドアの開閉】

  • 顧客の常識:ドアは自分で開閉する

  • 逆常識:ドアは自分で開閉しない

  • アイデア:開閉が不要なドア

  • 実現手段:自動ドア、エアーカーテン(強力な空気流で空気の壁をつくる)

【メガネをかける】

  • 顧客の常識:視力矯正のためには、メガネをかける必要がある

  • 逆常識:視力矯正のために、メガネをかける必要はない

  • アイデア:顔にかけずに視力矯正できるレンズ

  • 実現手段:コンタクトレンズ

【切削の刃】

  • 顧客の常識:切削用の刃は硬い

  • 逆常識:切削用の刃は硬くない

  • アイデア:柔らかい刃の切削機

  • 実現手段:ウォータージェット加工(高圧に加圧された水を、小径の穴から噴射して切削する)

【スープ麺の丼鉢どんぶりばち

  • 顧客の常識:スープ麺を食べるためには丼鉢が必要

  • 逆常識:スープ麺を食べるために丼鉢は不要

  • アイデア:丼鉢(または丼鉢の機能をもつ容器)付きのインスタント麺

  • 実現手段:カップ麺

「昔からある例」の分析

最後に「常識をくつがえしてきたもの」の昔からある例を「顧客の常識→逆常識→アイデア→実現手段」の4ステップで分析した結果をご紹介します。

【支払いのしかた】その2

  • 顧客の常識:高額な商品でも、代金は全額を一度に支払う

  • 逆常識:高額な商品では、代金は全額を一度に支払わない

  • アイデア:代金を複数回に分けて支払う仕組み

  • 実現手段:分割払い

【食品】

  • 顧客の常識:購入した食べ物は、すぐに食べる必要がある

  • 逆常識:購入した食べ物は、すぐに食べなくてもよい

  • アイデア:食べ物を保存できる仕組み

  • 実現手段:塩漬け、干物、冷凍、缶詰、(※)レトルト食品、フリーズドライ食品

(※)実現手段の「レトルト食品、フリーズドライ食品」は最近の例です。実現手段の変化を並べて分かりやすくするために、ここに記載しました。

常識をくつがえしてきたもの(製品、サービス、仕組みなど)の4ステップでの分析は以上です。

「最近の例/少し以前からある例/昔からある例」を見ていくと、時代を通して、常識はくつがえされているといえますね。

「常識をくつがえすもの」の登場

デジタル化インターネットの普及の影響で、さまざまな実現手段が登場しています。そのことが、常識をくつがえすものの登場を加速させています。AI(人工知能)の登場で、さらに加速されると考えられます。

上記の分析例ではわかりやすいように、結果だけを「顧客の常識→逆常識→アイデア→実現手段」の形でまとめました。しかし実際には、そのような結果がすぐに得られるわけではありません。

良い結果を得るためには、きちんとしたプロセスが必要です。そのようなプロセスとして、逆常識シンキングの4ステップがあります。
・ステップ1.顧客の常識を探す
・ステップ2.逆常識をつくる
・ステップ3.アイデアを考える
・ステップ4.実現手段を考える

逆常識シンキングの4ステップをシステマティック(体系的)に進めることで、良い結果、つまり優れたアウトプットを出すことができます。

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