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【問題解決のパターン12】無駄な上げ下げをなくす

短い行程でも、途中に上り下りがあると、時間がかかったり多くのエネルギーを消費してしまいます。

無駄な上げ下げをなくすことで、時間やエネルギーを節約しようというのが「発明原理12 等ポテンシャル」です。

発明原理12 等ポテンシャル

次の図は、「発明原理12 等ポテンシャル」のイメージ図です。

図1.等ポテンシャルのイメージ図

図1の左図では、(右に)移動するためには段差を越えなければなりません。

一度上がってから下がるという行程が生じます。そのため、多くのエネルギーが必要になります。

図1の右図では、移動がとてもスムーズです。上がり下がりの行程がないので、少ないエネルギーで移動することができます。

このように「上がり下がりをなくす」ことで無駄なエネルギー消費をなくすというのが「等ポテンシャル」原理です。

「発明原理 12 等ポテンシャル」のサブ原理は次のようになります。

  • サブ原理A:上げ下げの必要をなくす

サブ原理A:上げ下げの必要をなくす

移動の途中に山があると、山を越えるのは大変です。

図2.山とトンネル

山にトンネルを掘って道路を通せば、山を越える必要はなくなります。

トンネルを通れば、山の上り下りにかかる時間エネルギー(燃料)節約することができます。

トンネルは、サブ原理A「上げ下げの必要をなくす」のですね。

サブ原理Aの適用例は以上です。

温度の上げ下げもなくす

「上げ下げをなくす」ことで無駄なエネルギー消費をなくす考え方は、温度にも当てはまります。

一度加熱して温度を上げてから、冷却して温度を下げる工程が行われることがあります。

例えば、加熱が必要な食品(麺類など)を冷やして食べたい時には、上記の工程(加熱→冷却)が必要になります。

事前に加熱・冷却することで、上記の工程を不要にした食品も登場してきました。

消費者としては、温度の上げ下げの必要がなくなり手間を省くことができます。また(加熱調理で)暑くならないので、夏場などはありがたいですね。

次回は「発明原理13 逆発想」を解説します。

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参考文献

  1. Darrell Mann 『TRIZ 実践と効用 (1) 体系的技術革新』の「第10章 問題解決ツール-技術的矛盾/発明原理」

  2. Yuri Salamatov 『超発明術TRIZ シリーズ5 思想編「創造的問題解決の極意』の「付録 B.発明原理」

  3. 高木芳徳『トリーズ(TRIZ)の発明原理 あらゆる問題解決に使える[科学的]思考』の「第2部 40の発明原理」

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