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【問題解決のパターン13】逆にして解決する(後編)

今回は「発明原理13 逆発想」の後編です。

前回の前編では、サブ原理A「従来/通常の反対を行う」を解説しました。

今回の後編では、反対にする方法を具体的に解説します。

発明原理13 逆発想

図1.逆発想のイメージ図

「発明原理13 逆発想」のサブ原理は次の4つです。

  • サブ原理A: 従来/通常の反対を行う

  • サブ原理B:固定→可動にする

  • サブ原理C:可動→固定にする

  • サブ原理D:上下を逆にする

今回の後編では、サブ原理B~Dを解説します。

サブ原理B~Dには、反対にする方法具体的に示されています。

サブ原理B:固定→可動にする

反対にする方法の1つ目は「固定されているもの可動にする」という方法です。

以前の製品の組み立てでは、製品の部品は(その場に)固定されていて、人が移動していました。

人があちこちに移動すると疲れてしまいます。そうすると、作業効率が悪くなります。

そのため、流れ作業による組立てが考え出されました。

図2.流れ作業による組立て

「流れ作業」では、人が移動する代わりに部品が移動します。

人の移動がなくなり、作業効率が改善されました。

「流れ作業による組立て」では、サブ原理B「固定→可動にする」が次のように当てはまります。

  • 以前の作業:部品固定されている

  • 流れ作業:部品移動する

このようにして「従来の反対を行う」ことで、作業効率が改善されました。

サブ原理Bの適用例は以上です。

次はサブ原理Cを説明します。

サブ原理C:可動→固定にする

反対にする方法の2つ目は「可動なもの固定にする」という方法です。

1つ目の「固定されているものを可動にする」と逆の方法です。

水槽試験では、船の模型固定して、代わりに水を流します。

図3.水槽試験

船の模型を動かすためには大きな水槽が必要になります。船の模型を固定して代わりに水を流すことで、水槽を小型化できます。

サブ原理Cの適用例は以上です。

最後にサブ原理Dを説明します。

サブ原理D:上下を逆にする

反対にする方法の3つ目は「上下にする」という方法です。

これは最も大胆な方法ですね。

モノレールには、次の形式があります。

図4.モノレールの形式
  • 跨座式こざしき: 上にまたがる

  • 懸垂式けんすいしき:吊り下げる

跨座式と懸垂式では、上下が逆になっています。

条件やニーズに合わせて形式を選ぶことができます。

サブ原理Dの適用例は以上です。

さまざまなものを逆にする

サブ原理B~Dでは、反対にする方法を具体的に説明しました。

「固定→可動」「可動→固定」「上下を逆」というように見ていくと、他にも「反対にする方法」が思う浮かぶのではないでしょうか。

例えば、次のものを反対(逆)にすることができます。

  • 前後

  • 左右

  • 内外

  • 表裏

さまざまなものを逆にすることで、大胆なアイデアを考えてみると面白いと思います。

次回は「発明原理14 曲線と曲面」を解説します。


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参考文献

  1. Darrell Mann 『TRIZ 実践と効用 (1) 体系的技術革新』の「第10章 問題解決ツール-技術的矛盾/発明原理」

  2. Yuri Salamatov 『超発明術TRIZ シリーズ5 思想編「創造的問題解決の極意』の「付録 B.発明原理」

  3. 高木芳徳『トリーズ(TRIZ)の発明原理 あらゆる問題解決に使える[科学的]思考』の「第2部 40の発明原理」

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