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「大河への道」と「チ。―地球の運動について―」

映画「大河への道」観ました。ほのぼの気楽に観られてよかった。映画の日でもなかったので、観客全員がほぼシニア(曜日関係なくシニア割引あるし)だったような。
伊能忠敬の記念館など懐かしい~。コロナ前の最後の旅行が香取市だったので…。伊能忠敬、大金持ちの隠居になってからとはいえ、すごい偉業です。高齢になってからの情熱にクラクラ…とはいっても、映画では動く忠敬(ちゅうけい…地元の人は親しみを込めてこう呼ぶそう)さんは出てきません。
中井貴一さんと松山ケンイチさんのコメディな演技を観られるのがほっこり。このお二人やはりうまい。嫌な人が出てこなくて…悪役もユーモラスです。そして北川景子さん、どんなアップでも美しい…非の打ちどころがない超絶美人だな。…と、誰が観ても楽しくわかりやすいお話になっていました。
伊能忠敬の死亡を隠し、測量を続ける弟子たち…バレたら一大事でも、どうしても、日本地図を完成させようとした無名の人々。
ちょうど直前に、マンガ「チ。―地球の運動についてー」を読んでいたのもあり、両作品に共通する、学問への思いについて考えました。「チ。―地球の運動についてー」は、教会の権力に屈せず地動説を研究し続け、その成果を守ろうとする人々の物語。
先月鑑賞した舞台、青年劇場「眞理の勇氣―戸坂潤と唯物論研究会」にも共通している。自分の身が危ない…権力によって殺されるかもしれないのに、その恐ろしさよりも知への欲求が勝ることについて。
それは、自分の身に置き換えて想像してみようとしても…無理。そんな経験が1ミリもないから。それでも想像してみる…もし万が一、巨大な政治権力で探求することが禁止され、それに逆らうことで身の危険が及ぶとすれば…はいはい、と簡単に政治権力に従うに違いないです。それには自信ある。だって、拷問怖いですもん…死刑も嫌ですもん…。自分の信念にまったく自信なし。
けれども、歴史上の、多くの無数の人々が、自分の命よりも学問の研究が大切として行動した。その、“知”への欲求。そういう数多の人々がいるからこそ、歴史を超えて受け継がれてきた“知”がある。今の社会がある。
衣食住の満足、周囲の人々の愛情…それだけでは、人間は生きられない。
どんな人間も知を求める。ただただ純粋に、この世の真理を知りたいという気持ち…きっと程度の差はあれ、誰もがきっと持っている。
それは、他の誰にも侵すことができない、人を人たらしめる崇高なものと感じます。

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