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絵本「へいわとせんそう」について

文:谷川俊太郎、絵:Noritake。NHK朝の情報番組朝イチで紹介されていました。幼い子供も親しみやすい絵と文です。待ってました!有難い!って思う大人が多そう…小学校教員や学童施設の職員とか。
周りの人と仲良くしましょう…それは大事で根本的なことではあるけれど。そんなことで納得できないほど、映像でリアルな戦争風景…日常が壊れた生活…を子供たちは観ているものね。
語彙がまだないから何も言えないだけで、大人以上に、その心はひどく傷ついているはずです。訳がわからないからなおさら。大人よりずっと正常性バイアスを効かせないと生活できない。
戦争は普通にあるものらしい、という感覚は、子どもたちの心に深く浸透してきている。自分たちがいくら仲良くしたって、どうせこんなふうに、殺し合う戦争の世の中からは逃げられないんでしょ。子供なりに厭世観持っていたとしてもあたりまえ。
身近な人と仲良くするということと、相手の命を殺し合う戦争ということは、ある程度分けて教えてあげることが大事。それにぴったりの絵本です。
この際、“心の命”の問題はとりあえず後回しにして。
シンプルに、病気や事故で死ぬ前に、誰かの意志で肉体が殺されるのは絶対に嫌。国同士の総力戦として戦争が行われると、そこで暮らす人々の日常のすべてが壊れてしまう。
おはようと朝起きて家族とご飯食べて学校行ってともだちと遊んで…それが、一切なくなってしまうんだということの、リアル。
戦争に行かされたら、相手を殺さないと自分が殺される。だから相手を殺す。それは、今、どんなに自分に優しくしてくれる人もそうなってしまう。
戦争は魔物。誰もがみんな、悪魔になってしまう。だから、戦争は起こっちゃならない。
今、幼い子供たちも、十年強くらい経ったら、参政権もある大人。戦争が起こったらどんなに悲しい気持ちになるか…、肉体を殺し合う戦争だけは、絶対に絶対に避けなければならない…。そういう、強い絶対的な気持ちを持った大人になって、世界の様々な不条理に負けない、それでいて、この世は美しく素敵なものはいっぱいあると信じられる人生を送ってほしい。
戦争はエンタメの、空想の世界だけでよいのです。現実に起こってはいけないこと。

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