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今までで私が一番怖かった映画は…

昨日、noteの雑文で『この世には、私が知らない世界がたくさんたくさんありすぎる。きっと犯罪の暗闇の穴も、私のすぐ隣にだってある』と結んだこともあり、怖い映画を思い出してしまった。ある映画の一シーンが、私には最高に怖い。
ストーリーの細部は覚えてないのに印象的でした。
何気ないときにふと思い出すことがあるくらい、ある場面での主人公の表情がまざまざとよみがえってくる。まじ、こわ…。
あれ、なんていう映画だっけ?と調べてわかりました。
「悪の法則」
大ヒットした映画ではないですが、ブラッド・ピットが出ているのでそれ目当てで観た人も多いかも。
主人公はけっこう羽振りがよさそうな弁護士。愛し合っている恋人もいます。順風満帆な人生という感じ。ちょっと大金を儲けたいという出来心から、悪人とコンタクト。そして…何かの運び屋だったかその類のこと…悪事のお手伝いをする。決して、直接的に犯罪をするわけではなかったはず(強盗とか殺人とか)。
それが、へまがあったか何かで、悪の集団から命を狙われる。必死で逃亡を続ける、それだけのお話だったかと。そして、確か救いがなかったと記憶している。
ちょっとした軽い気持ちで、社会の闇に接触してしまったことで、人生急転落。その恐怖が、主人公の気持ちと行動に寄り添いながらずっと描かれていて…追っ手から逃げるサスペンス映画はよくあるけれども、これはとても臨場感があった。自分事として迫ってきました。
トラウマ級に怖かったのは、主人公が街中を逃げまわり、賑やかな屋外カフェにいる場面。周りは、みんな暢気で楽しそう。が、主人公は切羽詰まった表情。ギラギラした目で、周りを見渡している。主人公の気持ち…「自分だけが、こうした日常からは切り離されてしまった」という絶望が伝わってきて、苦しくなりました。
私たちは、ちょーっとした悪いことに興味がある。未成年のお酒やタバコ…ぐらいならかわいいものだけれど。大人になってからの麻薬や妖しい儲け話…。
日常を壊さない範囲でたいしたことないから、などと言われても乗ってはいけない。うまい話には必ず裏がある。闇に足を突っ込んだら、もう引き返せない。
ついうっかり軽い気持ちでも、絶対に近づいてはいけない領域がある、と警告してくる映画でした。


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