『我が家のヒミツ』読了

奥田英朗『我が家のヒミツ』読了

正直言ってこの作家さんのことはほとんど知らなかった。
自ら選ぶことは多分なかったと思う。

嫁の母は、自分が読み終えた本をたくさん送ってくる。
その中の一冊。

何気なく読み始めたけど、短編集でかなりスラスラ読める。

話の内容は、実際に家庭で起きたらそれはかなり大事件だけど、小説やドラマになるほどの大事件ではない、といった感じのストーリー。

一編一編読み終えて、最後に何となくほっこりする。

こんなストーリーを小説にできるというのもやっぱり作家としての技量であることには間違いない。

物語はすべて壮大なものでなければならない、というある種の固定観念があったけど、必ずしもそうではない、日常にだってドラマはある。
それを単に描写するだけでなく、ちゃんと起伏のあるストーリーに仕上げている。

大きく感動、ではないけど、この読後感は好き。

その後、久しぶりに太宰治『グッド・バイ』や坂口安吾などを読んでみる。
壮大なドラマではない、そこにあるのもやはり日常のちょっとした出来事だ。

ただ読後感は全然違う。

文才とは単なる発想でなるものではない。
その一文に込められた想いが伝わるもの。

今日は筋トレなし。

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