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生物教師の植物日記「シロバナタンポポ」

生物教師としてこれまで過ごしてきましたが、あまりにも「生物」そのものに無頓着に過ごしてしまっていました。
そんなとき、いきものコレクションアプリ「Biome」に出会ったことで自分の足元の生き物たちの観察を改めてするようになったので、マイペースではありますが、調べたこと・知ったことなどを整理していきたいと思います。

職場の周囲が自然豊かなこともあり、話のタネはたくさんあります。
日課は難しいですが、定期的に更新できたらいいなと思っています。

今日は、牧野植物園が調査しているタンポポ調査・2025高知県に実行委員として私うらちゃんが参加しているので、『シロバナタンポポ』という植物について紹介したいと思います。


シロバナタンポポとは

2024年3月7日 うらちゃん撮影
  • 和名:シロバナタンポポ

  • 学名:Taraxacum albidum

  • キク科タンポポ属 多年生植物

  • 花期:2~5月

このシロバナタンポポ、分布しているのは関東地方~九州に分布しており、道端や人家近くに生えています。

一般的に、よく見られるようになったタンポポといえばおなじみのセイヨウタンポポ

2月9日撮影

外来種の一つとして有名ですが、在来種との見分け方は、黄色い花のすぐ下にある「総苞片」という部分が反り返っているかどうか。

反り返っている ⇨外来種
反り返っていない⇨在来種

と、ざっくり見分けることができます。

シロバナタンポポの分布(高知県)

牧野富太郎博士は明治37年発刊の学術誌へ「土佐はみな白花品のみ」と記述したそうです。今思えば不思議な感じですが、その頃の高知県にはヨーロッパ原産の黄色いセイヨウタンポポはなかったのですね。

シロバナタンポポ(白花蒲公英) | とさちょうものがたり より

NHKの朝ドラでも有名になった、牧野富太郎博士ですが、高知県のタンポポはシロバナタンポポがほとんどだったようです。

今までシロバナタンポポをあまり注意してみたことがなかったですが、高知県は本当にシロバナタンポポがたくさん咲いています。

地図表示 – 高知県タンポポ調査2025実行委員会

牧野植物園の2019年・2020年のタンポポ調査では、上の地図のようになったそうです。

そうです、黄色い部分がシロバナタンポポが見つかった地点です(笑)
HPの方で、地図を拡大してみることができます。

いやぁ、そりゃ高知県でたくさん見かけるわけだ。

地図表示 – 高知県タンポポ調査2025実行委員会

こちらは、黄色いタンポポの在来種の分布です。

シロバナタンポポと比べて圧倒的に地点が少ないことが確認できます。

地図表示 – 高知県タンポポ調査2025実行委員会

こちらは、黄色いタンポポの外来種の分布です。
意外と山間部の方まで、分布域を広げているのが分かるかと思います。

皆さんの街はどうですか?

普段、その辺に咲いている草花ってあまり気にしないですよね。

私もそうでした。(おい生物教師。)

ですが、意外と気にして見てみると、その季節ごとの植物の芽吹きや実の結実などを感じることができます。
本当に昔の暦(二十四節季とか)は、よく自然を観察していたんだなぁと感じます。

ぜひ、皆さんの身近な場所で、タンポポを見てみませんか?

ぜひ見分ける際には、牧野植物園が公開している一覧を参考にしてみてください。

まとめ

タンポポ調査の話と被ってしまった話もありましたが、まだまだタンポポのこと知らないなぁと思った次第です。

この生物教師の植物日記では、気の向くままに身近な植物を調べてまとめていきたいと思います。
ちょっとした、植物の知識に繋がると嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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