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「家族マンガ」が好き(『山本さんちのねこの話』)

きっかけ

Twitterやラジオ番組への出演を見聴きして、大好きになった山本さほさん。

近著である『この町ではひとり』

そして『きょうも厄日です1』

を読んで以来、山本さほさんの作品を読んでいませんでした。

というのも、ほかの著作は複数巻で出ており、やっぱり1巻から読みたい。書店をチェックしても、1巻から店頭には置いておらず・・・・・・。注文しなきゃなぁと思いながら、どうしようどうしようとなっているところでした。

そこでたまたま発見したのが、『山本さんちのねこの話』。
1冊で完結しているマンガで、自分も大好きなねこを題材にした話で、迷わず購入しました。

あらすじ

初版は2017年、3年前に刊行のマンガ。でも、最近もTwitterにねこの話題は投稿されていて、現在も一緒に過ごすねこについての話です。

登場するのは「山本さん」とねこの「トルコ(通称:トルちゃん)」。トルコはもともと捨て猫で、メスのミックス種。最近のツイートでは15年一緒に過ごしているとあり、もう高齢のねこです。

マンガは「山本さんとトルコ 出会い編」と「山本さんとトルコ 日常編」の2本柱からなっています。
「出会い編」は複数ページの形式で、明確に「○話」のような区切りはないものの、いくつかの話で構成。雨の中でトルコを拾うところから、里親探し、引っ越し。トルコのしつけや、その中で山本さんに発覚したことなども紹介されています。
「日常編」は4コマ、もしくは8コマの形式で、ショートストーリーがいくつも載っています。山本さんの生活に起こるトルコとの悲喜こもごも。ねこを飼ったり、ねこと一緒に過ごしたりしたことのある人なら、「あるある」と思える内容が多いです。

トルコとの生活も、「山本さほワールド」全開

自分も小さい頃にねこを飼っていました。音楽教室の帰りに、母と自転車で家に向かう途中、暗い中を小さいねこが1匹ずっと鳴いていたんです。母と一緒に家に連れ帰ったのがきっかけで飼い始め、ねこを拾う境遇は少々違いながらも共感できるものがありました。(ノミに悩まされた場面の記載もあるのですが、それもめちゃめちゃ共感できます)

自分はねこ派もいぬ派もなく、むしろねこ大好きでした。なので、元々いぬ派だった山本さんがトルコと一緒に過ごすことを決め、好きになっていく過程はなかなかにハードなようにも見えます。
ノイローゼのような状態の中でお世話をしたり、ねこアレルギーが発覚したり。動物を飼ううえでの可愛い・楽しいだけではない側面も、マンガにしてくれています。

そんな話が出てくる「出会い編」に比べて、「日常編」はまさに「山本さほワールド」が全開。「分かるー!」と思う場面もあるけれど、それ以上に山本さんの視点で見るトルコとの生活は面白いです。「絶望のシャワー」という話があるのですが、何回読んでも笑ってしまう・・・・・・。

最後には「トルちゃん写真館」というページもあり、実際のトルコも見ることができます(やっぱり可愛いです)。


今はねこを飼う機会がなく、TwitterやInstagramでいろんな人たちが一緒に過ごしているねこや動物たちの姿を見ては、癒やされています。
この『山本さんちのねこの話』も、最初は苦労をしながらも、今は大好きな家族として毎日を過ごす山本さんとトルコの姿が伝わってくる。
100ページちょっとで読みやすく、可愛らしく、面白い。ふとした時に読み返そうと思う一冊が、また増えました。

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