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「家族マンガ」が好き(『茶トラのやっちゃん』)

きっかけ

Twitterでフォローしている方のリツイートやいいねで、作者の類さんのツイートが表示されることが、結構ありました。
可愛らしい絵でほんわかしていて。内容もフフッと笑顔になるものが多い。少し前までは、リツイートやいいねの投稿を見て楽しんでいました。

類さんのツイートに一気に引き込まれるようになったのは、このツイートを見たときでした。

日常の一部を切り取ったようなツイートでもなかったのですが、なんかもう可愛らしすぎて。というか、類さんは本当に大好きなんだなというのが、自分はこのツイートからなぜかひしひしと伝わってきて。
そこから類さんをフォローして、日々のツイートを見るようになりました。

そんな中、ちょうど良いタイミングで書籍化されたというのが、
『茶トラのやっちゃん』です。

『茶トラのやっちゃん』あらすじ

ある時、類さんが外でずっと鳴いていた子猫を保護。「やち」(=やっちゃん)と名付けて、そこからのやっちゃんとの暮らしや、類さんの家族に起きた変化が描かれています。
3~4ページからなる1つの話がいくつも描かれているのがメイン。おまけの4コママンガもあったり、間には「やっちゃん秘蔵写真集」として実際のやっちゃんの姿も見られて、とても読みやすいです。

自分は犬や猫といった動物と暮らすマンガや絵が好きで、他にも色々な作品や画像を読んだり見たりしているのですが。『茶トラのやっちゃん』は、すごく類さんの「生活感」のようなものが伝わってきます。
もちろんシーンによっては少し強調している部分もあると思います。でも、日常のやっちゃんとのコミュニケーションの中で、類さんが気付いたことを、生活の場面とともにしっかり書かれていて。良かったことも焦ったことも書いてある。毎日の中で、子猫だったやっちゃんが家に慣れ、やがておてんば猫になる姿が、このマンガからすごく伝わってくる「生活感」のようなものなのだと感じています。

やっちゃんはとにかく可愛い

『茶トラのやっちゃん』の一番の魅力は何より、やっちゃんが可愛いということ。より「猫らしい」綺麗な絵も中に出てくるのですが、表紙にあるタッチで描かれたやっちゃんの一挙手一投足が可愛いしコミカル。何をしても大抵許されるんだろうなと察してしまいます。

そして類さんの表現するやっちゃんの「鳴き声」はとにかく独特。
「ン°ー」「ア°ッ」「プルルアアン」という鳴き声が多く、「ニャー」のようなよくある鳴き声はあまり見ません。
でも確かに、猫って「ニャー」って鳴くだけじゃないよなとか。猫が「ごはん」って喋ったって話を聴いたりするなとか。そう思うと、類さんにはマンガに書かれているように聴こえていて、何なら実際に鳴き声を色々聴いてみたいと思ってしまうのです。

やっちゃんの動きをツチノコのように描いているシーンがあって(これを類さんは「茶トラインパルス」と読んでいます)。これは流石に結構デフォルメしているんだろうなと思っていたのですが。
実は収録されている「秘蔵写真集」を見ると、本当にそんな姿だったり。コミカルに描かれているのかなと思う部分も、写真を見ると納得できる部分があって、それも「生活感」みたいなものが良く伝わることに繋がっているのかもしれません。

マンガを読んだ人の感想ツイートを見ていると、飼い犬のウッちゃん(ウッディー)が天国に行ったときの話に感動したというものが多く。自分もそこは家族の繋がりを感じたところでした。
他にも類さん自身が病気を完治させた話や、類さんの家族(父・母・祖母・ウッちゃん(飼い犬)・のこちゃん(亀))の様子の変化も描かれています。やっちゃんの面白い・おてんばな・可愛い部分だけでない、家族としての暖かさもしっかり伝わってきます。

自分が猫を飼っていたときのことを思い出した

『茶トラのやっちゃん』を読んで、ふと自分が猫を飼っていたときのことを思い出しました。

小学校低学年のころ、音楽教室の帰りに、子猫の鳴き声がするのを母と聴いて。秋冬の寒い夜で、自分のジャンパーの懐に抱いて家に帰りました。そこから飼ってよいことになって、自分はきょうだいと交代でえさをあげたり、トイレの砂を掃除したり。勝手に窓を開けて外に出て行って、お腹にヒルをくっつけて帰ってきたときは家族中が大騒ぎでした。

小学生の間にその猫は天国に行ってしまって。引っ越したりマンションに住んだりで、そこから猫を家に迎えて過ごすということはなくなったのですが。やっちゃんの姿を見て、飼ってた猫もふすまに穴を空けて、そこから出入りしてたなとか、廊下の直角コーナーをドリフトするかのごとく爆走してたなとか。そんなもう2・30年も前のことを思い出していました。
それだけ『茶トラのやっちゃん』は、猫と暮らすという生活の部分がしっかり感じられるマンガだと思います。

小学生のころは自分自身がよく分からず、猫と暮らしていた部分があります。虚勢手術とか、猫の体調をみて病院に連れて行くとか。いまは色んな人が猫を家に迎えて過ごすマンガや画像・ツイートを見て、うらやましさと同時に、そこに生じる責任感も感じています。

猫を迎え入れて一緒に過ごすことは難しいけれど、その分いまは色んな方のツイートやマンガに癒やされ、もちろん類さんもその一人です。
「おはようマイラブ」「今日のクリームパン」の言葉とともに出てくるやっちゃんの姿は、やっぱりいつも可愛らしい。
いまは新たな家族、茶トラの「ちよちゃん」も迎えて、癒やし効果は倍以上に。

『茶トラのやっちゃん』、改めて読み返しながら、ちよちゃんを迎えた生活を綴った作品が出ることも楽しみにしています。

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