何を大事にしたいのか

一番大事なものって何ですか?

金曜日の昼下がりに、仲良くしている後輩に突然聞かれました。僕は彼の質問の意図を図りかねながらも、

ドキドキする体験かなぁ」と答えました。後輩は少し驚いたように目を見開いて、真顔で僕の顔を見つめています。彼が期待していた答えはもっとコミカルなものだったのだろうか、と少しばつの悪さを感じてしまい、

「あ、お気に入りの包丁かも」とこれまた反応に困るような回答を付け加えましたが、

「なるほど、すぐにそう答えられるのがすごいですね。体験か」と包丁は完全に無視し、一つ目の回答に考えを巡らせている様子でした。

「逆に何が一番大事なの?」

「僕はゲームしているときの自分なんですよね。誰にも見せない、ありのままの自分でいられますし、不思議に思われるかもしれないですけど、原点回帰できて、リセットされるというか」

一番大事なことを通して、自分自身をリセットするという考え方はなかなか新鮮でした。

確かに、僕自身もドキドキするような体験を通して、自分という人間を取り戻している感覚はあるかもしれないな、と感じ、彼の意見がすっと腹落ちしました。

もしかすると、一番大事なものを軸に仕事も私生活も動かしていくと、すんなり物事うまく運ぶのかもしれない、と過去の経験や周りの人たちに思いを巡らせてみました。

自分が一番大事なものを守るために、今何をしなければならないのか。

上述の後輩の場合、仕事を20時までに切り上げないと、ゲームの大会に間に合わない、だとすれば、AとBは今日のうちに終わらせ、Cは明日の朝一でも良くなる、と考えているのかもしれません。

よく、仕事は優先順位付けが大事、と聞きますが、仕事の枠の中だけで優先順位をつけてしまうと、結局いっぱい一杯になってしまい、過度のストレスに繋がってしまうのではないかと思うのです。

自分の大事にしていることが仕事の成果だとか、仕事を通じた自己実現だとかに置いている方であれば、仕事の枠の中で優先順位付けをすることに、ストレスを感じることはないのかもしれませんし、苦なく仕事に打ち込めるかもしれません。

ただ僕も含め、そうでない方にとっては、広く公私にわたって、自分が何を一番大事にしたいかを見極めたうえで、それを軸に1日、あるいは1週間、あるいはもっと長い期間の行動計画を設定することは、人生を豊かにする一つの大事な考え方なのかもしれません。

金曜日の昼休みに、ふとした後輩の問いかけから得られた学びについて、この週末は考えてみたいと思います。

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