台湾一周親子自転車旅<前編① 台北〜高雄> はじめに
台湾を一周することを台湾では『台湾環島』と呼ぶ。もちろん車やバイクで一周することもできるが、いま台湾で流行っているのが自転車での環島。台湾環島約1000kmを10日程度で走ることが多い。
台湾の面積は日本の九州とほぼ同じ。なので台湾環島は九州一周と考えてもらえればイメージしやすい。台湾を自転車で一周するのは「大変そうだけど、不可能ではなさそう」「できそうな気がする」といったちょうどいいサイズ感なのだ。それも台湾で流行っている理由だろう。これが日本一周となると気が遠くなる。
数年前に「環島」のことを初めて知ったときにはあまり関心はなかったが、今年に入り、まず長男が自転車にハマり、自分もその熱に感化され自転車に乗るようになって「いつか台湾環島に挑戦したい」という思いが湧き上がってきた。しかも一人ではなく子どもたちと一緒に成し遂げたいという思いだ。
家族で週末サイクリングなどをしながら、子どもの体力を見計らってきた。1日で70kmぐらいは走れるようになってきたが、それでも10日間毎日走り続けるのは想像もつかなかった。
いきなり親子での一周は不安なのでまずは台湾環島の前編として台北から高雄までとしよう、と考えた。台北→高雄の約400kmを1週間で計画。400kmは日本だとだいたい東京から京都まで…そう考えると不安が頭によぎる。
でも、自分もいつまでも同じ体力と気力があり続けるわけはない。小4の長男にも意思を確認すると答えはYES。そして、仲間内で合言葉のようになっている『やりたいことは先延ばしにしない』という言葉にも背中を押され、この夏に長男と一緒に自転車旅に行くことに決めた。
この台湾環島を”親子でやる”というのも大事なポイントだった。この自転車親子旅を通じて、2人で夏のかけがえのない思い出を作りたいという想い、自転車LOVEな息子に達成感を味わってほしい、“オレにはこれがある”という自信をつけてもらいたいという願い、こうした父としての気持ちがまずあった。そして、自分としても台湾の自然を風を身体全体で感じたい、日頃の雑念やモヤモヤを吹き飛ばしたい、という気持ちもあった。
調べると自転車メーカーや旅行代理店の主催する自転車一周ツアーがあることがわかった。でも、それらにはまったく惹かれなかった。こうしたツアーに参加すれば周りの人たちにお膳立てされながら一周できてしまうんだろうなぁと容易に想像ができるからだ。それでは面白みも半減する。そして、気ぃ遣いの自分や息子の性格上、休憩のタイミングや行きたい場所、寄り道なども自分のペースではできなくなるんだろうなぁというのも嫌だった。
それよりも子供と相談しながらコースを決めて、壁にぶつかりながら、苦労しながらチャレンジしたい。ゴールすることが目的ではなくて、そこを目指す過程や経験にこそ意味がある。失敗して電車で帰ってきてもいい思い出になる。だから不安もあったが、自分たちで計画を立て、2人で走ることにこだわった。
次回は出発に向けてどんな準備をしたかを書きたい。
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