見出し画像

「人は協力してくれない」と理解したときに、リーダーシップは生まれる。言い訳のない即興、適応、克服。「失敗の本質」と「顧客起点マーケティング」。※2020/02/01追記

今僕はとあるプロジェクトで企画を行っている。そこで改めて会社で仕事をするという事は、どれだけうまく仕事を通すか、その為のコミュニケーション、つまり話の通し方、仕事の通し方が問われるなあと身に染みて感じる。

「全員で全部をやる会社」という一体感とそれぞれの分業制出来る役割の矛盾に頭を抱えている人が多い。
それぞれ持っているアビリティが違うし役割もあるし出来る事が違うからアレだけども「目の前の事に集中する」という事を組み合わせていく事の難しさと全体感をそれぞれが持つ「全員で全部を作る会社」という視野や思考には相容れず、大体の人は、目の前の事に集中している(しているならまだいい)中々全体の視野には至らない。それを邪魔するのは、「目の前の事に集中しろ。」という言葉の力だと思う。

今回は「分業で縦割り感の窮屈さからの打破。」というテーマを戦うではなく、自然に任せるように僕が行っている話をしたいと思う。

まず僕は組織の中である程度身を任せてある程度自由にやらせて貰っている。そういうタイプの人間としてポジションとして見てくれて、側に置いてくれている上司の理解に助かっている。
「右脳をフルに活かしてありのままに言葉にしていいよ」と言われるだけあって、左脳で進むプロジェクトにおけるスメリングソルト的な役割を頂いてあある。

これまで営業をやってきていた僕が企画やマーケの中にいる。目に見える利益という数字を出し続けていた事、マネジメントするチームや営業部の後輩、メンバー達に背中を見せてきた事、そして彼らが評価してくれている事も大きく、今回の転籍は左利きの僕を迎えてくれた今回の新事業部。僕はここで非属人的な立場にいる。ここでは会社の利益とか売り上げとか、そういう意識を持つ人がやっぱり少ない。自分の財布ではなく会社の金だからだろう。そんな事は営業の時はなかったと思う。一人一人のメンバー達は少なからず自分達が出す利益に誇りと喜びを感じて、それに協力してくれた企画や管理にも最大の感謝を常に意識してくれていた。
そんな営業の軽視を会社全体から感じていた。感謝、ではなく当たり前みたいな感覚のような。これは会社の評価制度というものがひとつの原因で僕は彼らの価値を最大に伝えたいが為に今の事業部へ勧んで手をあげた。僕を評価してくれたのは、僕の直属の上司ではなく、数多くの後輩やメンバー達と少なからず残した数字と足跡だった。
その中でも色々な場面を突破してきたそれまでの現場での奇想天外な状況打破やネゴり方で会社から「アイツは変なやつだ。」と思われてきた事はとても印象に付いてしまっている。
しかし一番大きいのは僕慕ってくれた後輩やメンバー達からの評価が大きい。社長や役員からの評価ではなく、彼らのおかげだとつくづく思う。
沢山のメンバー達や取引先お客様と営業を通して出会ってきたが、全員への感謝は熾烈な現場や営業という戦場では戦友であり繋がりはとても深い。
途中戦死しているメンバーもいるが、その中でも思考と判断と行動をどんな状況でも自然でフラットにいるコツを営業というコミュニケーションで自身に培ってきた。それを仲間に伝えてきて一緒にやってきたメンバーは生き残ってきた。全員助けたい気持ちはあったが、いざ戦う時は一人だ。行動するも判断するもやるもらないも全て人、自分次第。銃弾が雨のように飛び交う営業の現場、つまり戦場で死の恐怖に慄いて防空壕から身動き取れずにいるメンバーを全員救う事は出来ない。「安心しなさい。死にはしないから。」という言葉を伝えても怯えて立ち止まりそこで朽ちていく。「でも、だって、そんなこと言っても。」もう変えようがない。そういう時はまず僕が出来る事を見せる。「奇跡を見せられる」ようなものだ、自分が無理、と思っていた事が可能だったからだ。

人は、奇跡を体験すると信じる。僕はかなりここにこだわりを持って「仕事で死なないから大丈夫だよ。びびらなくて良いよ。」というマインドをあの手この手で伝えて一員を鼓舞し、前線で戦って僕さ自身も生き残ってきた。決して部下を盾に生き残ってはいない。
「この人について行けば死なないかも?」と思ってくれたメンバーは、死の恐怖や不安から解放されて生き生きと動き働き始める。
心配とは「心を配る事。」であり、自分自身にネガティブなものを配るのではなく、コミュニケーションの相手に対して、気持ちを配る事と考えて欲しい。「心配」は心配しなくても良い。
営業は「全員で全部をやる」。一人一人孤独に戦うのだけれどもこのチーム感を共感出来てるリーダーとメンバーシップがあればその部隊は最強に強く楽しい。経費意識も強く、恐れず前線の皆は一人ひとりが個人事業主のようで経営者意識があり会社でも一番の利益率を誇っていた。そういう部隊は他の会社でもきっと機能しているだろう。

僕はそんな営業の6年の時を離れて新たなプロジェクトにいる。
入社時は300人程度であったが、組織がある程度大きくなって階層ができると、マネジャー層が創業者の“翻訳家”になり始める。「それはそのまま社長に言えない」「自分を通さないと上に話は通らない」と言い出したら、組織が硬直したサインだ。気づけば1,000人も超えていた。ここは全員で全部を共有していない。と素直に感じた。規模の問題なのだろうか。多分そうだと思う。しかし会社というものはそういうものだと思う。

一つのプロジェクトに対して、縦割りの会社だと色んな事業部で役割が完全に分かれていて業務が行われている。それぞれのタスクのこなすべく着々と仕事を進捗させる。「全員で全部」の仕事を共有していない、それぞれが役割をこなすという分業制は全く生産性のない事なんだなと今まさに感じている。視野が狭く全体感がない。スケジュール感も顧客の意識もない事と繋がる。

プロジェクトにはストーリーがある。
その完成までには色々なフェーズとシーンがある。その全体のストーリー共有が「全員で全部」感だ。それぞれのメンバーがそれぞれのシーンに集中し仕事をこなす。ある意味とても生産性が高い組織のように思えるが、そこに集中する事が目の前の事に集中する事が、危うい要素もある。

伝わらない、この組織をまずどうやって変えるか、「目の前の仕事に集中し、没頭する」事をまず辞めてみる。気が付いてふと見渡したら会社が負けている。機能していない無駄がある。それに気づかないだけでなく見てないふりで目を伏せるのかなんて事はきっとある。「全員が俯瞰して全体感を見る」そんなコミュニケーションを取って行く事を僕はしている。

失敗の本質はこの日本では会社や組織ではずっと同じだった。
「何をそんな悠長なことを!もうプロジェクトは進んでいるんだからこれは変えられない!納期が遅れる!間に合わないじゃんか。止めるのは危険だ!」とか「結構大幅な工数増加になると思うので色々と不安です・・」と心配と不安で恐怖に駆られている人は多い。そういう人を安心させながら心を紐解くようにリラックスさせながら仕事を進めていく。まずは今の仕事を辞めて、手に留めて全体感を見るように小さく促す。人は固定概念でビッタリだ。自分もそうではなかろうか、と常に自分を客観し、相対化させる。目の前の視野で全体ではない、ということはとても前が見えない状態。とても疲れると思う。また目の前のことにひたすら没頭するのは、ある意味楽だと思う。でもきっといつか行き詰まる。やっぱり鳥のように羽ばたいて俯瞰することをお勧めする。それを繰り返せるようになったら手を動かしながら考え続ける。
怒りに似たものや圧迫を与えて来たりするのでそれが続くと僕も多少貰ってしまう事もあるのだが、基本ヨガや運動を通じて自分を見つめる作業を行えるので僕の心身は健康で平気だ。
それを普段から行わない人は心身共に不健康に。それすらも気が付かなかったりする。発散や刺激ではなく、自分を見つめる相対化や全体を俯瞰する能力開放だと思う。

本来ミーティングや会議では全体感を見る、全体の視野を確認し合う時間だと思う。
しかしそれぞれの目の前の事に時間をかけた成果報告の集まりになっている。そして上層部はそこの出来高に評価を与えるのだろう。

僕は渡り鳥のように色んな事業部や人を往来し、ミーティングでは全く得られない全体感を見て回る。出来るだけ青く高い空から見るようにする。
そしてそこでコミュニケーションを取るプロジェクトに関わる目の前の仕事をする人達とのやり取りをどう進めようか考える。その人達は目に見えない未来に怯えている。納期は間に合うのか、果たしてサービスは成功するのか。。。などなど。
今日もそんな人達に安心を「ビビらなくても大丈夫。」を伝える為に一日をのほほんと戦略を立てながらコーヒーを飲む。社内営業のやり方を練る。

幸い僕の上司の事業本部長は全体感をとても持っていてくれて、危機感も楽観も併せ持っている。何しろ自分自身も組織も俯瞰して見ることができる信頼できる人だ。そして一緒に戦場を楽しむ、「あっこの人について行けば大丈夫だ。」を感じる。まあ命は取られない。
世の中の意味と役割。組織や会社の意味をしっかり活かす為にはやはり「全員で全部」感という一体感が大切だ。
そこではそれぞれが有益役に立つと思う。

上に述べた営業の話では現場で孤独に戦い言い訳のない行動を起こす事が大切だ。
いつもメンバー達に伝えたのは、「大丈夫」という安心を与えた後に正解のない行動に移る事を伝えた。彼らは売れないとインセンティブはない。死が待っている、と恐れる。しかしその極限でも僕は自ら先人切って、銃弾の雨を舞うように突っ込んで死なないことを見せる。「俺には出来る、出来ない。」と見せるのではなく、「この人がいれば大丈夫かも、一緒に新でも良いかも、いや死なないやん。」と思ってもらえればオッケー。凄いところまでいくと「この人とならコケてもいい。」とか。しかし、そう判断し行動するのはまずはそれぞれ自分だ。最初の一歩はそれぞれの決意だと思う。即興、適応、克服の流れは、まず人は「決断に協力してくれない。」事を知る。自分で自分の事なんだから自分がやらねば誰も自分の事なんてやってくれないよ、という思考になる。

自分を幸せに出来る人は人を仕合わせる、とおなじ。
そういう人には安心感と優しさがある。
僕も日々それを磨いて、仲間を増やしている。
今のプロジェクトもそういう考えも持って進めている。

友人達から上の本をお勧めして貰った。「顧客ピラミッド」や「9セグマップ」という言葉を紹介していて、スタートアップのバイブルとして取り扱われているらしい。

「常に顧客に向き合い、その意識をマーケティングに活かしていくことは、顧客がリーダーシップを執っている。このフレームワークは、組織に非属人的なリーダーシップをもたらす。」冒頭にこんな言葉が書かれていた。お客様目線になればサービスに関わる全ての事に向くので、全体感を得られる。目の前の仕事に集中する人達とどうこれから働いていくか、また続きを報告していきたいと思っている。

早速読む僕に友人は、「本も読み過ぎ良くないからね!」と手渡してくれる。家に読みかけ途中の本が山積みになっているのを思い出した。素敵な友達だ。



言葉を直接届ける機会をいつか何処かで作れたら!