Flight Shame(飛び恥)・・・航空機利用を減らす動き
1.Flight Shame(飛び恥)とは
最近、本屋で「図解即戦力 脱炭素のビジネス戦略と技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書」という本を見つけました。最近、脱炭素の本から遠ざかっているので手に取ると、イラスト入りで網羅的な説明があったので、購入しました。各章の終わりにコラムが書かれているのですが、その中に「航空機の利用は恥か」というコラムを発見。
Flight Shame(飛び恥)とは、「航空機を使うのは恥ずかしい」という意味です。航空機を使うのが恥とされる理由は、航空機の輸送重量あたりの燃料消費量が桁違いに大きいいためです。旅客輸送において、各輸送機関から排出される二酸化炭素の排出量を輸送量(人キロ:輸送した人数に輸送した距離を乗じたもの)で割り、単位輸送量当たりの二酸化炭素の平均的な排出量を試算すると、国土交通省のページに掲載している内容ですが、下図のようになります。
運用部門における脱炭素は電動化することがキーになります。自家用自動車はEV普及の促進が徐々に図られていますが、航空機は電動化が困難であるため、持続可能な航空燃料(SAF/サフ:Sustainable Aviation Fuel)の開発がキーとなります。SAFとは、バイオマス燃料やグリーン水素を利用した合成燃料、廃食油やミドリムシなどのプランクトン由来の油、植物由来の油などのことです。ちょうど以下のページに詳しく整理されています。
2.SAFの可能性
航空機の脱炭素化を行うために、SAFを利用拡大すればよいか、というところについては、供給量が少なく、価格も高いというの現状です。上記に紹介したページにもありましたが、
「SAFは従来の燃料と比較して原料コストが高く、製造コストが2~10倍かかるとされ、今後はコストを抑えた製造技術の開発が課題です。」
とあります。
冒頭に紹介した書籍のコラムには以下のようなことが書かれてもいて、SAFの低価格化を待っているのみではカーボンニュートル実現には難しく、まずは利用を控えるという動きも必要になってきそうです。
3.スポーツによる認知度向上
5/29の朝日新聞朝刊に、SDGsに関する記事が掲載されていました。気候変動リスクがスポーツにも至っているという内容で、このまま気温や界面の上昇が進んだ場合、2050年に毎年のように浸水するリスクを抱える地域、そこには阪神甲子園やマツダスタジアム、ZOZOスタジアムなどスポーツにも影響を及ぼすという内容から始まっています。
そしてヨーロッパの脱炭素に対する意識はやはり日本よりも大きく進んでいると思われた記事が以下のような内容です。
国連はスポーツを利用して、気候変動への取り組みの認知度をあげようとしているようです。
日本においては、身の回りで「飛行機を利用するのを控えよう」という動きがあまり見られないように思えます。日本では新幹線が張り巡らされ、飛行機が平行で飛んでいる状況。飛行機を鉄道で、という動きをあまり感じません。
業界を守る意識があるからなのかしれないのですが、航空機がまずはこのようなCO2排出量が多く、またその削減が難しい状況にあるという事実を、まずは日本において認知されるべきと思いました。
日本でもスポーツ選手による気候変動に関する認知向上の運動が、もっとあってもよいのではと思います。
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