血統ニワカはもう卒業!みんなで血統勉強会!!(サンデーサイレンス編その③)
血統ニワカはもう卒業!みんなで血統勉強会!!
第3回は何故サンデーサイレンスは種牡馬として成功したのか、父と母の血統を読み解くことで明らかにしていきます。
前回のnote
【1】父Haloとは
・Haloの血統
父Hail to ReasonはSS以外にも、現在種牡馬として活躍しているエピファネイアやモーリスなどの祖であるRobertoの父としても知られています。
母CosmahはNorthern Dancerの母Natalmaの半姉で、
デインヒル、Machiavellian、バゴなど現在も活躍馬を輩出し続けている名牝系出身です。
・Haloの血統的特徴
HaloはBlue Larkspurの4×4、Sun Princess≒Mahmoudの3/4同血による4×3、
そして父系のPharosと母父系Pharamondが3/4同血と、似た血を持つ両親による配合で、“血の緊張度が高い”と表現される血統となります。
・Blue Larkspurクロス
Blue Larkspurはヒムヤー系の血で、ヒムヤー系の特徴である高いスピードと持続力を引き継いでいます。
(ヒムヤー系は断絶の危機にありますが、JBCスプリント勝ち馬ダノンレジェンドが地方・中央問わず重賞馬を輩出。種牡馬として注目されています!)
よってBlue Larkspurの4×4クロスはHaloに高いスピード性と持続力を伝えていると考えられます。
・Sun Princess≒Mahmoudのクロス
Sun Princess≒Mahmoudの3/4同血クロスは、この2頭が母系に持つMumtaz Mahalのスピードを増幅し柔らかなスピードをHaloに伝えています。
(これはHaloが父Hail to Reasonながら力強さやスタミナの要素が強いRobertoやBold Reasonと異なる色を持つ理由ではないでしょうか)
・Haloまとめ
以上のことをまとめると、Haloの血統的特徴は…
となります。
【2】母Wishing Wellについて
・Wishing Wellの血統
・Wishing Wellの血統的特徴
父UnderstandingはTeddy系の種牡馬で、加えてTeddyの5×5クロスを持ちます。
Understandingは同時にMahmoudの血を持っています。
母Mountain FlowerはHyperionの3×4クロスを持ちます。
そして、父Understandingと母Mountain Flowerは似た要素を持たず、Wishing Wellが5代血統内に持つクロスは母方のHyperion4*5のみ。つまり強いクロスが発生していないということです。
サンデーサイレンスの母Wishing Well誕生秘話はこちらのnoteにとても詳しく書かれています。気になる方は是非読んでみてはいかがでしょうか。
・TeddyクロスとMahmoud
Teddyは北米パワー血統で、Teddyの血を引く馬は力強い駆動力を引き継いでいます。UnderstandingはTeddyの5×5クロスを持ちますから、より強くこの要素を引き継いでいると考えられます。
Understandingは同時にMahmoudの血を持っています。なので単純に力強い要素だけでなく、柔らかいスピードの要素も持っていると考えられます。
・Hyperionの3×4
Hyperionの血は、競り合っても抜かせない粘り強さとスタミナを伝え、Mountain FlowerはHyperionの3×4によってその色を濃く受け継いでいると思われます。
北米の競走馬はHyperionの血を持っているケースが少なく、スピードと突貫力で勝負する傾向です。Wishing Wellがアメリカで異系とみなされたのはこの様な背景も原因でしょう。
・Wishing Wellまとめ
以上のことをまとめるとWishing Wellの血統的特徴は…
となります。
【3】改めてサンデーサイレンスの血統を読む
・父Halo×母Wishing Well
父Haloの特徴であるBlue Larkspurの4×4による高いスピード性と持続力、Sun Princess≒Mahmoudの3/4同血クロスによるMumtaz Mahalが持つ柔らかさとスピード性の増幅、そして緊張度の高い血統背景
✖️
母Wishing Wellの特徴であるTeddyの5×5による北米的な力強い駆動力、Haloと同じくMahmoudの血を持ち、そして北米では異系であるHyperionの3×4による競り合っても抜かせない粘り強さとスタミナ
これらが全て噛み合ったことで名馬Sunday Silenceが誕生したのです。
・サンデーサイレンスの特徴
Sun Princess≒Mahmoudの3/4同血クロスによる柔らかさとスピード性は、Wishing WellがMahmoudを持つことでSSに引き継がれています。
そしてBlue Larkspur5*5によるヒムヤー系の高いスピード性と持続力、Teddyの持つ北米的な力強い駆動力。
加えてHyperionの持つ競り合っても抜かせない粘り強さとスタミナ。
これらが血の緊張度の高いHaloと、異系色の強いWishing Wellが合わさることで、お互いの持ち味をサンデーサイレンスへ伝えることができました。
・SSの強さのみなもと
前回で学んだサンデーサイレンスの特徴を振り返ると、
でしたよね?
荒い気性(Halo)と高いスピード(ヒムヤー系)、先行力(Teddy)でポジションを取り、コーナーを器用に回り加速(Teddy)。最終コーナーで先頭に立つと滑らかなストライド(Sun Princess ≒ Mahmoud)と並ばれても抜かせない根性とスタミナ(Hyperion)で押し切る…
父と母の血統を紐解くことで、サンデーサイレンスの強さの理由が見えてきましたよね‼️
今回はここまで。
本来なら何故サンデーサイレンスは種牡馬として成功したのかを、父と母の血統を読み解くことで明らかにする予定でしたが、SSの父と母の血統解説だけで力尽きてしまいました…
次回は約束通り、サンデーサイレンスは種牡馬として成功した理由を明らかに出来るよう頑張ります!
次回のリンク 準備中…
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