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リーダーとマネジャーの違い、気を付けるべきこと

世の中にはリーダー論なるものとマネジメント論なるものがある。
しかしリーダーとマネジメントの区別は曖昧でどちらも同じような定義で使われているように思われる。
一方で一般的な会社の中では課長はマネジャーと定義されるし、係長はマネジャーではない と定義されているだろう。
リーダーについては班長も主任も係長も、ともすれば一般社員であっても当てはまる人はいそうである。
つまり、語感としては同じように扱われていても、実際の定義は明確な線引きができるはずだ。
ここでは、そんなリーダーとマネジメントの違いについて考えてみたい。

■マネジャーとリーダーの違いは何か

マネジャーは資源(リソース)を管理する。
管轄する範囲が多岐にわたり、物質的リソース、人的リソース、時間的リソースなどを管理する。

リーダーは先導をするひとのことを指す。
付いていく側のひと(フォロワー)が存在することが前提条件で、フォロワーに焦点と方向性を与え、組織が最大限の成果を得られるように働く。

つまり、リーダーは言葉の定義上、 フォロワーたる人間を取り扱うもので、マネジャーよりも責任範囲が狭いと思われる。

船に例えてみよう。
船長はマネジャーだ。船の行き先、操船にかかる資金、乗組員の人数や役割分担などが船を運用する目的を達成できるかどうかを吟味し、計画を立てる。
これがリソース管理に相当する。

オール漕いで船を進める漕手が20人いるとして、彼らの取りまとめ役はリーダーだ。
漕手が効率よく、うまく操船するために必要なオールの漕ぎ方を指導したり、オール漕ぎのタイミング合わせを実施する。時には彼らのモチベーションを高めたり、挫けそうなときに勇気づけたりするだろう。
人材面に特化して最大の成果を出そうと働きかける人がリーダーと定義するとすっきりする。

■マネジャーとリーダーが気を付けるべきこと

さて、私の周りでよく見られるマネジャーとリーダーのマネジメントに関する問題がある。
それは命令系統の二重化だ。
これはリーダーがいるにもかかわらず、マネジャーがリーダーを飛び越えてフォロワーに命令してしまうことを指す。
命令系統の二重化は様々な弊害をもたらす。
・フォロワーの混乱
リーダーとマネジャーの言うことが同じであるとは限らない。
時には反対のことを言ってしまったりするかもしれない。
そうなるとフォロワーはどちらの言うことを聞けばいいかわからなくなる。
この状態は成果を挙げられない組織を生み出すだろう。
・リーダーのモチベーションを下げる
そもそもリーダーとはマネジャーの信任を受けて任命された存在であり、人材面においては権限を委譲された存在であるはずだ。
にも拘わらず、マネジャーがリーダーを飛び越えて命令を下すことはリーダーの存在意義に関わる問題となる。
このような行動はリーダーのモチベーションを下げることにつながる。
リーダーという階層を設けるのであれば、役割を委譲していることを自覚して、自ら直接命令を下すことを止めるべきだ。

係長がチームをまとめる、メンバーを指導する と決めたのであれば、課長はチームメンバーに命令をするべきではない。
言いたいことがあるのであれば、リーダーたる係長に言うべきである。

■まとめ

①マネジャーは組織の資源を管理する。
②リーダーはフォロワーを持ち組織の人材面を統括する。
③マネジャーはリーダーを信頼し、リーダーを飛び越えた命令を下すことは控えるべきである。


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