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レコード神社「1995」HeatWave もし息子がバンドをやりたいと言ったら、ロック親父として伝えておきたい事

世代が変わること

正味の話
「ドラゲナ〜い! ドラゲナ〜い!」って初めて聞いたとき
自分が生きているこの時代は

『ミスチルが響かない世界なんだ』って気づいたんです。
あの気持ちってなんなんでしょうね
悲しくはないんだけど、損失感に似た感情は湧きましたね。
最近で言えば
どんぐりずの何がいいのかが
分からなくて
後輩に何がいいのかを質問してみたり
これってひょっとして老いるって事なんでしょうか

老いること、世代が変わること

自分の老いと共に世代が変わったことを
季節の移ろいのように感じる今日この頃。
自分はヒットチャートがある時代に
生きてきた人であることを改めて感じる
次第でございます。

私が駆け抜けた90年代
時代を代弁するような歌があって
時代の物語に<みんなが>
耳を傾けられたという感覚があり
子供から大人までみんな知ってる歌
<流行歌>がありました。
ミスチルもその時代を彩ったロックバンドの一つです。

ロックバンドが時代の顔になるというのが
子供ながらに嬉しかった記憶があります。
ヒーローを見る感覚に近いですけど

「抱きしめたい」から「es」までの間には
ちょっとしたジャンプがあります。
でもこのジャンプはとてもわかりやすい
みんなが移入しやすい恋という題材から
人間の本質にテーマが流れています。
バンドが語る物語<音楽小説>に
みんなでハマる事ができる楽しさも
90年代は多かれ少なかれあったと思います。

ロックバンドが語る物語

リスナーもロックバンドの主義主張を
に共感したい気持ちと
バンドが語る<物語>に浸っていたい
という気持ちを両方抱えているような気がします。

BUMP OF CHICKENを聞いたとき。
サウンドがどうこうではなく
バンド自体が自分たちの物語のなかに
存在しているような気がしました。
リスナーがいる場所と陸続きの場所に
バンドの世界観がありそこから
物語が紡がれていくような、
RADWINPSに関しても同じ事が言えるのではないでしょうか?
いい曲だなと思えるし、いい歌の世界だなって思えるんです。
ただ、ちょっと狙ってない?って思えてしまうのは
私の老いによるところです。
あくまで、個人的な感覚なんですけど。

バンドにソングライターがいて
共感したメンバーが揃っってバンドやってるだけだよ。
と言ってしまえばそれで済むかもしれないし
結果はその通りかもしれない。
でも、なんとなくずっと引っかかっていたんですよね。

野口五郎「グットラック」

city popの次にブームになるのが野口五郎さんだと
真夜中の民俗学者ケアヒは睨んでるんですけど。

筒美京平さんが作曲されて山川啓介さんが作詞
野口さんが歌うという
いわば野口さんは歌を投影する<像>ですよね。
いい歌ですよね、大好きです。
ただ、このいいなと思える感覚は
他人の物語を野口さんが歌っても
とても違和感なくはまっていて
野口さんの魅力は発揮されていて
いい〜と思えるって事なんですよね。
他人の物語でもいい歌になるんですよ。
モーニング娘。もそうですよ。
歌謡曲に求めているものとロックに求めているのは
違うので、それでいいんです。

レッチリの音楽はレッチリでしか作れない

ロックの魅力ってそのバンドでしか
出来ないものを出現させる事だと思います。
その土地、その場所でしかサツマイモのように
レッチリの歌詞はアンソニーしか書けないし
あの物語はアンソニーとバンドのものです。
で、その物語、主義主張に無理がなくて
すんなりレッチリの世界観に入っていけてしまう感じ。
何よりも聞いている自分を励ますんですよ。
ある種の勇気を運んでくれるのが
素晴らしいとこですね。

難点がありまして、みんながみんな
同じようなことは出来ないってことですね。
自分にしか出来ないことを自分の方法で見つける!
というのがロックレジェンドの作法と
言えるのでは中臣鎌足!

ロックの落とし穴

上記のような事を読んで
よしロックバンドをやろう!なんて
note読者の中からあらわれるかもしれない、
息子が中学に入ってバンドをやり始めるかもしれない。
そんな時は
大事な玉と穴の話をしてやろう
玉はお年玉のことね、楽器買うのに必要だから
使わずに貯めてね。
穴っていうのはカートコバーンの奥さんのバンドで
ホールっていうのがあったけど
それではないし、聞かなくてもいいかな。

その穴っていうのは、、、

自分を隠してしまうぐらいに頑張ってしまうことかな、
最後まで、自分でいる覚悟を持ってバンドをやれば
すごくいいバンドになるんじゃなかろうか。
自分でいるために
本当に必要なことは

ロックを通して自分が震える言葉に出会う事だよ。
自分を一歩一歩前に進める言葉を
崩れそうな時も自分を支える言葉に
ロックというのは
たった一人の自分にとっての
<生きるための言葉>を探し続ける旅だから。
その言葉に出会うためには
自分が自分らしく生きていなけれれば
出会えない。
すぐには気がつけないが
時間が経っていろんな経験をして
出会えたという財産に気づくはずだ、
7歳から40歳になった今でも
ロックを通して心を震わす事ができる。

HeatWave「1995」

これから何かを始めようとしている人も
もし、今どうしようもない状況で
この文章を読んでいて
明日なんか来なくてもいいと思っている人も
このCDを聞いてみて欲しい。

思い起こさせますよ
自分の人生にも語るべき物語があったことを
まだ歌いきれていない言葉が眠っていたことを
行動を起こさせますよ
数々の間に合わなかった言葉を
救い出すための
生きるための音楽として
風が新しい約束を
風景につづる
稲穂が色づく頃には
きっと気がついてしまうでしょう。
この旅、そのものが
<生きるための言葉であることを>






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