見出し画像

コンサルの提案書

コンサルは形がないサービスを売る業態です。
提案時は商品等の魅力ではなく、「あなた方のお困りごとを解決できる最善のパートナーは私たちです」というメッセージを伝えることが肝要です。

そのため、提案書の構成は大きく以下3つになります。(加えて報酬の見積もり)
① 課題の見立て(論点の設定)
② 課題解決のためのアプローチ
③ 課題解決ができる能力

これらがうまく伝たわるよう提案書の準備をしていくのですが、私が良く取り扱っていた「事業計画策定PJ」における提案書のイメージを記載してみようと思います。

①あなたの困りごと・・・実はこれです

事業計画策定PJは、目指べき姿と現状のギャップを「課題」とし、それを解決する戦略を立案し、数値計画に落としていきます。

大抵の場合は、3年後に利益率何%改善したい、赤字事業を何とかしたい、新規事業を立ち上げたい等先方より困りごとの相談がまずあります。

ただ、相手の困りごと=論点(本当に解決すべき課題)ではないケースが多いです。
我々で現状を改めて分析・洞察することにより、「御社にとって目指べき姿はこうで、本当の課題はXXです」と伝えることになります。
ここでのポイントは業界の凝り固まった思考でしか考えられない所に、新しい思考の枠組を提示し、相手を「目から鱗が落ちた」状態にすると、先方の期待が高まります。

実際のところ難しいのですが、名著の「イシューからはじめよ」や「論点思考」であるように、正しい問いを設定するために、提案段階でもしっかりとした分析を実施します。

余談ですが、論点を提示する前に私は自分の現状認識の前提を示すようにしています。
これは「現状認識」→「論点設定」となっている中、論点が違うのか、そもそもの現状認識が違うのかをクライアントと議論するためです。
現状認識にお互い気づかない乖離があるままPJが進むと必ず不幸が訪れます。。。。

②どうです?ワクワクしませんか?

①で論点を設定した後はそれをどのように解決していくのかです。
ここで面白いアプローチや、相手の不安・課題を解決できるようなアプローチが提示し、相手に「それならいけるかも」と思ってもらうことが必要です。

問題が個別・固有のものだとこのアプローチ方法自体が肝になったりするのですが、事業計画策定の場合は、アプローチ方法はある程度決まってます。

良く聞かれるのは「絵餅とならないためにどうするのか」という点で、どこまで現場のメンバーを巻き込むか、どのようにコミュニケーションをとって進めていくか等を詳細に説明し、興味を引けるケースが多かったです。

③私達は最強です!

上記の課題の設定、解決アプローチの提示の筋がいいと、そこでこいつらすごそうと思ってもらえるのですが、じゃあ実際に口だけでなく本当にこれができるのかの説明が必要になります。

そこでの説明要素としては、以下を求められます。
①会社概要(ミッションや組織構造、外部連携先等を提示)
②PJ体制・メンバー及び経歴
③会社としての類似案件の実績(トラックレコード)

投資案件でも

今はコンサルではなくPE業務をしており、買収の提案しているのですが基本は同じです。
結局は価格のところが大きいのですが、①本M&Aを通じて達成したいこと(論点)、②それをどのような方法・スキームで行うか、また我々が事業を譲り受けた場合どのように企業を成長させていくか(アプローチ)、③我々はそれができるケイパビリティがありますといったことは、オーナーの事業承継案件だと丁寧なコミュニケーションをとってます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?