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エヴァの「逃げちゃダメだ」のセリフについての考察

エヴァの新劇場版シリーズが、シン・エヴァの公開により遂に完結しました。

"Q"の公開から早9年…時が経つのは速いものです。大変な難産の元、よくぞ完成させて下さいました。作品には賛否両論あると思われますが、私は先ずは完結にこぎ着けた事―それも過去の作品とは全く異なる着地点で―実現した事を喜ばしく思います。

シン・エヴァを見て私は1995年にテレビ放送されていた新世紀エヴァンゲリオンをリアルタイムで全話見ていたのを思い出しました。いわゆる初代エヴァです。

その第一話で、エヴァの主人公シンジの有名なセリフが出ます。

逃げちゃダメだ
逃げちゃダメだ
逃げちゃダメだ

※以下にエヴァ第一話のネタバレが少し含まれます。



シンジは幼い頃に母親が亡くなってしまいそれからは父親の碇ゲンドウの元で育ちますが親戚の家に預けられてゲンドウはシンジから去ってしまいます。
特務機関ネルフの司令になったゲンドウからシンジは急に呼び出され、ゲンドウはシンジに何を命令したかと言うと、汎用人型決戦兵器であるエヴァに乗り、地球を侵略しに来る"使徒"を殲滅しろと言うのです。

パワハラとかそういうものを超越した、とてつもない暴挙です😶
戦略自衛隊の兵器でも刃が立たない奇妙な使徒に対して14歳のシンジにエヴァに乗って戦えなどと…

シンジが気が弱いとか心優しいとかそういう問題ではありませんよね。
それにも関わらず、それしか手段はないからとにかく乗れと周りの大人はシンジを説得します。
逃げちゃダメだ!はその時のシンジの自分に対するセリフです。

エヴァをご存知の方には説明不要ですが、この状況でシンジのこのセリフ、どう思われますか?

以前の私は人生経験も無く思慮も浅かったので、そうだ!逃げちゃダメだよエヴァに乗らなきゃ!などと思ったものです。

しかし、今の私の考えは全く逆になりました。

いやいや逃げていいと思うよ?
こんな超ウルトラスーパーデラックス無茶振りに応じる必要ないと思うよ?
14歳に頼らなくてもどうにかする方法無いんですか??


が今の私ですね😐

理不尽に耐えるのが美徳、辛い事から逃げたら人生終了だ…昔の日本って少なからずそういう風潮があったような気がします。
逃げちゃダメだ はその象徴だったのでは?と考えるのは飛躍し過ぎだろうか。

もちろん、辛いならどんな事だろうと逃げるべきだ、などという極論を言うつもりはありません。
例えば自分が何が何でも成し遂げたい事があって、その途上に辛い事があっても簡単に諦めない方がいいかも知れないとは思います。
ただ、人から押し付けられた理不尽に対して逃げずに無理すると心を病むリスクが高まるし、それは上手く回避する方法を考える方が賢いのではと思ってます。

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