100円玉と期限切れの本

今日は暇だった
すごく暇だった
暇すぎて朝っぱらから考え込んでしまうことが多かった

なので僕は
とりあえずどこかに行くことにした




少し遠くにあるコメダ珈琲でカフェオレでも飲みながら期限切れの図書館で借りた本を読み終えようと思いバスに飛び乗った





コメダの近くには大きなショッピングセンターがあり
行く前にそこのゲーセンであのちゃんの人形を取ろうと必死になって100円玉を次々と投入した
電電電波のグッズでササキも欲しかったが
そこまでのお金の余裕も技術もないので
あのちゃんだけを目当てに頑張った


正直言うとクレーンゲームは数えられるぐらいしかやったことがなかった
クレーンゲームなんてお金を吸い込まれるだけの薬物のような機械だ
といつも内心馬鹿にしていたからだ

でもどーしても欲しかった

やってみると思った通り難しい
全く取れない
取れたと思ったらすぐに虚しく落ちていく

諦めずにひたすらやった
向きや角度など何も考えずにただ取りたいの一心でアームと見つめあった



そんな僕の熱意にアームは呆れたのか
15回目でやっと取る事が出来た


これはお金を使いすぎているのか
それともまぁまぁなところで取れたのか
いまいちよく分からない

でもどっちだろうとただただ嬉しかった
ちっちゃいあのちゃんが僕の手の中に収まっているのが嬉しくて嬉しくてたまらなかった


その後コメダに行こうと思ったが
クレーンゲームに結構な時間もつぎ込んだため
仕方なくすぐ横にあったスタバに滑り込んだ

適当にラテを頼み
戦利品のちびあのちゃんを取り出して意味もなく机の上に置いてみる

少し向こうに座っている小さい子が
こっちを珍しいものでも見るようにじっと見てきた

いつもならきっと気まずくなって目を伏せるのだと思うが
ちびあのちゃんを取れたことの満足感で身体中がいっぱいになっていたので
全く気にならなかった
なんなら見つめ返した笑


そして僕はるんるん無双モードの中
本来の目的の本を読み始めることにした
最近ずっと読んでいるのは
辻村深月さんの「凍りのくじら」
僕の好きなYouTuberが好きな本に上げていて
初めて辻村さんの作品を読んだ



読み始めた時点でもう4分の3程度読み終わっていたが
文庫本にしてはとても分厚く
読むのがカタツムリ並に遅い僕には小学生の頃に長い時間をかけて読み終えたハリーポッターを彷彿させるくらいの長さに感じられた

夢中で読みながらラテを飲み干し
またバス停へと向かった


ちなみにラテが熱すぎて舌を何回か火傷した
痛かった…笑



バスに揺られながら再び続きを読み始めた
そして物語はクライマックスに突入した
バスに乗ってからは少し時間がかかるのだが
一瞬顔を上げたその時にはもう僕の降りるバス停に着いていた

びっくりしながらバスを下りる


本を閉じようと思っても閉じられない
かっぱえびせんの言葉を借りるなら

「やめられないとまらない」

完全にこの状態だった


とりあえず読みながら家に帰った
信号もお構い無しに青色の光を確認しただけで突き進んだ
家に着いてからもそのまま真っ直ぐ部屋に向かいドアも閉めずに読みふけった



そして先程読み終わった



面白すぎて怖かった


こんなに本にのめり込むのは久しぶりだった
下手したら小学生以来かもしれない

バスの中でクライマックスを迎えるのは想定外だったが
自分の熱中度がよく分かったので良しとする



明日学校行くの嫌だなぁなんて思いながら
これを今書いている
しばらくは凍りのくじらの余韻が抜けないと思われる

みなさんも明日から色々と頑張りましょう
僕も頑張ります





文章めちゃめちゃです
あまり気にしないでください







ーーー

みなさんも「凍りのくじら」読んでみるのおすすめです
きっと面白すぎて何も手につかなくなると思います
なので何かを考え込んでしまう時や
憂鬱なことが迫っている時に「凍りのくじら」の世界に逃げ込んでしまうのを僕はおすすめします

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