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2021年11月の読書レビュー(宗教・金融庁・自衛隊・政治)

今月読んだ本のレビュー記事です。

5段階評価で★をつけていきます。


「カルト宗教信じてました。」

★★★

エホバの証人の信者の人生録。
閉鎖された世界で、価値観を洗脳する。貧困ビジネスに似ている。学識が無く、貧乏であるほど神に縋るようになる。

漫画形式で分かりやすかった。全てを宗教に依存してしまうのは、最大の思考放棄だと思う。


「金融庁戦記 企業監査官・佐々木清隆の事件簿」

★★★★

バブルは証券会社の回転売買によって人為的に膨らませた相場だった。法人への大口売買は、証券会社が損失補填もしていた。大蔵省が規制強化したことでバブルは終わった。

官僚と銀行も接待で癒着。銀行の奢りでノーパンしゃぶしゃぶに通っていた。明るみに出て、大蔵省の権威失墜。

監督やマネロンの改正には、必ず何かしらの事件がある。例えば疑わしい取引の届け出の義務化は、アメリカの同時多発テロがきっかけ。

東芝の粉飾事件における本質は、経営陣の「なんでも他人事とする評論家体質」と「御身大事の無責任体質」。

日本の政策はアメリカを真似しているものばかりであり、政治家や官僚のオリジナルな政策立案力は低い。

金融庁の異端児の回顧録。

クレディ・スイスと野村證券OBは本を読む限りクソとしか言えない。こういう人たちはカネに狂っている。

著者は多方面に取材を行っており、値段分の価値がある一冊。大蔵省から金融庁への時代の流れと、その背景がよく分かった。銀行員としての知的好奇心が満たされたので、★4つ。


「知らないではすまされない自衛隊の本当の実力」

★★★★

自衛隊の軍事力は世界第7位。
アメリカ→ロシア→中国→インド→フランス→イギリス→日本→トルコ→ドイツ→イタリア。(但し、日本よりも上位の国は核兵器保有)

人数は22万5千人ほど。

自衛隊に対しては、国民に選ばれた政治家(内閣総理大臣)がトップに立つ。その制度を文民統制(シビリアンコントロール)と呼ぶ。戦前のような軍部が独走するのを防ぐための制度。
専守防衛は憲法の理念。

憲法9条
 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない国の交戦権は、これを認めない。
自衛隊発足は朝鮮戦争がきっかけ。在日米軍のほぼ全てを韓国に投入したため、日本を守る戦力が枯渇。マッカーサーが日本政府に警察予備隊の創設を要請。野党の反対が目に見えていたため国会の承認を経ずに、政令で設置した。

アメリカの方針転換で軍の組織を作ることになり、憲法9条と齟齬が生まれた。背後にあるのはソ連への警戒心。憲法9条との整合性を保つために軍隊ではない名称を用いた。
北朝鮮がいきなり日本に攻撃するのは考えづらい。狙うとすれば、まずは日本海にいるアメリカ軍の空母であり、韓国にあるアメリカ軍基地であり、次は韓国軍となる。その次に来るのが日本にあるアメリカ軍基地である。

北朝鮮がミサイルを発射した場合、日本への到達時間は長くて10分。発射から1分程度で弾道ミサイルの情報が日本に入る。3分経過時点でJアラートで国民に伝わる。6分経過時点でイージス艦による迎撃が行われる。迎撃が失敗した場合は残り3分。最後の砦は航空自衛隊のPAC-3(着弾まで残り1分)。

池上彰の教養本であり、自衛隊の成り立ちや憲法の理解が深まった。世界7位の軍事力なのは驚愕。また、北朝鮮の威嚇はブラフであることも理解できた。

その上で憲法の改正は必要だと思う。そもそもアメリカ都合で軍事力を持たざるを得なかったのだから。


「いまさら聞けない!政治のキホンが2時間で全部頭に入る」

★★★

憲法は「国家権力を制限し、国民の人権を守る」使命がある。三大原則は国民主権、基本的人権の尊重、平和主義。
参議院に比べ、任期が短く解散がある衆議院は、より民意を反映していると考えられるため、様々な面で参議院に対する優越が認められている。
衆議院は465人、任期4年。
参議院は242人、任期6年。

選挙制度は「選挙区」「比例代表」の2つ。選挙区は代表とする人、比例代表は政党ごとの議席数を決める。衆議院議員の6割を小選挙区制、4割を比例代表制で選ぶ。
※小選挙区:1つの選挙区から1人しか当選できない。

世代間の投票率に大きな差があり、20代の33%に対し、60代は72%。全体では53%。

選挙は民主主義を象徴する行為。
投票しない人に政治を批判する資格はない。
刑事裁判:有罪か無罪か。有罪なら量刑も決める。訴えるのは検察官。
民事裁判:個人や組織などの間でのトラブルを解決する。和解が成立し、判決が出ないことも。

選挙制度や裁判についての見識が深まった。分かったつもりになっていた制度も、ちらほらある。

政治への無理解・無関心が政治、ひいては生活を悪くしていく。本文にある通り、投票しないなら政治に口出しする資格はない。

特に目新しさは無いため、★は3つ。


【あとがき】

久しぶりに読書を再開しました。
ブラックフライデーセールでKindle Unlimitedが3ヶ月99円になっていたからです。安っ!!

雨季と乾季のように、私の中では「インプット期」「アウトプット期」「なんもやる気でない期」が周期的に訪れますが、インプット期に入ったようです。

とりとめもなく、色んな本を読んでいきたいです。

では、また。

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