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読書感想「いいかげんなイタリア生活」ワダシノブ

価値観を変えるには、環境を変えるのが一番手っ取り早いと自分の経験上思う。

多様性。
学校の教室での勉強は知識として身につくが(それも大事だが)、体感するには至らない。

日本を出て、カルチャーショックというか、価値観ショックを受けることをおすすめします。語学留学なんかよりずっと有益だと思う。

世の中は広い。

アメリカに数年住んだこともあって、さまざまな国の人と知り合った。

国、文化、常識、価値観、言葉、時間の観念など何もかもが違う人達と一緒にいると、日本で培ってきた自分というものを一度壊さなければならなかった。

頭ではわかっていても、現実にそういう場面に出くわすとやはり動揺する。

ええーっ!?
うそやろー!?
ありえへん
なんでやねん?

何度こう思ったことか。
でも、アメリカでは普通のことだった。

「~であるべき」「~するべき」「ねばならない」にまみれて育った私には、ものすごいカルチャーショックだった。と同時に「なんでもありでええんや!」と気がラクになったことを覚えている。

さまざまなバックグラウンドを持つ人達との共通項はほとんどない。話さないとわからないし、主張しないと伝わらない。

私はこれがしたいからする。私はこれが好きだから食べる。主語は「私」。

自分の欲求を我慢しない(程度はあるが)。なので他人の欲求も尊重される。みんな幸せそうだ。

日本人は自分の欲求は我慢して周りの空気を読む。そして他人にもそれを強いる。他人が自分の意に沿わないと同調圧力発動する。自由にしてる人への半ば八つ当たり感すらある。

著者が書かれているように、日本人はまじめすぎだし頑張りすぎ。もっと自分にも他人にも「いいかげん」が浸透すればよいのになと思う。

私がアメリカ生活から戻って住んだのは古い地方都市。「ザ・日本人」的な慣習や、察する文化満載の環境におかれて、せっかく得た価値観のよい変化が引き戻されそうになるのがつらいところです。そんなことを思いました。

素敵な色使いでちょっと懐かしい感じのイラストがとても好きです。


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