遊郭で高人さんを見つけました。6
「……」
窓辺で父からの書簡を読む。後ろには、父の側近である卯坂が立っていた。
花房屋と契約を結んでから、その事が父の耳に入ったようだった。
「若様、どうなさるおつもりで?」
「父がやれと言うのであれば、やりますよ。」
卯坂に向き直りニコリと笑う。
「陰間にうつつを抜かしている場合では無いのでは?」
東屋の裏の顔は情報屋だ。だから驚きはしない。「彼を理由に仕事を蔑ろになどしません。」
「蔑ろ所の話じゃあらへんわ。旦那様の商会を泥舟にする気か言うとんのや。」
眉間に皺を寄せた