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新刊を吸う

先日もまた新たに本を買いました。

古本を見る時もありますが、それよりは新刊を扱っている本屋で発売したばかりの本を買ったり掘り出し物を探したりしています。

新刊を優先して買う理由。それは、きれいな本がいいとか作者にお金を落としたいなんてよくあるモノ以外にもあります。

その理由を人に話すのは恥ずかしいですし、あまり人に話したいおとも思いませんが、新刊を読んでいるときに嗅ぐ匂いがとても好きなのです。

ペットが好きでたまらない人が吸うように、私も新刊をよく吸っています。

発売前から楽しみにしていた、あるいは偶然出会った新刊を購入し、家に持ち帰り、読み進めているうちにふと香ってくる何とも言えない匂い。あれはインクの匂いなのでしょうか、それともおろしたての紙の匂いか。

中古の本や電子書籍では味わえない、あのかけがえのない不思議な匂いが好きで新刊を買っています。

そんな私の部屋は買っておいた新刊ばかりが積まれて置かれているのですが、決して新刊の匂いが充満しているというわけではありません。どうやら新刊の匂いというのは本を開いたとき、その文章に出会ったときに香るようなのです。

きっと今も積まれている本たちは、たくさんの物語とともにあの匂いを閉じこめたままなのでしょう。ほとんど同じのようで、どこか違っているような、一度読んでしまえば失われるような儚い匂い。

そんな新刊の匂いを求めつつ、あくまでメインは文章なのでゆっくりと読み進めていきたいと思います。その匂いは文章とともに香ってくるから魅力的なのであって、それ単体で味わっても物足りないものですから。


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