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成人式で振袖襷掛けして30分でエンディングムービー作ってお披露目した昔話

本題に入る前に

わたしが住む愛知県犬山市には成人式というものが存在しません
犬山の成人式は、毎年その年に20歳になるメンバーの有志で実行委員会を立ち上げ、日にち場所から企画運営までほとんど全てを実行委員会で決めて実行しています。そのため、犬山市主催ではないので成人式とは呼ばず「二十歳の集い」と呼んでいます(以下「集い」)
わたしは2014年の集いに実行委員として企画運営に携わり、自分たちの集いが終わった後は、「犬山二十歳の集い応援団」という集い実行委員会経験者から構成される団体の中で、先輩や後輩とともに毎年の実行委員会のメンバーに集いの企画運営のアドバイス・当日の集いのサポートにて参画しています。
このような集いの形と集いを支える応援団の一連の取り組みが評価されて、2016年には「未来を創る若者・オブ・ザ・イヤー」表彰制度で栄えある全国初となる内閣総理大臣賞を受賞したこともあります。

応援団としてサポートし始めて今年で6年目。今回はコロナウイルスの影響でいかに感染リスクを減らしながら企画運営できるか、実行委員会のみんなはもちろん応援団としても史上最大のイレギュラー状況ではありますが、例年成人式まで後1ヶ月のこの時期は

「進捗やばいなー、間に合うか大丈夫かなー」
「とはいっても、見守るしかないよねぇ」

そんな言葉や想いや心配が応援団の中で交わされるようになると、いよいよ時がきたなーーーと思う一方で、自分の成人式のことをいつも以上に思い出す季節でもあります。

集いを作ること自体がもはやドラマ

自分の集いもそうでしたが、年代が違えば構成されるメンバーや人数も違うので毎年同じ集いが生まれることは絶対にありません。
実行委員のメンバー誰しもが「みんなが楽しめる集いにしたい」「思い出に残る集いにしたい」「大人になる節目の集い、意義あるものにしたい」といろんな想いを抱えて会議に参加したり、企画を考えたりムービーやしおりなどの制作物を作ったり。
1つ1つのコンテンツや制作物を作り上げるのに、もう様々な過程があって葛藤があってハプニングがあって、それがパズルのように合わさって初めて1つの集いが出来上がる。毎年1本集いのドラマがかけるんじゃないかってよく思ってます。
(取材など興味ある方ぜひご連絡ください。笑)

現役時代でも応援団でもいろんなことありすぎてやりすぎた故に、様々な視点から集いを語ることができるんですが、創作の思い出にフォーカスした昔話を今回は取り上げます。


後にも先にもない集いの創作の思い出

6年前にわたしが集いの実行委員会をやっていたときの忘れられない思い出。

結婚式にあるようなエンディングムービーを作って集いの最後に流そう!

これはわたしのアイディアではなく、実行委員の誰かが出したアイディアでした。動画ではなく当日の写真をWindowsのムービーメーカーに組み込んで約3分強のムービーにしたのですが、これが後にも先にもない集いでの企画となりました。

<企画から準備の思い出>
会場で流すスライドや小中学校の思い出スライドなどの制作を主にやっていたわたしは、このアイディアが実行委員会の中でた時、当日の当日までそんなクリエィティブなことをするんか、やれるんか?って思った記憶があります。
そもそも、当時わたしは(はっきりと記憶のある範囲で)結婚式に出たことがなくエンディングムービーのイメージがピンと来なくて、まずは周りの話やYouTubeで「結婚式 エンディングムービー」を検索してイメージを掴むところからでした。

「ほほお、こんなのを当日作るんか。準備さえしておけばやれんことはなさそうか。PC会場に持ち込んで……いやいや素材を撮る余裕なんて絶対ないぞ?だけど作れたらめっちゃおもしろいし楽しいよな、うん、やろう。やりましょう。」

そんなわけでこの企画はわたしが担当になりました。
素材は先輩にお願いしていろんな集いの一瞬一瞬をカメラで撮ってもらうことにして、曲を決め適当に仮の写真を入れておいて当日の写真を差し替えるだけの状態のデータをムービーメーカーで準備をして当日を迎えました。
当日にならないとどんなムービーに仕上がるかわからない、なんなら仕上がるかどうかもわからないスリル満点のムービー作りはきっとこの先もないでしょう。

<振袖を襷掛けして作成した当日の思い出>
集い当日。当日他にもいろいろやることありましたが、一大仕事であるムービーの作成の前になぜかビンゴ企画の説明を舞台上でやるというミッションがあり、会場の熱気で酸欠になりながらも終えてすぐに会場の裏に回って、ムービー作成開始……の前に振袖の着付け直しで待機している先生の元へ行き

「すみません!振袖襷掛けしてください!」

事前にこのアクションがあることを親に話したら、「袖が絶対床について汚れるから、紐はあるから襷掛けしてもらったら?」と言われました。わたしの振袖はベージュがかった白色。汚れが目立つし落ちなかったら最悪。作業中も袖が邪魔だろうしなと思い、素直に紐を受け取りました。

着付けの先生はもちろん唖然。そりゃ振袖を襷掛けするなんて普通のことではない。事情を説明して家から持参した紐で襷掛けしてくれました。そんなわけで、振袖に襷掛けをするという実にあの場にはふさわしくない且つ誰もが驚く格好でPCの前に座って作った伝説も一緒に残しましたw


ムービー作成の制限時間は30分。表ではビンゴとフリータイムで30分の時が流れ、その後に照明を落としてお披露目というスケジュール。
先輩から写真が入ったSDカードを受け取り、撮っていただいた100枚以上の写真をざっと確認。時間軸は意識したかったので、チグハグにならないように写真を挿入し曲とのタイミングも見ながら微調整して、全体確認してあっという間の30分。

とにかく時間がない、誰も話しかけんといて!集中させてくれ!

とにかく間に合わせるのに必死でした。

USBに出来上がったデータを入れて、襷掛けをしていることも忘れてすぐさまPCのある会場へ。(移動の途中でなんかおかしいぞ?と感じてから襷掛けをしていることを思い出して紐をほどいたくらいにはそれどころではなかった。ああ恥ずかしい。)
人をかき分けかき分けたどりついたPCの前。USBをさし、動作確認をざっと行い、ギリギリなんとか間に合った……

準備ができ、明るかった会場の照明をアナウンスもなく落とし、暗くなったところに出来立てほやほやのムービーが流れる。

選んだ曲はゆずの「また会える日まで
3分17秒のエンディングムービーは、集いが始まった直後からビンゴ企画の手前までをダイジェストにした感じになりました。大きなスクリーンに流せた時の感動は準備段階も含めやってよかった……の一言に尽きました。
そして、周りを見渡してみるとスクリーンを見上げる会場のみんなの表情。「わあーーー!」って沸き起こるあの反応は今でも忘れられません。ムービーに映るみんなも、スクリーンを見てくれるみんなも、とっても輝いていて、あぁやって良かったなぁと心の底から思いました。

エピローグ

集いが終わって見返した時、「いやいやもっといい写真あったはずやろ!ごめんなさいこんなブレてる写真使ってしまって!」って思う写真が数枚あったのですが、きっとそれがそのときの精一杯だったんだろうなと見返すたびに思うことにしています。

この時は写真を組み合わせてスライドやムービーを作ることを覚えましたが、それがきっかけで応援団の取り組みとして先輩がやっていた動画の編集も一緒にやるようになりました。

YouTubeに上がっている動画はわたしが編集し、2019年と2020年は撮影も音源も全て一任させてもらって作ってます。2021年もやります。
今年は昨年と開催の形式が全く違うので、どうやってまとめようか、音源何にしようか、そしてジンバルを導入する予定なのでどんな動画が撮れてどんなダイジェストになるのか予測不能ながらとっても楽しみな今日この頃です。

動画のスキルをもっともっと上げていきたい。センスがあるとは思っていないけど、自分が満足できるものを創りたい。そして、いろんな人の気持ちや想い、その場の臨場感を自分なりに汲み取って切り取って動画に込めてのせれるような、そんな創作をこれからも目指していきたいなぁと改めて感じています。わたしの創作のドラマはこれからも続いていきます。

#創作にドラマあり

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