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めくるめく感情、求める凪。

昨日の異常湿度とはうってかわり、ちょいジメの朝。
夫の髪がぴょこりと跳ねていたので、ポチャッコみたいでかわいいと褒めた。

「この犬、ポチャッコっていうんだ」

淡々と、数年越しの発見に驚いた様子もない。調べてみてと強要したせいか、ポチャッコについてひと通りリサーチを終えた夫は、即座にYouTubeの画面に切り替えていた。

私も例えられたい。
夫の目には、私がどう映っているのか。

サンリオキャラクターに詳しくないというので、世代ど真ん中であるポケモンに例えてとお願いした。

「ドードリオ。喜怒哀楽が激しいから」

だそう。まじか。

恥をしのんで告白すると、てっきり、ゴンベとか、プクリンとか、ぽってりとした愛嬌のある子がランクインするだろうと予想していた。勝手に抱いた理想のせいでダメージは大きい。誤解のないようにいうと、ドードリオに罪はない。むしろ好きだ。なぜ好きかは宗教上の理由で、としか弁明できないのだけれど。

ともあれ、一応は新婚の身。どうにかして「カワイイ」部類のポケモンに例えられたい願望は少なからずある。

意を決して、「世の中の人、たいていドードリオじゃない?」と誘導してみた。すると夫、「みんな元気だね」と穏やかに笑った。

みんな心にドードリオを飼っている。
けれど夫の様子を見ていると、世の中の全員が喜怒哀楽に振り回されているわけではないようだ。進化前の、あの無垢でぽけっとした、愛らしい表情で日々を過ごすことがデフォルトなのかもしれない。

カッカせず、ドードーと。生きられたら心地よい。

その余裕の根源を知るために、私は今日も泣いて笑って、ポチャッコみたいな夫と楽しく過ごそうと思う。

読んでいただき、いつもありがとうございます。とても嬉しいです!