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Good to Great ― KC B team

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小宮コンサルタンツのコンサルタントによる経営のお役に立つコラムです
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#人材育成

リバースメンタリングという取り組み(3)

8月20日の日経新聞で、「支店長・部長、若手が逆指導 東京海上日動、職場づくり参画」というタイトルの記事が掲載されました。 経験年数の長い人が新人などのメンターになる一般的なメンター制度の逆で、若い世代が年配者のメンターとなる「リバースメンタリング(RM)」については、以前の投稿でも取り上げたことがありますが、その後も導入の動きが広がっている印象です。 同記事の一部を抜粋してみます。 「35歳以下の社員から先生役を募る」という手あげ制になっていて若手社員の主体性に基づい

師資相承を考える(3)

月間致知8月号で、北海道日本ハムファイターズチーフ・ベースボール・オフィサー栗山英樹氏と、臨済宗円覚寺派管長横田南嶺氏の対談記事「さらに参ぜよ30年」を、読書仲間と読み合わせる機会がありました。 侍ジャパンを世界一に導いた当時に、栗山氏がご自身や選手とどのように向き合っていたのかを振り返りながらのお話は、たいへん示唆的で印象に残ります。 先日の投稿では「師資相承」について考えましたが、同テーマに通じる内容でもあります。 読み合わせではいろいろな意見交換がなされたのですが

師資相承を考える(2)

前回は、月間致知7月号から「師資相承」をテーマに考えました。師を持ち師から学ぶことの意義について取り上げた内容でした。 同じ7月号に、料理人の世界で、師弟関係を結び師資相承を実践してきた、葆里湛シェフ 後藤光雄氏とアル・ケッチァーノオーナーシェフ 奥田政行氏の対談記事「己のコスモを抱いて生きる」が掲載されています。 同記事の一部を抜粋してみます。 同記事には、上記に類するようなエピソードがたくさん出てきます。師匠と弟子の間の、鬼気迫る「師資相承」の実践が感じられます。

師資相承を考える

月間致知7月号に「師資相承」(ししそうしょう、または、ししそうじょう)というタイトルの記事が掲載されました。広辞苑によると、師資相承とは師から弟子へと道を次代に伝えていくことで、分野を問わないそうです。 同記事の一部を抜粋してみます。 人間を形成する要素として師匠運がもっとも大事であるということ。そして、尊敬する人がいなくなった時その人の進歩は止まり、尊敬する対象が年とともにはっきりするようであるべき。個人的には、とても印象に残った言葉です。 そのうえで、それは「運」と

標準化され過ぎると、工夫の余地がなくなり、学ばなくなるのでは

仕事柄、お客さまである企業様には、「業務の標準化をすべき、マニュアル化をすべき」、とお話しをすることがあります。それは業務の効率化だったり、品質の安定としては必要なことではあります。 でも、時々思うのです。過去何十年にわたり、世界は標準化を進めた結果、組織の中枢部とはともかくとして、現場の組織や末端の個々人が工夫する余地が限られつつあるのではないかと。 上記だと抽象的な話しなので、具体的に考えてみます。 例えば、マクドナルドです。レシピは完璧に標準化されています。店舗

管理職の準備を促す組織的な取り組み

7月8日の日経新聞で、「女性管理職、「幸せ」の理由は 積水ハウス、やる気引き出す2年研修」というタイトルの記事が掲載されました。女性人材の管理職就任を促す取り組みを取り上げた内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 上記から想像したのは、管理職の担うマネジメント業務について、偏ったイメージが先行しているのではないかということです。 私が仕事で関わる非管理職の人の間でも、管理職について魅力を感じないという話は多く聞きます。業務や責任が増えることに加え、「ハラスメントや労

リバースメンタリングという取り組み(2)

7月6日の日経新聞で、「役員の悩み、新人が解決 先生役で年配者研修 NEC、若い世代の働きがい向上」というタイトルの記事が掲載されました。経験年数の長い人が新人などのメンターになる一般的なメンター制度の逆で、若い世代が年配者のメンターとなる「リバースメンタリング(RM)」について取り上げた内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 RMについては、以前の投稿でも取り上げたことがあります。若手人材と先輩社員との関係性の一部を、RMという仕組みでつくることについて、以下の効果

自分が耐えられる拷問を見つける

先日、知人から強く推奨されたスピーチをYouTubeで視聴しました。米デューク大学の卒業式での、コメディアン ジェリー・サインフェルド氏によるスピーチです。 ジェリー・サインフェルド氏及び同スピーチについて、YouTubeサイト(「[英語スピーチ]デューク大学 2024 卒業祝辞, 米コメディアン笑える卒業祝辞|Jerry Seinfield|日本語字幕 | 英語字幕 |」)にて次のように紹介されています。 全体的に、ユーモアあふれるたいへん印象的なスピーチでした。その中

お年玉に金利をのせてみる

「いろいろな人からもらったお年玉の半分は好きなことに使ってよい。残り半分は預かっておく。預かったお金は大きくなって必要な時に使えるよう、大切にとっておいてあげる」 子どもに対して、こんな感じの対応をしている親も多いのではないかと思います。うちも、この考え方に近い対応をしています。 個人的には、適切な対応だとは感じながらも、なんとなく違和感も覚えていました。しかし、その違和感を自分の中で明確に言語化するには至っていませんでした。 先日、ある子ども向けお金の教育体験セミナー

スパルタ的な研修について考える

先日、企業関係者の方々と話しているときに、新入社員研修について話題になりました。「~~特訓」などのようなイメージで、スパルタ的に度胸試しや根性試しのような過酷なことを行うプログラムの研修に、教育上の意味はあるのだろうか、という視点での意見交換でした。 そうした研修に教育上の意味があるかどうかは、状況や設定にもよりますので一概には言えません。そのうえで、少なくとも次の3つを満たしている必要があるのではないかと考えます。 ・研修担当者が確信をもって説明できるほど、目的が明確に

ケアレスミスというなかれ。

「ケアレスミスって、違ういい方はできないんですか?」息子の塾の先生と面談していて、思わずそう問いかけてしまいました。 我ながら、自分らしい問いかけだと思いました。コンサルタントの自分として、です。なので、ちょっと場違いだよなあ…とも思いました。ややこしいお父さんだと思われたかもしれません(笑)。 妻と二人で面談していたのですが、妻が「うちの子、ケアレスミスがなくならないんですけど、どうしたら良いですか」と聞いたのが発端でした。これも、いかにも彼女がしそうな質問です。日ごろ

リスキリングの意義の説明

4月17日の日経新聞で、「リスキリングの現状と課題(上) 企業の説明・成果の還元 必須」というタイトルの記事が掲載されました。 しばらく前からリスキリング(学び直し)という言葉をよく聞くようになりました。技術革新をはじめ企業を取り巻く環境は変わり続けます。その中で、世界中で従来のスキルや仕事の進め方が陳腐化して、人と職務のミスマッチが広がっている背景を受けて、提唱されている概念です。同記事は、リスキリングについて考察されている内容です。 海外では国の成長戦略の一環として国

朝の15分が育てた自己効力感:習慣の力と小さな一歩

毎朝のルーチンがあります。 日記を書く、数ページずつ3冊の本を読むといったものです。起きて15分くらいの時間です。 上司が実践している内容を取り入れました。 日記は、3年連用日記を使っています。まもなく3年分が終わりそうです。つまり3年つづけています。 3日坊主を3日坊主にしないことが継続の秘訣 日記は、3日坊主の代表格(?)だと思います。過去も何度かトライしましたが、つづきませんでした。でも、今回は3年つづいています。習慣になりました。振り返ると「あ、忘れてた」なんて

社員の6割超が管理職になることに前向き

今週、日経新聞で「ワクワク働いていますか」というタイトルの連載がありました。働きがいを追求する個人と企業の取り組みを取り上げたものです。前回の投稿に引き続き、今回も同記事に関連して考えてみます。 同連載から一部抜粋してみます。以下は、2月5日の「ワクワク働いていますか1 事業撤退、それでも表彰」からです。 以下は、2月7日の「「私も管理職になりたい」 カルビー社員、6割が前向き ワクワク働いていますか(3)」からです。 これらの取り組み事例から、改めて3つのことを考えま