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Good to Great ― KC B team

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小宮コンサルタンツのコンサルタントによる経営のお役に立つコラムです
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#人材育成

リスキリングの意義の説明

4月17日の日経新聞で、「リスキリングの現状と課題(上) 企業の説明・成果の還元 必須」というタイトルの記事が掲載されました。 しばらく前からリスキリング(学び直し)という言葉をよく聞くようになりました。技術革新をはじめ企業を取り巻く環境は変わり続けます。その中で、世界中で従来のスキルや仕事の進め方が陳腐化して、人と職務のミスマッチが広がっている背景を受けて、提唱されている概念です。同記事は、リスキリングについて考察されている内容です。 海外では国の成長戦略の一環として国

朝の15分が育てた自己効力感:習慣の力と小さな一歩

毎朝のルーチンがあります。 日記を書く、数ページずつ3冊の本を読むといったものです。起きて15分くらいの時間です。 上司が実践している内容を取り入れました。 日記は、3年連用日記を使っています。まもなく3年分が終わりそうです。つまり3年つづけています。 3日坊主を3日坊主にしないことが継続の秘訣 日記は、3日坊主の代表格(?)だと思います。過去も何度かトライしましたが、つづきませんでした。でも、今回は3年つづいています。習慣になりました。振り返ると「あ、忘れてた」なんて

社員の6割超が管理職になることに前向き

今週、日経新聞で「ワクワク働いていますか」というタイトルの連載がありました。働きがいを追求する個人と企業の取り組みを取り上げたものです。前回の投稿に引き続き、今回も同記事に関連して考えてみます。 同連載から一部抜粋してみます。以下は、2月5日の「ワクワク働いていますか1 事業撤退、それでも表彰」からです。 以下は、2月7日の「「私も管理職になりたい」 カルビー社員、6割が前向き ワクワク働いていますか(3)」からです。 これらの取り組み事例から、改めて3つのことを考えま

読書会を考える

年末年始取り組んだことのひとつに、読書会への参加がありました。知人の方が主催する年末年始の集中読書会で、午前中2時間、課題図書「武器になる哲学」(山口周氏著)を読み合わせ・意見交換するという企画でした。 私は、全日程への参加は無理でしたが、大みそかと元日を含む3日間、同企画に参加しました。 今回の課題図書の範囲から、個人的に最も印象に残った内容は、「43シニフィアンとシニフィエ」でした。言葉の豊かさは思考の豊かさに直結するという、フェルディナンド・ソシュール(スイスの言語

素直に学ぶ

先日、仲間内で、月刊誌「致知」12月号を使った読書会を行う機会がありました。12月号では「チームづくりの要諦は人間学にあり」というタイトルで、慶應義塾高等学校野球部監督・森林貴彦氏と金蘭会中学校バレーボール部監督・佐藤芳子氏の対談記事があり、同記事の内容に関して話題になりました。 その読書会で話題になったことの中で、特に印象に残ったことが2つあります。ひとつは、読書から何かを得るには「素直さ」が必要ではないかということです。 どちらの部活も、木鶏会という活動を毎月行ってい

マネジメント人材に関する意見交換

先日、経営者の集まる勉強会で、マネジメント人材の育成について話題になりました。どの会社もマネジメント人材が不足しているという話でした。管理職になりたがる人、管理職を任せられる人も少ないという現状について意見交換が行われました。同様の悩みを抱える職場も多いと思います。 マネジメント人材の不足をいかにして解消するか。このテーマに対する特効薬はなく、勉強会でも特定の結論を出したわけでもないのですが、そのうえで、意見交換の中から印象に残った点を3つ挙げてみます。 ・候補人材を探す

自律型人材を考える(3)

前回まで、自律型人材をテーマにしました。「自律」を目指すにはまず「自立」に至る必要があり、当該領域で「自立」に至るにはその領域の知識や技能のインプット=型を学習することが必要であるということを考えました。 前々回の投稿では、「自立」は以下のうち1.の段階、「自律」は1.から4.にまで至っている状態だと考えました。 1.やるべきことを理解し、上司や他者からの指示がなくても自ら行動できる 2.やるべきことの目的や意味を自ら考え、やるべきことに対して改善ができたり、必要に応じて

自律型人材を考える(2)

前回は、自律型人材についてテーマにしました。自律型人材とは、やるべきことに対して他者からの指示なしで自ら行動できるだけではなく、やるべきこと・やりたいことが何かを自ら考え、行動できることなども持ち合わせている人材だとしました。 そして、従業員自身の側、企業の側双方を取り巻く状況から、一人ひとりが自律型人材であることがますます必要となっているということについても考えました。 それでは、どのような考え方やアプローチが、自律型人材の育成につながるのでしょうか。大前提として、「自

教育にコスパを求めない

「教育にコスパは求めないように」 経営者同士が集まる勉強会にて、お聞きした言葉です。ある経営者様が信条とし、役員に話している言葉だそうです。 この言葉の背景に、次のような考え方があるそうです。 ・人を育てるのには時間がかかる。 ・子どもの教育に見返りなどは求めない。社員に対しても同じでいいのではないか。 同勉強会では、書籍「修身教授録」(森信三氏著)に書かれている内容が取り上げられました。森信三氏が、将来教職を目指す生徒に対して話したことです。一部抜粋してみます。

自律型人材を考える

先日、ある企業様で「自律型人材」について話題になりました。「自律型人材」と聞くと、少なくとも「他律型人材」よりは望ましいイメージがわきます。それでは、この「自律型人材」とはどういう意味合いで、人材を自律型にするにはどんなことに取り組むとよいのでしょうか。 「デジタル大辞泉(小学館)」を参照すると、「自立」と「自律」について次のように説明されています。このことも踏まえると、「自律型」とは、他者による介入なしに自ら行動できているということに加えて、何をしたいのか・すべきなのかを

相手の可能性に目を向ける

先日、ある女性の方Aさんとお話をする機会があったのですが、とても印象的なお話でした。 Aさんは、受験で超難関と言われる大学を卒業した後、企業の中核人材として活躍されています。別に難関受験校出身者=偉い、というわけでもありませんが、設定した目標に向けての努力なしにはできないことですので、評価されてよいひとつの結果ということができると思います。 Aさんのお兄さんは、学業その他で出来の良い子供だったそうです。そのこともあって、両親の興味関心は、兄のほうに集中していたと言います。

組織・人材のビジョンを考える

9月9日号のThe Economistで、「懸念呼ぶ米CEO在任長期化」というタイトルの記事が掲載されました。企業の最高経営責任者(CEO)には様々な困難な問題があるが、「後継者問題以上の難題はそう多くない」とし、多くの企業が後継者問題を先送りする結果CEOの在任期間が長期化する傾向にあるとしています。 同記事の一部を抜粋してみます。 同記事が指摘するように、経営者や役員が一定の年齢や一定の在任期間になったからといって、それ自体がただちに悪いわけでありません。ウォーレン・

リバースメンタリングという取り組み

9月15日の日経新聞で、「資生堂、若手が幹部を指南 AIやトレンド伝授、延べ1000人が参加」というタイトルの記事が掲載されました。若い世代が年配者のメンターとなり、立場を超えて縦割り打破する取り組みということです。 同記事の一部を抜粋してみます。 ベテラン社員や先輩社員がメンター(指導や助言をする人)となって、若手社員特に新入社員の仕事やキャリアの相談に乗るメンター制度は普及しています。しかし、若手社員のほうがメンターになるメンター制度は聞き慣れません。同記事によると、

雲は一時の事象

先日、私が参加している「知心会」の8月の定例講に出席しました。「知心会」では、ありのままの己の心を観ながら仲間と共に研鑽する機会の一環として定例講があります。 今回の定例講は、「雲」がテーマでした。 雲は陰りであり 時・場を超えて訪れるもの。 人の邪魔をし 商いの妨げになり 生きる妨げにもなる。 只 雲は一時の事象と心得よ。 その雲は間も無く消え去るものなり。 その雲は又 水をもたらし潤いをもたらすと知るべし。 その雲の暗を楽しむべきもの。 「雲」に関する言葉です。