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Good to Great ― KC B team

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小宮コンサルタンツのコンサルタントによる経営のお役に立つコラムです
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2020年5月の記事一覧

「成果」「役割」に基づくマネジメント

前回までの投稿で、オンラインでの社員間コミュニケーションや、社員に対する監視の必要性有無について考えてきました。その中で、「成果」「役割」「目的」「個別」に基づくマネジメントがしっかり実現できていれば、本質的には監視は不要ではないかと言及しました。 今回は、「成果」「役割」について深掘りしてみます。 1. 成果マネジメント 各人が具体的に何をアウトプットするのか(どんな成果物を生み出して貢献するのか)を、客観的な基準で明示し、それに基づくマネジメントを行うことです。例えば

アフターコロナで変わること②お客様とのコミュニケーション手段

今回のコロナウイルスの拡大で世の中が大きく変わると言われています。『アフターコロナで変わること』について、深掘りして考えてみます。 自粛期間のコミュニケーションツールコロナの自粛期間中、自分自身だけでなくお客様の感染リスクを考え、直接の訪問はほとんどしていませんでした。その間、経営コンサルタントとしての仕事をしなかったかというと、そんなことはありません。このような緊急時だからこそお客様の現状を精緻に分析し、資金繰りなど緊急対応が必要なこと、教育など今だからこそやっておくべき

自分たった一人じゃ、自分がいるって分からない

君の膵臓をたべたい。タイトルのインパクトもあって、映画から入り、涙腺崩壊。その後、原作本を読み、さらにはアニメ版の映画も見て、果てはコミック版まで読んでしまいました。 こんな一節があります。 自分たった一人じゃ、自分がいるって分からない。誰かを好きなのに誰かを嫌いな私、誰かと一緒にいて楽しいのに誰かと一緒にいて鬱陶しいと思う私、そういう人と私の関係が、他の人じゃない、私が生きてるってことだと思う。私の心があるのは、皆がいるから、私の体があるのは、皆が触ってくれるから。そう

オンラインでの社員間コミュニケーション:「役割・予定の把握」「計画する」

前回までの投稿で、オンラインでの社員間コミュニケーションにおいての、頻度を高める重要性について取り上げました。 ・「テレワーク(オンライン)ならではの制約に対し、どんな工夫で対応するのか」という問いに対し、3つの観点から考えてみる ・3つのうちのひとつが、「1.頻度を高める」 でした。今日も、その続きを考えてみます。 2.役割・予定を明確に把握する ふたつめの観点は、各人に期待される役割・業務の予定を明確に把握することです。これは、対面のオフィス環境でもなされているべきこと

オンラインでの社員間コミュニケーション:頻度の視点(2)

前回は、対人コミュニケーションの本質(相互理解には、コミュニケーション総量もさることながら、頻度の高さも決め手の要素となる)の観点から考えました。今回は、今という環境下だからこそ以前より頻度が大切になっているという、環境変化の観点から考えてみます。 ・経営(事業)を取り巻く環境 新型コロナウイルスの発生に関係なく、近年「VUCA」<Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)>の時代と言われはじめて

オンラインでの社員間コミュニケーション:頻度の視点

改めて言うまでもなく、従来オフィスにて対面で行われていたコミュニケーションの一部が、オンラインの形態に切り替わっています。改めて、このことにどう向き合っていくべきなのか、取り上げてみたいと思います。 まず改めて認識すべきは、「コロナ禍によるコミュニケーション形態の変化は一時的なものではない」ということでしょう。 確かにコロナ禍での様々なことは、緊急事態であり、危機対応です。しかし、今各所で見られる様々な事象や変化の多くは、いずれやってくるべき未来が早く来たものであり、元に

社内の信用取引

先日、ある企業の幹部社員の方からお話を聴く機会がありました。「自社では、社員に対して約束したことを実行できていなかった。そのツケが回ってきて社内が荒れているのを反省している。」ということでした。 書籍「任せるリーダーが実践している1on1の技術」(小倉広氏著)を参考にすると、「信用」と「信頼」は下記のように捉えることができます。 「信用」とは条件付きで相手を信じること。 「信頼」とは無条件で相手を信じること。 「信用金庫」や「信用取引」という言葉は存在するが、「信頼金庫」

人を育てるよりも、お客様に喜ばれる商品・サービスを育てよう

企業の人材育成において、人は育てるものか、育つものかといった話題になることがあります。わたしは「育つ」の方だと考えています。正確には、「育つようにする」です。松下幸之助さんは、世の中は、常に未来に向けて生成発展しており、その中でわたし達が事業活動をしている認識を持つべきだとおっしゃっています。つまり「お客様や社会の未来に貢献する事業と共に人が育つ」ということなのではないかと思います。 少しテクニカルな話をしながら深掘りしてみます。『経験学習モデル』という考え方をご存知でしょ

『アフターコロナで変わること』①住む場所の判断基準と都心の不動産価格

今回のコロナウイルスの拡大で世の中が大きく変わると言われています。『アフターコロナで変わること』について、深掘りして考えてみます。 住む場所は何を基準にして考えるか?皆さんは何を基準にして住む場所を考えますか? 一般的に住宅を購入する場合、まず大まかな予算を決め、エリアを決め、具体的な物件を探すというプロセスが多いと思います。予算は自身の資産や所得、ライフプランからおおよその範囲は決まってくると思うのですが、エリアや物件(注文住宅であれば建物の仕様も)は予算の範囲内であれば

強みを発見する

先日、ある企業様の経営幹部と話をしている中で、「自社の強みは何なのだろうか」というつぶやきをお聞きしました。社歴の長い経営幹部でも自社の強みを明言できない、、それぐらい、強みを発見・定義するのが簡単ではないのも確かだと思います。 強みが発見しにくい理由として、ここでは大きく2つ取り上げてみたいと思います。個人の視点で考えてみて、その視点を組織に応用してみます。 1.強みは比較優位で決まること 強みは、「絶対優位」ではなく「比較優位」で決まります。 下記の例で考えてみましょ

リアルセミナーの今後

先週は、日本の人事部主催 HRカンファレンス の一部プログラムにウェブで視聴参加しました。毎回、約一週間にわたって行われる数十の講演・分科会がいずれもほぼ満席で埋まる、HR領域では日本で最大級のイベントです。今年はリアル会場ではなくすべてオンラインによるリアルタイム視聴でしたが、今年も各回に数百人規模の聴講者がいたようで、大変密度の濃い内容でした。 同イベントには毎回、都合のつく限り参加しているのですが、今回のオンラインによる形態は対面に比べて非常に効率的でした。今後多くが

危機環境下での経営方針表明

トヨタ自動車が12日、2021年3月期の連結営業利益が前期比8割減の5000億円となる見通しを発表しました。産業界に与える影響の大きい企業のため、この発表が各所で取り上げられ、目にした方も多いと思います。 日経ビジネス電子版5月13日の記事では、『トヨタ8割減益予想 それでも章男社長が伝えたかった「安心感」』というタイトルで、次のように取り上げています。(一部抜粋) ―――――――――――――――――――――――――――― 豊田章男社長は「国内生産300万台の死守」「次世

リモートが進むと自分と異なる意見はノイズになってしまうかも

オンラインでワークショップをする機会が増えています。思ったより、インタラクティブに進めることができると評判になっています。zoomに「ブレークアウトルーム」と呼ばれる機能があり、参加メンバーをその場でグループに分けてディスカッションすることができるのです。参加者として経験してみて「オンラインのワークショップもありだな」と思いました。そこで、自らもホストとしてブレークアウトルームを試したところ、大いに戸惑いました。その理由は、その場が急に静かになったからです。zoomでのブレー

営業力を鍛えたいのなら営業ロープレ

コンサルタントとして、様々な企業に関わっていますが従業員の教育に関する課題を抱えている企業はとても多いです。その中でも本日は営業マンの教育について考えてみたいと思います。 私は新卒で入社した食品メーカーのキユーピーでは営業職でしたし、転職した帝国データバンクでも信用調査の傍ら、営業活動も行っていました。特に帝国データバンク時代には8年連続トップセールスという上司の元、営業の基本をかなり叩きこまれました。また現在のコンサルタントとして関わっている企業も商社や保険代理店など営業