第116話 「怖い隣人」
その日は雨降りだった。
仕事帰りの私は駅前のスーパーで見切り品のお弁当を買い、家路を辿っていた。
人通りの少ない商店街に差し掛かったとき、背後から声がした。
雨音を掻き消すような男の人の怒声。
「どけッ」
頭が言葉を理解するより先に、背を突き飛ばされていた。
傘を飛ばし、よろめき倒れた私の横を水しぶきを上げて、数人の男が駆け抜けて行く。
私を突き飛ばした黒い服の男を先頭に、数人の警官がその後を追った。
すでに日は傾いていたし、雨でなおのこと視界は悪かった。
それでも確かに分かった。
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1,162字
30話の意味怖が収録される予定です。(91話〜120話)
各話は独立した短編のお話です。
お話はインターネットからのコピーではなく、オリジナルの意味怖です。
各話に解説があり、解説分の記事を含めると総数60記事が収録されます。
第4集は、2018年〜2020年初頭に執筆した作品が収録される予定です。
第4集「意味が分かると怖い話」
500円
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