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花き業界における物流の仕組み

こんにちは、melliy storeの武藤です。
今回は花き業界の物流について書いてみます。

  • 街で売っている花はどのように流通されているのか

  • 生産者はどのような出荷方法があるのか

  • 小売事業者はどのような仕入れ方法があるのか

このあたりについて解説しています。ご参考になれば幸いです。

花き業界の物流

はじめに、花き業界の物流について図を用いて解説します。

物流を図解すると下記のようなイメージです。生産者が出荷した花は、様々な事業者を通して消費者のもとへ届きます。

※海外からの輸入ルートは考慮せず、国内産のみ表示

なお、図中の各用語の意味・役割は以下の通りです。

・生産者:花農家。花を育て、収穫する。
・農協 / その他出荷業者:生産者から花を集荷し、流通用に仕分けをする。
・卸売事業者:仲卸業者や小売店に花を卸し販売する。
・仲卸事業者:卸売市場で花を仕入れ、小ロットで小売事業者に販売する。
・売買参加者:規定の条件を満たし、 仲卸業者と同様にセリに参加できる小売事業者。卸売事業者から購入した花を消費者に販売する。
・小売事業者:花屋・スーパーなど。消費者に対して花を販売する。
・消費者:花を購入する。

1.生産者の出荷ルート

収穫した花を消費者に届ける方法は、卸売事業者(市場)を通す「市場内流通」と、それ以外の「市場外流通(産直流通)」に分かれます。

1-1.市場内流通

市場内流通には、主に2通りの流れがあります。①農協などの集出荷団体を経由するパターンと、②生産者が卸売市場に直接運ぶパターンです。

農協などに集出荷を委託する場合、仕分けや運送の手間が省けるため、生産者にとっては負担が削減されます。一方で、卸売市場に直接運ぶことで、手数料の削減や、市場動向に基づいたフィードバックを得られる場合があります。

共通して言えるのは「一度に多く花を出荷できるが、市場内で需要と供給に基づいて価格が決められてしまう」ということです。

1-2.市場外流通

文字通り、市場を介さずに花を出荷する流れです。市場外流通には、①生産者が小売事業者と直接契約するパターンと、②生産者が消費者に対して自ら販売するパターンです。

小売事業者と直接契約する場合、市場で発生する仲介手数料(マージン)を削減できます。小売事業者にとっても、鮮度の良い花を安定的に仕入れられるメリットがあります。

生産者が自ら販売する場合、サービス手数料や出店料を除けば取り分が最も高くなる販売方法です。また、消費者と直接コミュニケーションを取る機会にもなります(同時にクレーム対応などの責任も被るリスクがあります)。

市場外流通において共通するのは「販売価格を自由に設定できるが、手間がかかるため多くの花を扱いにくい」ことです。

生産者の各出荷ルートについてまとめると以下のようになります。

2.小売事業者の仕入れ方法

次に、花屋・スーパーなどの小売事業者がどのように花を仕入れているか解説します。市場内流通においても、売買参加権の有無によって仕入れ方法が異なります。

なお、売買参加権の取得条件は以下のようになっています。

売買参加権を取得するには、仕入れを行う人の仕入れ経験年数が3年以上有り、年間仕入れ見込額が一定額以上あり、100万円以上の預金残高を証明できることが必要です。

Flower Auction Japanより

上記を満たしている場合、売買参加権を申請できます(卸売市場によって異なるケースあり)。

2-1.売買参加権を有している場合

売買参加権を有している人は、卸売事業者が行うセリ※に参加できます。仲卸事業者や、他の売買参加者と競争し、最も高額な値段を提示した人が購入できます。仲卸事業者から少量で購入することもできます。

※セリ:1人の売手(卸売事業者)に対し、2人以上の買手が相互に値段を競い合い,最も高値を付けた買手に売ること

2-2.売買参加権を有していない場合

売買参加権を有していない場合はセリに参加することができません。そのため、市場内の仲卸事業者から花を仕入れます。

卸売市場での仕入れの様子は下記の記事が分かりやすいです。

まとめ

今回は花き業界の物流について解説しました。ご参考になれば幸いです。もし情報が不足していたり、分かりにくい部分がありましたらお気軽にコメントしてください。

次回は物流時に発生する”フラワーロス”について書く予定です。
収穫した花を可能な限りロスなく消費者に届け、花の生産を続けていくにはどうすべきか。花農家・花屋として考えてみたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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