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リニューアルの裏側 vol.1|屋号変更の経緯とネーミング設計

先日、自分が運営している花屋の屋号を変更し、ロゴ制作を行いました。活動を始めて約1年くらいの状況でしたが、早めに手を打った方が良いと思い、このタイミングで実施しました。この記事では、リニューアルに至った背景や、どのような手順で進めて行ったのかご紹介します。

この記事について

記事の構成

本文は無料で読めます。有料部分にはリニューアル計画書と、配布用のテンプレート、ネーミング設計を行ったChatGPTの履歴を掲載しています。

想定読者

  • これからお店・ブランドを始める人

  • 既存の屋号をリニューアルしたい人

  • ネーミング・コンセプト設計に興味のある人

目次


リニューアルに至った背景

始めに、リニューアルに至った経緯をご説明します。

1. 現状の屋号に対する課題

もともと「melliy store」という屋号を名乗っていました。"melliy"は、mellow(豊かな, 芳醇な)とlily(ユリ)を掛け合わせた造語です。そして、活動当初はオンラインストアの運営を行っていたので、storeという単語を加えていました。ただ、この屋号には以下のような課題がありました。

  • 初見だと読みにくい:出店などの際に「屋号は何て読みますか?」と聞かれる機会が何度かありました。造語なので、初めて見る人にとってはどのように発音すれば良いかわかりにくいという課題感がありました。
    ※ちなみに「メリーストア」と読みます。

  • スペルミスが発生しやすい:読み方だけでなく、実際に投稿していただく際に誤ったスペルで記載されてしまうこともありました。

  • 活動内容が小売から広げにくい:昨年からメインの活動がオンラインストアよりも、イベント出店の方が大きくなりました。そのため、storeという単語は実態に沿わないなと感じていました(どちらかというとshopの方がニュアンスが近い)。

2. 今後の活動内容の変更

上記の内容にも関連しますが、今後は小売以外の活動を挑戦していきたいと考えていました。例えば、イベントや店舗での装飾や、花を活用した撮影などです。また、これからも自分の個人プロジェクトであることは変わりないので、お店というより「花屋としての屋号」であることがイメージできるものが良いなと思っていました。

リニューアルにあたり整理した活動方針

事例リサーチ

自分が納得感を得るためにも、その場の思いつきではなく、しっかりとプロセスを経てネーミングを策定したいと考えました。そこで、他のブランドはどのような流れでネーミングを決めているのか調べてみることにしました。もともと屋号だけでなく、ロゴやブランドカラーも設定する予定だったので、全体感のわかる事例を探しました。リサーチを通して、以下の記事が参考になりました。

FiTOのブランドコンセプト、ネーミング、ロゴデザインができるまで

デザイン会社のneccoさんが紹介しているプロジェクト事例です。クライアント企業の事前調査から、コンセプト・キーワードの抽出、ネーミングの選定基準などが体系立てて説明されており、とても勉強になりました。

【ネーミングの選定基準】
コンセプトを反映している
意味をイメージしやすい
短くて覚えやすい
かんたんに読める、呼べる
有名なサービスとかぶらない
ドメインが取得できる
キーワード検索で上位をとれる
商標登録されていない

だれも教えてくれない、商品名やサービス名のネーミング方法

UIデザイナーのtakejuneさんが書かれたブログ記事。主にWebサービスやアプリのネーミングを想定している内容ですが、他のプロダクトにも応用できる内容だと思いました。

上記の記事に添付されている「ネーミング検討シート」
https://takejune.com/posts/naming

その他、いくつかの記事や書籍をもとに、自分が考えるべき項目・ステップを整理してドキュメントにまとめました。

実際に作成したドキュメントの目次
※有料部分にNotionページを貼りました

ネーミング

リサーチが一段落したので、さっそく新たなネーミングを考える作業を始めました。とはいえ一人でモヤモヤと考えていても、なかなか思考が広がらず…。そこで、ChatGPTにネーミングのアイデア出しをしてもらいました。初回のプロンプトは以下のように作成しました。

プロンプトの作成

あなたはプロのコピーライター、ブランディングアドバイザーです。新しくブランドを設立する際のネーミングについて考えていただきます。
まずはキーワードの洗い出しを行いたいと思います。キーワードを出していく上でヒントになることを教えてください。例えば、商品の価値や、目指すべきビジョンなどが挙げられます。

上記のプロンプトで重要だと思うのは以下の2点です。

  1. どのような人物になりきってもらうか明記する:ここではコピーライター、ブランディングアドバイザーと設定

  2. 目的を伝えた上でポイントを教えてもらう:欲しい情報をあらかじめ指定し、情報の精度を上げる

ChatGPTからの回答

上記を踏まえて送信すると、以下のような回答が返ってきました。

ネーミング策定のための追加情報

上記のポイントは全て埋めず、明確に決まっている箇所だけ記載し、あとは「追加で必要な情報があれば質問してください」と添えてみました。

<花屋の特徴>
・花農家から直接仕入れて産地直送で販売する
・諸事情で出荷できず、産地で廃棄していた花も取り扱う
・新鮮な花を届け、花を作る人に還元することを目指している
・現在の花業界で抱えているロスフラワーの問題を解決することを目指す

<連想されるキーワード>
花農家
ロスフラワー(規格外・市場価格が安い)
ユリ
チューリップ
産地直送
芳醇な香り
季節を感じられる
花の循環を作る
(以下略)

上記の情報をもとに、連想される英単語・フレーズをどんどん書き出してもらいました。「連語にせず一単語で表現して欲しい」「Flowerなどの直接的な単語は使用しないで欲しい」など、要望をどんどん追加してラリーを繰り返しながらイメージの精度を上げていきました。

vistaに込められた意味

最終的に"vista"が印象に残ったため、この単語を深掘りしてもらいました。

「Vista」は、提供されたコンセプトや活動内容に非常にマッチしています。以下はその評価です。

新しい花の流れを作る
「Vista」は新しい視点や展望を開くというイメージを持ち、新しい花の流れを作り出す意向にぴったりです。

花農家と消費者の間に立ち、花を介して幸せを届ける
「Vista」は美しい風景や広がりを示す言葉であり、花を通じて幸せや美を届ける役割を表現できます。

生花のみを扱った、季節を感じられる空間
「Vista」は広がりのある美しい風景を連想させ、季節ごとに異なる花々が咲く空間を表現できます。

生花が持つ、新鮮さと香りを楽しめる
「Vista」は新しい花の視界や香りを連想させ、生花の新鮮さや香りを強調できます。

vistaという単語は、時間的・空間的の両側面から意味合いを持たせられるのが良いなと思いました。実際のChatGPTの履歴が閲覧できるリンクを有料部分に記載しています。ご興味あればご覧ください。

さいごに

ここまでお読みいただきありがとうございました!次回はデザイナーさんにロゴの制作依頼を行うための準備について書く予定です。

【お知らせ】主催イベント・クラウドファンディングのご案内

4/27(土)に群馬県前橋市で花と音楽のイベントを開催します。装飾の仕事に挑戦してみたいと思い、まずは自分で主催イベントを作ることにしました。

現在、前売りチケットの販売、イベント開催に向けたクラウドファンディングを実施しております。もしよろしければイベントのシェア、クラファンのご支援など、ご協力いただけますと幸いです。

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「bloom」イベント情報

bloomは花と音楽をテーマにしたイベントです。季節の草花で飾られた会場内でアーティスト・DJによるパフォーマンスが繰り広げられ、群馬県近郊で活躍するお店やクリエイターが一堂に介します。群馬県の郊外で、日常と非日常の間のような1日を味わってください。

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以下は有料部分になります。

  • 計画書テンプレート

  • リニューアル計画書(ネーミング)

  • ChatGPTでのネーミングの壁打ち

また、もしこちらのnoteをご購入いただいた場合、売上はイベント費用に充てさせていただきます。

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