配分
今月娘のところに第二子が生まれ、私の孫は4人になった。
娘は毎月のように里帰りしているし、わたしもなにかにつけて、娘の家に出入りしているので、娘の孫とはどうしたって密な関係になりがちだ。
息子は現在遠方に住んでいてバツイチ。
元奥さんのところにいる子どもたちとは毎月会っているが、わたしもたまに便乗することがある。
こちらの孫たちには滅多に会えないからこそ、会いたい気持ちが募る。
会えない時間が愛育てるのさと郷ひろみさんも歌っているように。
息子のところの第一子は初孫だし、下の子はコロナ禍の真っ只中、我が家の近所のマンションに住んでいたときに生まれた。
四人の孫たちはわたしの中では優劣はなく、四分の一ずつ均等に愛を注ぐ存在だ。
わたしは今、娘の家に泊まり込んで、産後のサポート、3歳の孫の世話をしているが、週末2度ほど我が家に帰った。
というのも、わたしの母がこのところすっかり衰えてしまい、老人ホームに様子を見にいくためだ。
食欲が落ち、貧血が急激に進み、血圧も低下し、長年服用していた降圧剤も中止することになった。
父の癌が発見されたのは、貧血がきっかけだったので、わたしの方からお願いして、腫瘍マーカーなどの検査をしてもらった。
結果は陰性だったと医師から報告があったが、陰性だから大丈夫というわけでもないらしく、「高齢なので、精密検査はせず、このまま見守っていく方針で」とのことだった。
認知症のせいで、食べなければ生きられないという積極的な気持ちが失せてしまったように思われる。
たまに外食に連れて行くと、好物のお寿司をびっくりするほど食べたりする。
とはいえ、食欲は確実に落ち、すっかり痩せてしまった。
若い頃は、母に恨みに似たような複雑な感情があり、ぶつかり合ったこともあったけれど、今はそんな気持ちはまったくない。
それでも、優先順位は我が子や孫たちより下位になってしまう。
孫が生まれてもう直ひと月。
来月上旬には自宅に戻る。
母の顔を見に行く回数を増やすつもりだ。