見出し画像

もしも

50代の頃、1年だけ作詞教室に通いました。
N〇K文化センターの、お遊び感覚のカルチャーの講座です。

幼い頃から歌謡曲が好きでした。

あの頃はやたら歌番組が多くて、流行歌だけではなく、親世代の懐メロもよく聴いていました。

中学生になると、こっそり『平凡』や『明星』を買っていたのは、付録の歌本目当てだったと思います。

祖母の家はわたしが幼い頃、学生相手の下宿屋をやっていたので、学生さんが置いていった古い歌本もありました。
美空ひばりさんの『越後獅子の唄』もそれで知りました。

そんな思い出は置いておいて、

作詞教室は、隔週だったと記憶しますが、いくつでも好きなだけ歌詞を書いて行き、先生が生徒の前で読んで発表する。
そして簡単な感想を述べる。
そんな内容でした。
(ただそれだけです)

わたしは毎回、2つ、3つの作品を書いていったので、そのために、暇さえあれば、五七五と指を折り、頭の中で言葉探しをしていました。

一番悩むのは、いつも出だしで、

歌い出しにもインパクトが必要なんじゃないか、と。

過去の作品を紐解いて、
自分なりに導き出した
キラーワード、それは

「もしも」

この言葉には、一定のインパクトがあるのでは、と考えるに至りました。
結果、どんな作詞をしたのか、まるっきり記憶にないのですが。


作詞教室については、機会があれば、いつかまた書いてみたいと思います。


「もしも」で始まる歌詞は、名曲揃いということは確かです。
たとえば、



『芽ばえ』麻丘めぐみ(1972年)



もしもあの日あなたに逢わなければ
この私はどんな
女の子になっていたでしょう
足に豆をこさえて街から街
行くあてもないのに
涙で歩いていたでしょう
悪い遊び憶えていけない子と……
人に呼ばれて泣いたでしょう
今も想い出すたび胸が痛む……
もうあなたのそばを離れないわ……
一番のみ抜粋


小学校時代、一番好きだったアイドル、麻丘めぐみさん。
十二単衣が似合いそうなロングヘアに憧れていました。



『あなた』小坂明子(1973年)


もしも私が家を建てたなら
小さな家を建てたでしょう
大きな窓と小さなドアと
部屋には古い暖炉があるのよ
真っ赤なバラと白いパンジー
子犬の横にはあなた あなた
あなたがいてほしい
それが私の夢だったのよ
いとしいあなたは今どこに
一番のみ抜粋


当時、ピアノの弾き語りは新鮮でした。
女性シンガーソングライターのさきがけというイメージがあります。
レコードを買って家でよく一緒に歌っていました。

『恋におちて Fall in Love』
小林明子(1985年)


もしも願いが叶うなら
吐息を白いバラに変えて
逢えない日には部屋じゅうに
飾りましょう貴方を想いながら
Daring, I want you 逢いたくて
ときめく恋に駆け出しそうなの
迷子のように立ちすくむ
わたしをすぐに届けたくて
ダイヤル回して手を止めた
I'm just a woman
Fall in love
一番のみ抜粋

小林明子さんもシンガーソングライター。
この曲に関しては作詞は湯川れい子さんです。(←この部分加筆しました)
不倫がテーマの人気ドラマ『金曜日の妻たちへ』の主題歌でした。

「ダイヤル回して手を止めた」

この歌詞に時代を感じます。


『if…』DA PUMP (2000年)


高鳴る鼓動は夕暮れの
君の姿にシンクする
見せないプライドささやかな
君の全てにスウィングする
Do you know it?
月の明かりを背負い
絡んできた運命の糸を追う
願いその答えは見えない
じゃまな雲がかくすんだその先は
もしも君がひとりなら
迷わず飛んでいくさ
(俺の行く末密かに暗示する人Honey!)
もしも誰かといた時は 
解けるのかな魔法は
張り裂けそうな胸の痛みは…
一番のみ抜粋

あ!ごめんなさい。

「もしも」から始まる曲ではありませんが、タイトルがずばり「if」

DA PUMPの旧メンバーの曲です。

一途な恋心。

二番以降も聴いていくと、執着が更にエスカレート。
ストーカーと紙一重で、少々背筋が寒くなるのは、わたしだけでしょうか。

以上老婆が選ぶ「もしも」の4曲でした。

noteを始めたばかりの頃、
麻丘めぐみさんの『芽ばえ』を記事で紹介していました。
(今回とは別の画像を貼り付けています)
アイドルについて、我ながら熱く語っていて、ちょっと呆れてしまいます。