プレミアリーグ全チーム

欧州の移籍市場が終了したことで、全チームのスカッドが完成した。

1.マンチェスター・シティ
2.マンチェスター・ユナイテッド
3.リバプール
4.チェルシー
5.レスター
6.ウエストハム
7.トッテナム
8.アーセナル
9.リーズ
10.エバートン
11.アストンビラ
12.ニューカッスル
13.ウルヴァーハンプトン
14.クリスタルパレス
15.サウサンプトン
16.ブライトン
17.バーンリー
18.ノリッヂ
19.ワトフォード
20.ブレントフォード


1.マンチェスター・シティ

昨年のチャンピオンのマンチェスター・シティは昨シーズンのメンバーを残留させながらグリーリッシュを獲得し層を厚くした。しかし、メインターゲットであったケイン(CF)を獲り逃し、左のサイドバックも獲れないどころかメンディが使えるかどうかも分からない。悲願のCL制覇とリーグの連覇の両立にはスカッドが物足りないように感じられる。ただ世界有数の充実ぶりをみせるアカデミーからの底上げがあれば更なる質の向上が見られるかもしれない。

2.マンチェスター・ユナイテッド

ロナウド、サンチョ、ヴァランとコロナ禍で他のチームが財政で苦しんでいるなか超大型補強を敢行し、失敗の許されないシーズンとなった。特にスールシャールにとってはFAカップ、リーグカップ、EL、そしてプレミアリーグとすべてで2位と優勝以外許されないだろう。しかし、前線とDFラインに充実な戦力がいる一方で、好不調の波が激しいポグバ、衰えが見られるマティッチ、ワールドクラスになりきれないフレッジとマクトミネイといった中盤には不安が残る。鍵を握るのは新戦力より中盤の成長かもしれない。

3.リバプール

昨シーズン守備陣に大量の怪我人が出たリバプールは他クラブが羨むほどの充実した守備のスカッドを完成させた。特にCBは怪我から戻ってきたファン・ダイク、ゴメス、マティプに加え成長著しいフィリップスとウィリアムス、そしてライプツィヒからコナテと誰が出ても高水準のメンバーだ。一方ワイナルドゥムが抜けた中盤は、ヘンダーソンとミルナーがフル稼働が難しくなりつつあり、ケイタとチアゴはフィットし切れていない状態で補強が進まなかったのは気がかりではある。

4.チェルシー

CLチャンピオンはトゥヘル体制のもと初めて開幕から戦うことになる。途中就任でCL権獲得とCL優勝を果たしたトゥヘルはCFにルカクを迎え課題だった得点力の解決を図り、移籍後すぐにゴールを決めるなどプレミア制覇にも期待が持てる。鍵となるのはレンタルバック組だ。移籍先が見つからず残留することになった選手をトゥヘルがどのようにモチベーションを保ちながら、ロッカールームの雰囲気を作るか。レンタルバック組が問題を起こせば内部から苦しむ可能性もある。

5.レスター

2年連続だギリギリでCL権を逃したレスターはその原因であるDFラインの離脱に備えDFライン中心に層を厚くした。クラブと一緒にワールドクラスに成長をしている選手たちのスカッドはビッグ6に全く劣らないものとなっている。懸念材料としては、リバプール時代に土壇場でタイトルを取り逃したロジャーズ監督の勝負弱さか。

6.ウエストハム

昨シーズンのプレミアリーグでサプライズを起こしたウエストハムだがスカッドの質としては充分に今シーズンも戦えるメンバーだ。ライスやベンラーマを残留させ、チェルシーからズマを獲得し強化を図った。しかし、ELを戦う今シーズンはミッドウィークでの試合が増える。このメンバーで戦いきれるだろうか。まずは、冬まで戦えるかがシーズンの鍵となるだろう。

7.トッテナム

昨シーズンは首位にも立ち、監督解任もする天国と地獄の両方を経験し、何とかECL権を獲得した。しかし、今シーズンはモウリーニョに酷評されたCB陣の気迫のこもった守備もあり開幕から3連勝、さらにはソンフンミンの契約延長、ケインの残留宣言と明るいニュースが多い。課題はエリクセン退団以降から続くアタッキングサードアイディア不足。ヌーノ監督がこの課題を解消できればトップ4も見えてくるだろう。

8.アーセナル

ヨーロッパカップ戦を逃し失意のシーズンとなったアーセナルは今シーズンも冨安、ホワイト、ロコンガなどを獲得し若手中心のチーム作りを進めた。一方でアルテタの偏差値が高いサッカーについて行けていない選手もいる。また、経験豊富なオーバメヤンやラカゼット、ジャカもリーダーシップを発揮することが出来ていない。若手の成長とベテランのリーダーシップ、アルテタの戦術のすべてがはまれば面白いチームになる予感はあるが、、、

9.リーズ

昨シーズンは昇格組ながらトップハーフでシーズンを終え、知将ビエルサの手腕が発揮された。しかし今シーズンは開幕戦のようにかなり研究されながら戦うことに知将ビエルサがどれだけアイディアを出せるかが重要なシーズンとなる。一昨シーズンに飛躍したシェフィールド・ユナイテッドが降格したように難しいプレミアリーグをビエルサはどう乗り切るのが鍵を握るだろう。

10.エバートン

アンチェロッティ監督がレアルに引き抜かれたエバートンはライバルクラブの英雄ベニテスを招聘した。ただ選手の顔ぶれとしては両ウイングが変わったくらいで大きな変化はない。アンチェロッティ前監督の継続をしながらベニテス監督の色をどれだけ出していけるかが上位進出の鍵を握る。

11.アストンビラ

昨シーズンは惜しくもトップハーフには入らなかったものの終盤までヨーロッパカップ戦争いに絡むなど、古豪復活への1歩を踏み出した印象を与えたアストンビラだが、中心だったグリーリッシュが引き抜かれ、バークリーはレンタル元のチェルシーへ戻ってしまった。サウサンプトンからイングス、レバークーゼンからバイリーを獲得したがゲームメーカーの補強は上手くいかなかった。得点力のある選手たちを活かすためどれだけチャンスを創れるかが上位進出の鍵となる。

12.ニューカッスル

昨シーズンのニューカッスルは良くも悪くも一貫した戦いをした。低い守備ブロックから早いカウンターでゴールに迫る。特にサン=マクシマンとアルミロンに依存する部分は大きく、彼らを引き抜かれなかったのはニューカッスルは大きな収穫だろう。しかし、彼らを封じられると打つ手がなく結果を残すのが難しい。プランBもしくはサン=マクシマンとアルミロンの出来に今シーズンの行方がかかっている。

13.ウルヴァーハンプトン

昇格後初めて2桁順位となってしまったウルヴァーハンプトンはヌーノ監督が退任してラージ監督が就任した。ヒメネスの怪我により得点力不足で苦しんだが、トリンカオやファンヒチャンを獲得した今シーズンも開幕戦3試合で無得点と苦しんでいる。守備で安定しているチームだけに得点力が戻ってくれば上位進出へ返り咲くチャンスがあるだけに、ヒメネス中心に攻撃陣の奮起が鍵を握る。

14.クリスタルパレス

契約満了で多くの選手がチームを去ったクリスタルパレスはヴィエラ監督のもと若いチームへ変わろうとしている。中でもチェルシーから獲得したグエイは守備の中心に、ギャラガーはすでに2ゴールと結果を残している。経験豊富なザハやクヤテが若手をうまく引っ張っていければクラブ史上初の1桁順位も見えてくる。

15.サウサンプトン

前半戦では一時期首位に立つも、後半戦は残留争いに巻き込まれたサウサンプトンは厳しいシーズンになりそう。ヴェステルゴーア、バートランド、イングスと主力を引き抜かれた。獲得してきたリャンコらの代役も穴埋めには物足りなさを感じる。3年目になるハーゼンヒュットル監督の手腕がサウサンプトン残留にはかかっている。

16.ブライトン

昇格から5年目を迎えるブライトンはそろそろ中位への仲間入りをしたいところだ。今年で3年目のポッター監督は攻撃的なサッカーを指向し、ゴール期待値(xG)はリーグトップクラスの数値を出している。ポッター監督はこのデータを結果に変えられればいっきにトップハーフも見えてくるだろう。

17.バーンリー

今シーズンでプレミアリーグ6年目のとなるバーンリーは相変わらず他クラブと比べればスカッドかもしれないが、イングランド伝統の4-4-2でしっかりとブロックを作り縦に速いダイク監督のサッカーが上手くはまれば残留も見えてくる。しかし、チームを支えるタルコフスキーとミーが離脱した時の控えにはかなり不安が残る。2人がシーズン通して戦えることも重要になってくる。

18.ノリッヂ

1シーズンでプレミアリーグに戻ってきたノリッヂは自チームの若手で戦った前回の反省を活かし、若手を使いつつブレーメンからラシツァとサージェント、チェルシーからギルモア、シャルケからカバクとかなり積極的に補強を行った。チャンピオンシップを首位で戦い抜いた力と新戦力が上手くマッチすれば残留も見えてくる。

19.ワトフォード

ノリッヂとともに1年でプレミアリーグに戻ってきたワトフォードは、降格時のメンバーを中心にプレミアリーグの経験豊富なスカッドを作った。しかし、最終ラインを中心に主力の年齢が高い印象を受けるため、世界一激しく過密なプレミアリーグで高い質を保てるかが重要な要素になるだろう。

20.ブレントフォード

プレミアリーグ初挑戦のブレントフォードは開幕戦でアーセナルを撃破したような番狂わせを予感させるチームだ。アイエルやノアゴールといった各国の代表クラスの選手を据えながら、前線にはチャンピオンシップで33ゴールのトニーがいる。このトニーの爆発によっては初挑戦のプレミアリーグで大番狂わせを起こすチームかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?