編集者になってから、記事を書くのが遅くなった
「編集者」という職について約1年半。いまでも記事を書くことはあるが、基本的にはライターさんが書いた記事を編集するのが仕事だ。
ボクはもともとWebライターをしていたのだが、編集者になってからは記事の執筆スピードが格段に遅くなった。
このあいだ編集者仲間で飲みにいったときに、この話題で盛り上がった。編集者は記事を書くのが遅い。たぶんこれは「編集者あるある」なのだろう。
なぜ編集者は、記事を書くのが遅いのだろうか。理由はたぶん、2つある。
1. 「記事に対する批判的な視点」が、筆を遅くしている
編集者は、ライターさんが書いた記事を、より読みやすくブラッシュアップするのが仕事だ。それゆえに、記事に対しては常に批判的な視点をもっている。
「ここの書き方は、もっと具体化したほうがいいんじゃないか?」
「このパラグラフは、前半に持ってきたほうがいいんじゃないか?」
「ここの文は余計なんじゃないか?」
「タイトルは……」
「見出しは……」
そう、常に、批判的な視点を持っているのだ。それは自分が記事を書くときでも変わらない。
記事を書きながら、「あっここはもっとこうしたほうがいいな」「この文じゃ読者に伝わりづらいな」と、常に頭の中でグルグルと考え込んでしまうのだ。
編集者は文章のプロでありながら、文章に惑わされ続けている。
2. 「編集者としての責任」が、筆を遅くしている
編集者はふだん、ライターさんの記事に赤を入れている。この事実こそが、なにより記事を書くことを遅くしている。
つまり「他人様の記事に赤入れするくらいなんだから、テメェは”良い記事”を書けるんだろうなぁ?? おぉん??」ってことである。編集者がみずからに課した、見えない責任がのしかかるのだ。
いや、書けねぇ、書けねぇよ……!!
編集者は、ライターさんの記事を俯瞰して、より良くブラッシュアップするのが得意だから、編集の仕事をしているのだ。記事を編集する能力と、記事を書く能力は、まったくの別物。
もちろん、ひと並みに記事を書くことはできる。しかし「良い記事」を書こうと意識してしまうと、筆が止まってしまうのだ。
これはライターさんに対する、自己満足的な責任感だろうか?
ほんとうは編集とかぜんぶ無視して、ガーッて書きたい
そんな悩みをかかえる編集者だが、解決策としてはもう、ガーッて書くしかない。
「編集視点はぜんぶ無視するぞ! めちゃめちゃな記事を書くぞ!」
……いやまぁ、言葉でいうのは簡単なのだが、これがなかなか難しい。現にこのnoteを書くのに3時間くらいかかってしまっている(うち2時間はTwitter)。
編集者のボクは、「記事に対する批判的な視点」と「編集者としての責任」を抱えながら、今日もしこしこと記事を書く。
……あっでも、たまに記事を書くのが異常に速い、本職編集者の方もいるよね。どうやってるんだろう? よかったら教えてください。
▲勢いだけでガーッて書いためちゃめちゃな記事