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無観客試合の開催で思い出した、ある「偽兵の計」の事例

Jリーグは今のところ、COVID-19の影響により開催予定が全く停止しているどころか、現状ではその再開について何も話し合われておらず、むしろ6月第1週までの開催が停止しているという有様。

悪いとかではなく、COVID-19の影響がある以上、そうせざるを得ないのだから、これはもう納得する以外にない。試合を開催するのも大変だが、開催しないこともまた大変だ。
この先、Jリーグの理事会などが行われる予定も在り、そこで何らかのアクションが出て来ると思うので、それはそれとして待っておくのが良策だろう。
しかし、それはそれとして、こうしてシーズンの進行が停滞を余儀なくされた結果、日程をずらしたり、シーズン構造をいっそ変革させたら、という議論が出てきてもいるようだが、それはそれでまた別の問題だろうし、ここでどうこう言うつもりは皆無だ。

さて、そんな中、ドイツでは先陣を切る形で、ブンデスリーガが再開されたらしい。
そのリオープニングカードは、ボルシア・ドルトムントとシャルケ04。レヴィアダービーと呼称され、どちらのチームにもかつて日本の有名選手(香川真司と内田篤人)が籍を置いていたことで知られている。

ドイツ国内向けのみのようだが、テレビ視聴者にはこういう計らいもあったらしい。

この試合は結局、無観客で行われ、ドルトムントが4-0のスコアにて圧勝して終わった。自分は見ていないので、実際の試合中の様子を窺い知れたわけではない。
で、この試合のことは知らないけれど、この先に試合予定のある別チームなどは、以下に挙げたロイターのツイートに添付の動画にもチラッと出てきたように、段ボールか何かのボードに人(当然だが当該チームのサポーターだろう)の写真を貼り付け、観衆として仕立てるという「演出」も行おうとしているようだ。

それを見て思ったのは、「偽兵の計」みたいなのをやる文化は日本にもあるじゃないか、というものだった。

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例えばこれは、2018年秋に松江であった地域CL1次ラウンドでの一コマなのだけど、こういうの(「偽兵の計」とでも言うべきもの)はサッカーの会場では時折見られるもののようで、Twitterなどで紹介されている事例を多数見たことがある。
ちなみにこの恐竜たちを用意したのはサウルコス福井。今は福井ユナイテッドと改称改組している。チームカラーも変化したし、CIも変わったが、それは今ここで言うべきものでもなかろう。

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大会期間が終わるとお役御免となったが、恐竜たちはちゃんと役目を果たしていた。もちろん、声を出したり大きくアクションをしたりはしないけれども、彼らもまた立派な「応援勢力」たり得ていた。
この大会でサウルコス福井は結果を残すことは叶わなかったものの、観戦者の目には強烈なインパクトを残してくれた。

もしもこれから先、JリーグやJFLなどが再開する時、ブンデスリーガの例に倣って無観客での催行は当然考えられるだろう。その際にこういう「偽兵の計」みたいな仕掛けがあっても良いじゃないか、と思う。
置かれた人型(パネルにせよフィギュアにせよ)は、決して声も出さないしアクションもしないけど、そこにいるだけでも何かが違うんじゃないか、という気がしている。

たぶん、チームによっては、サポーターの有志などからそういうサジェストなどとっくに受けているチームもあると思うし、そういうチームではどんどん話を進めて、やっていただけたら良いと思う。
パネルなどを作ったり設置したりするような手間は確かにかかるだろうけれど、無観客という状態を逆転の発想で楽しむことができるなら、それだけでも楽しいんじゃないか。

こういう事例だけでなくても、楽しむ方法はいくらでもあると思う。今回ご紹介したのはあくまでも一例に過ぎないし、これよりももっと楽しい仕掛けを用意しているチームもあるだろう。
そうした楽しみ方のアイディアを誰もで出し合いながら、より幅広くJリーグや、ひいてはスポーツ全体を楽しんでいけるようにしたら、こういう御時世にこそ発生しやすいようなギスギスしたような感情も、何処かに消し飛んでしまうんじゃないかと、淡い期待を抱いている。

サッカーもだけど、それだけでなく、スポーツ全般や歌舞音曲、更には会食や語らいみたいなものに至るまで、有償無償を問わず、ありとあらゆる娯楽は、そんな可能性を無限に秘めている。
その渦中にあるなら、自分だけでも良いし、他の人々を(あくまでも迷惑をかけない範囲で、だが)巻き込んでも良いが、いろいろと楽しい時間を過ごす方法を考えてみようじゃないかと思っている。
様々なツール、例えばzoomみたいなものでも良いんだろうし、手作りのツールでも構わない。方法は何でも良いけれど、とにかくそこから始めて徐々に大きな波ができたら、きっとたくさんの人々が多幸感を味わえるだろうと思う。

確かにこれでは茫洋としていて見通しは甘いかもしれないし、リソース不足のところに持って来て、大変且つ無用な手間をかけてしまうことにもなるだろうけど、こういうことから始めると、きっと何かが変わってくるんじゃないかと、そんな淡い期待を持っている。

基本的に他人様にどうこう、と偉そうに提示するような文章ではなく、「こいつ、馬鹿でぇ」と軽くお読みいただけるような文章を書き発表することを目指しております。それでもよろしければお願い致します。