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私の人生の選択と価値観に影響を与えた本たち#4

「これまでの人生の選択や価値観に影響を与えた一冊」を紹介するブックカバーチャレンジ。

4冊目は『五体不満足』(乙武洋匡)です。

言わずもがなに有名な乙武洋匡さんのベストセラーです。あ、乙武さんのnoteもいつも拝見しております(笑)

2019年には乙武さんが義足をつけて歩くことに挑戦されたことを綴った新著『四肢奮迅』も出されました。こちらも素晴らしいのでよろしければ。


話を五体不満足に戻しますが、本書の初版を見るとなんと1998年で22年前!

そうなると出会ったのは発刊してすぐでした。中学生の当時、小学校でのいじめをきっかけに不登校で学校に行けず引きこもっていたときに読んだのを覚えています。

※筆者の境遇、ユニークな過去に興味のある奇特な方はよろしければ

もちろん自分で買ったのではなく、母が買った本がたまたま家にあったことがきっかけ。

家にいたあの頃はゲームやマンガに没頭していましたが、それも飽きてくるとやることがなくなり、ちょっと読んでみようかなぁと何気なく手に取って開いた感じでした。

今のようにSNSもなく、PCやインターネットも家庭にはそこまで普及していなかった時代。そんななかでの引きこもりですから、得られる情報はごくごく限られていたわけで。

親兄弟としか会わないような、六畳一間の狭い世界で生きていた中学生の当時にとって乙武さんという存在の出会いはそれはもう衝撃的

言葉を選ばずに言えば、「手足がない人が普通に生活が出来ているなんて!!」「こんな境遇の人がこの世にいるなんて…」とどんどん読み進めていきました。

自分の殻に閉じこもっていたこの頃は、ただただ大人やクラスメイトに対する苛立ちや不信感、自分の置かれた境遇に対する不安に苛まれる日々でやさぐれており、自分のことを客観的に見ることなんて出来ません。

本書で綴られていた乙武さんの子どもの頃のお話やご両親の思い。そして、そのうち大学にまで通う乙武さんを知り、「なぜここまで前向きに生きれるのか」「乙武さんができるなら、四肢があり歩ける自分も頑張れるのでは」と勇気を貰ったような感じがしました。

これがすべてではないですが、今思えばその後一念発起し引きこもりを止めてフリースクールに通うようになったのも、乙武さんの本との出会いが少なからず影響していたように感じます。

保護者や教員の存在は子どもたちにとって確かに大きいですが、然るべきタイミングでのこうした第三者との出会いってすごく大切なんですよね。それがリアルな人間でなくとも本もその役割を担うこともあるでしょう。

子どもたちの数は減っているのに不登校が今なお増加傾向というのも様々な要因が絡み合っていると思いますが、当時の僕のように背中を押すような本との出会いもつくってあげたいものです。

乙武さんからは自らの境遇と向き合い受け入れること、多様性を認めること、そして他者と比較しない自分のオリジナリティを認め前向きに活かすことの大切さを学びました。

よく生きることそれ自体が、誰かの人生を前に進める力になる
※ここでの”よく”は良し悪しではなく、よく噛んで食べるのよくの意

この文章を書きながらそんな風に思ったりします。

あれからだいぶ大人になりましたが、私も誰かの人生を後押しできるような生き様をできているでしょうか。できていたらいいな。

皆さんは、子供の頃に影響を受けた人(本)はありますか?


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