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私の人生の選択と価値観に影響を与えた本たち#2

「これまでの人生の選択や価値観に影響を与えた一冊」を紹介するブックカバーチャレンジ2冊目。

今回は自分の教育に対する姿勢の原点となった『夜回り先生』(水谷修)

これも同世代かちょっと上の皆さんには有名な水谷修さんのエッセイ的な本。多分今の若い皆さんは知らないかもしれませんね。

夜な夜な繁華街に出かけ何らかの事情で家に帰れなかったり、不安定な家庭環境であったり、居場所がなく立ち尽くしてるような若者をまちで見つけては、果敢に声をかけていく。

「うっせー、じじい」と邪険にされても、時には犯罪に巻き込まれて危ない目に遭っても、子どもたちのために文字通り身体を張り、自らの私生活を省みず寝ないで街を歩くだけでなく深夜にかかってくる悲痛な叫びの電話や相談に応えていくという活動を続ける、元高校教師でもある水谷修さんこと夜回り先生。

水谷修さんは、大学3年の教職課程の授業で流されたドキュメンタリー映像でその活動を知りました。

その、ある意味で常軌を逸した活動と姿勢に言葉を失い、良くも悪くも教員とは、教育者とは…という悶々とした気持ちになったのを今でも鮮明に覚えてます。

水谷修さんの存在を知ってからは「なんでこの人はこの活動をここまで出来るんだろう」と興味を持ち、数日後にブックオフで偶然棚に並んでいたこの中古本を見つけて即購入。

これ以外にも数冊出されていますが、まとめて手に入れて授業の空きコマで貪るように一人で読みました。

この本との出会いが、教育実習へ行く前でまだ覚悟というものもなかったこともあり、水谷修さんの生き様に本気度を問われた気がして、自分が教員になっていいのだろか、そもそも本当に教員でいいのか…と深い問いが芽生えるきっかけに。

今思えばこの時の自問自答と教育実習の経験があったからこそ、自分は職業としての教員には向いていないと気付くことができ、意味を捉え直し「人の成長発達に携わる」という職業ではない、教育者としての生き方に辿り着けたのかもしれません。

職業選択とは、自らの生き方を社会で表現するための手段を選ぶことである。

そうであったとき、大切なのは、”自分はいかに生きるか”という人生に対する姿勢とまなざしだ。

皆さんは自分の生き方を見つめるきっかけとなった本、ありますか?

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