問題解決あるあるコラム#42:計画するのが大嫌い
こんにちは。いちおか@問題解決サポーターKAIOS代表です。
問題解決あるあるコラム第42回のテーマは、「計画するのが大嫌い」です。世の中これだけ「PDCA、PDCA」と言われているのに、最初の「P」からつまずき、時間に追いたてられるように「Just do it」とばかりに「D」を突っ走っている人々のなんと多いことか……。今回は、「なぜ人は計画を立てたがらないのか?」について考えていきたいと思います。
計画を立てるのは面倒くさい
何かを始めようとした時、必ず「計画を立てよう」と思いますよね。でも、いざ計画を立てようと思うと足りない情報だらけです。何が足りないのかもよく分かりません。そんな時は、誰かに聞いたり本や雑誌などの記録を見たり、今の時代ならネットで検索したりして情報を集めます。そうして得られた情報を活用して、自分がやりたいことが実現できる可能性が高くなる方法を考え、道筋を作っていきます。「計画を立てている時が一番楽しい」という方も居ます。さまざまな可能性を考え、「あーでもない、こーでもない」と想像するのは楽しいですよね。でも、そんなプロセスを楽しめる人はそう多くはないのです。大多数の人はそれが「面倒くさい」のです。
「なんとかなるだろう」が合言葉
あれこれ考えたり準備したりしているとなかなか行動を開始できません。やろうと決めたら一秒でも早く始めたいのにいちいち計画立てて……なんてじれったいのです。ついに我慢できなくなり、「なんとかなるだろう」と始めてしまいます。「今までもなんとかなった」という悪しきレッスンズラーンドがその判断を正当化します。そうして、文字通りの「無計画な旅」を始めてしまいます。
なりゆきの結果オーライ
無計画で始めるので、得られる体験や結果はその時次第、「なりゆき」です。思っていた通りになることもあれば、そうならないときもあります。逆に、思っていた以上の体験ができることもあります。そうすると「ほらみろ! いちいち細かい計画なんて立ててたらこんな体験できなかったに違いない!」と現状肯定を始めます。結果として「よかったこと」を評価し、「結果オーライ」で締めくくります。でも、それって楽しいですか? まあ、楽しいですよね。こうした取り組み方も選択肢のひとつとしては「あり」だとは思います。
なぜ計画を立てたくないのか
では、なぜみな計画を立てたがらないのでしょう? 計画を立て、計画通りに進めることにも醍醐味はあります。計画は所詮「机上の空論」、全てがその通りに進むはずがありません。想定外のことが起こり、それに対処しつつ計画したラインに戻す、対処しきれない時はその場で計画を変更し、そうしてまた新たな計画を実行しゴールを目指す。そんな取り組みも「なりゆき戦略」とは違った楽しみがあります。が、やっぱり計画は「立てたくない」。そこには「面倒くさい」以上の理由があります。その理由とは、「責任回避」です。
計画を立てると責任が生まれる
「責任回避」と聞くと少々大袈裟に思えるかもしれません。が、確実にこれが「計画を立てる」ことから人々を遠ざけているのです。どんなことでも、計画を立てると「その計画通り進めなければならない」という「実行責任」が発生します。しかも、計画は比較的多くの人の目に晒されます。こうなると、この「計画を実行する」よりも先に「計画通りできなかったらどうしよう」という「不安」が生まれます。そう、「計画立案」は「リスク源」そのものなのです。計画を立てることを嫌うのは、我々の「リスク回避能力」が発揮された結果だったのです。
リスク回避を続けた結果「成功体験」が生まれない
このように、計画を立てることを避けようとするのは「リスク回避」による反応であり、「リスクから逃げた」という事実を正当化するために、必要以上に「結果オーライ」の成果を過大評価します。不安を乗り越え、計画通りに進めて得られる「達成感」と、計画通りできなかった時の責任や自分が傷つく「リスク」を天秤にかけ、「リスクを避ける」方を選択した結果なのです。この天秤は、計画を実行して得られる「成功体験」が積み重なればバランスが変わるのですが、殆どの場合「リスク回避」を選び続け「成功体験」が生まれることはありません。
人間は責任を背負い込んでしまう
このように、頑なに「リスク回避」を選んでしまう背景には、我々人間が実は「責任感が強い」ことに要因があるのかもしれません。これは、「プライドが高い」と言い換えることができます。別に計画通りいかなくったっていいし、一人で全部やらなくったっていいのに、勝手に全ての「責任」を背負ってしまい、押しつぶされるような不安から逃れようとしてしまっているのです。そんな心の重しを取り除いて不安を和らげてあげることができれば、背負い込んだ「責任」と向き合えるのかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか? 人間の「リスク回避」能力がさまざまな場面で我々の行動に影響を与え、本来やりたいこととは違う方向に向かわせてしまっていることがお分かり頂けましたでしょうか? 困りましたね。でも、こんな状況を変えることができる方法があります。それは、「現状をみえる化」することです。現状を「みえる化」し、それを受け入れることができれば、冷静な判断ができます。そのためには、「ツールを上手く使う」必要があります。人間は、これまでも道具を使って「不可能」を「可能」にしてきました。マネジメントシステムにも、そんな「ツール」が用意されています。それら「ツール」については、また別の機会でお話ししたいと思います。(既にお話ししているものもありますが)
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
次回のテーマは「ガントチャートってなにものなんだ?」です。
次回もお楽しみに!
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