見出し画像

人にマタタビ、猫に小判

ウチの猫はお金をありがたがらない。

ぼくの財布を平気でまたぐ。
先月は、テーブルの上に出しておいた通帳の上で、昼寝をしていた。
一年分の500円玉貯金を数えていたときには「あなた何やってるの?」と言わんばかりに、妙に醒めた目で見ていた。
なんだか嫌な気分になったぼくは、途中で数えるのを止めてしまった。

猫に小判

お金の価値がわからない猫はアホだと、昔の人はいったものだけど。
(ひょっとしたら自分の方が間違っているのかも?)
あの目で見つめられた時に、そんな考えが天啓のようにひらめいた。

「お金のどこがありがたいの?」
食べ物を買えるよ。
「それは食べ物があれば良いだけの話じゃない?」
着る物も買えるよ。
「着る物って必要?」
君みたいな毛皮がぼくには無いからね。
「そう。着る物がいるというのはわかったわ。でも、お金が必要ではないみたいよ」
お金があるから物の価値が決まるんだよ。
「じゃあ、あなたはお金がないと何が大切かもわからないの?」
そういう事になるだろうね。
「お腹がすいたら食べ物。寒くなったら毛布。うるさい犬が来たら高いところ。大切なものなんて簡単よ」
確かにそうだね。
「お金なんてあっても、何にもならないわよ」
その通りだよ。猫に小判って、人間がバカだっていう意味の言葉なのかも知れないね。
「そんなに落ち込むことはないわよ、そんなときは・・・」

「マタタビが一番よ」



#我が家のペット自慢

この記事が参加している募集

我が家のペット自慢

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?