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やらされる事に慣れてはいけない
「やらされるのって嫌だよね」
小学生や中学生の頃は、大概の人と意見は一致していた。
先生のいう事を聞くなんて嫌だ。
親の矛盾している説教なんて言う通りに聞けるわけが無い。
嫌いな食べ物は食べたくない。
塾なんか行かないで、友達と公園で遊んでいたい。
長距離走をしているよりもシュートやドリブルや試合をしたい。
自分が何をしたら楽しいかを知っていた。
何をしたくないかも知っていた。
その感情に従いながら生きようとして、怒られたり呆れられたりした。
大人になったら、今のこの世界では、それはなかなか受け入れて貰えない。
そしていつのまにか、嫌な事を我慢するようになった。
熱い食べ物を我慢して食べるようになった。
苦い、臭い、ネバネバする、見た目が嫌なものでさえ。
最初は喉が気持ち悪くて咳が出て頭がくらくらして指先が冷えて服が臭うようになるタバコを吸うようになった。
苦くて変な臭いがして無性にトイレに行きたくなり飲んだのにさらに喉が渇いてしまうお酒を飲むようになった。
首が苦しいネクタイをするようになった。
通いたくもない遠くまで通勤をするようになった。
そしてそのうち、好きなものも嫌いなものも分からなくなった。
熱かったり辛かったり苦かったりする食べ物は嫌いではなかったっけ?
タバコを吸うのは好きなんだっけ?
お酒を飲むのは本当に好んでいるから?
ネクタイを恰好良いと思っているのはなぜ?
今の仕事は心から楽しいと感じられているの?
お金自体をそもそも好きなんだっけ?
それに気づいたら色々辞められる。
大人だから、なかなかすぐには辞められないこともあるかも知れない。
それはもうざまざまな理由で。
それでもまずは、自分の好きな事と嫌いな事をしっかり考えたい。
好きでは無いのに我慢している事があるはずだ。
好きだと思い込まされているかも知れないし、自分で我慢して好きだと思う様にしているのかも知れない。
そして、自分ではそれに気づいていない。
嫌な事を辞められたら、人はそれまでよりも幸せになれる。
多くの人が幸せになったらよいと思う。
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