見出し画像

無い時間をつくるという行為

人が足を踏み入れることのない、山深く奥のそのまた奥。
獣道もなく、周囲には動くものがほとんど見られない、その山頂近く。
数百年生きてきた大木が寿命を迎え、数年前から徐々に朽ちて、中がうろのようになっていました。
そしてついにある時、自身の重みに耐えきれなくなり、ゆっくりとその木は倒れました。
その瞬間に、周囲でその音を聴く耳を持つものは、誰もいませんでした。
さて、この木が倒れた音は実際に存在したのでしょうか?

この問いには、音はあるというのと、ないというのと、二つの答えがあります。
比べると「ある」と答える人の方が多いそうです。
しかしその中で、「ないのと同じことだ」と考える人ほとんどだそうです。
そのため、ほとんどの人にとってこの音は、ない、に等しいと言えそうです。

「酔って記憶を失くす」という現象があります。
しばしば耳にする、とくに珍しい話では無いのですけど。
しかし、先日の知人二人による飲み会は、少々変わったものでした。
なんと途中から二人とも記憶を失くして、何をしたか誰も覚えていないのだそうです。


さて、この飲み会は存在したと言えるのでしょうか?
(財布からお金は、ちゃんと減っていたそうですけど・・・)




この記事が参加している募集

#休日のすごし方

54,348件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?